常願寺川は、扇状地部でも河床勾配が約1/100 といった急流河川であるため、他河川に比べ河床材料の粒径が大きく、特に立山橋(18.0k)より上流では巨大な石礫が多くみられます。
河道の状況としては、横江えん堤(21.5k)から立山橋(18.0k)の間は一部岩盤が見られる山付区間となっており、これより下流の雄峰大橋(4.6k)までの間は広範な礫河原と平瀬、早瀬を繰り返す網状の流れとなり、さらに下流河口部までの間は低水路一杯の緩やかな流れとなり、水際部に植生がみられます。
常願寺川の礫河原上では、洪水の度に形成された環境の破壊と再生が繰り返されています。この礫河原上は、安定した環境に依存する生物にとっては生息が困難な空間となっていますが、逆に、この厳しい河川環境に依存するアキグミやカワラハハコなどの植物群落が形成されており、常願寺川らしい特徴的な河川景観を呈しています。