水管理・国土保全

  

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常願寺川の自然環境

上流域の特徴
 常願寺川流域は、上流域の山地部と下流域の扇状地部に大別され、扇頂である富山市上滝を境として上流域・下流域に区分することができます。 常願寺川流域は、3,000m 級の高山を含み、上流域では高山帯・亜高山帯・山地帯・低山帯の各植生帯がみられます。また、地形の急峻さや冬の季節風を直接受ける条件下にあることから、森林限界の標高が低いという特徴があります。
高山帯にはハイマツ群落や高山草原が分布し、ライチョウ等が生息しています。亜高山帯ではオオシラビソ、コメツガ、ハッコウダゴヨウ等の針葉樹林、低い山地帯にはブナ、ミズナラ等の落葉広葉樹林、平野部に近い低山帯にはアカマツやコナラ等の二次林が広がり、ウラジロガシ、アカガシのような暖地性の常緑広葉樹もみられ、カモシカ、ツキノワグマ等が生息しています。水域には主にイワナが生息し、有峰湖にはコイやニジマス等も生息しています。


ハイマツ


下流域の特徴
 下流域では、攪乱を繰り返す河原を生育地とするアキグミが数多く分布し、イタチ、キツネ、テン等の小動物がみられます。魚類では、礫底を好むカジカやアジメドジョウ、アユ、ウグイの生息が確認されています。


アメドジョウ


礫河原の形成
常願寺川は、扇状地部でも河床勾配が約1/100 といった急流河川であるため、他河川に比べ河床材料の粒径が大きく、特に立山橋(18.0k)より上流では巨大な石礫が多くみられます。
河道の状況としては、横江えん堤(21.5k)から立山橋(18.0k)の間は一部岩盤が見られる山付区間となっており、これより下流の雄峰大橋(4.6k)までの間は広範な礫河原と平瀬、早瀬を繰り返す網状の流れとなり、さらに下流河口部までの間は低水路一杯の緩やかな流れとなり、水際部に植生がみられます。
常願寺川の礫河原上では、洪水の度に形成された環境の破壊と再生が繰り返されています。この礫河原上は、安定した環境に依存する生物にとっては生息が困難な空間となっていますが、逆に、この厳しい河川環境に依存するアキグミやカワラハハコなどの植物群落が形成されており、常願寺川らしい特徴的な河川景観を呈しています。


アキグミの大群落


アキグミの果実




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