水管理・国土保全

  

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猪名川の主な災害

猪名川における水害

昭和30年代中ば頃までの猪名川は、堤防も小さく構造も弱いものでした。そのうえ、川筋が曲がりくねっていたため、洪水のたびに川から水があふれ流域の生活に大きな被害をもたらしていました。

猪名川流域の大雨は、梅雨のときに京阪神地方をおそう豪雨と、夏の終りから秋のはじめにかけてやってくる台風の影響によるものとがあります。

梅雨の豪雨による水害では、猪名川の改修工事のきっかけになった昭和13年7月の「阪神大水害」や「昭和47年7月豪雨」があります。また台風が原因の水害では、昭和28年9月の台風13号、昭和35年8月の台風16号、近年では昭和58年9月の台風10号によるものがあります。

しかし、猪名川の改修が進んだことにより、最近では洪水時の流量が増えているにもかかわらず、被害は少なくなってきています。


発生日 発生原因 被災市町村 被害状況
1896年(明治29年) 台風 台風により猪名川大洪水、流域の被害甚大、天津壊滅
1938年(昭和13年7月) 梅雨前線 尼崎市、伊丹市、川西市、池田市 死者8人、負傷者1人、全壊流失162戸、半壊94戸、
床上・床下浸水8,408戸、田畑1,678ha冠水
1953年(昭和28年9月) 台風13号 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、猪名川町 負傷者12人、全壊流失41戸、半壊30戸、床上浸水1,080戸、
床下浸水3,910戸、田畑1,220ha冠水
1960年(昭和35年8月) 台風16号 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、猪名川町 負傷者11人、全壊流失25戸、半壊49戸、床上浸水1,807戸、床下浸水2,541戸、田畑454ha冠水
1967年(昭和42年7月) 台風7号くずれ・梅雨前線 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、猪名川町 死者2人、負傷者100人、全壊流失41戸、半壊57戸、
床上浸水17,653戸、床下浸水75,779戸、田畑2,120ha冠水
1968年(昭和43年8月) 台風10号 川西市、猪名川町、能勢町 床下浸水51戸
1972年(昭和47年7月) 前線 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、猪名川町 半壊2戸、床上浸水55戸、床下浸水2,262戸
1972年(昭和47年9月) 台風20号 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、猪名川町 全壊流失3戸、半壊6戸、床上浸水95戸、床下浸水398戸、
 田畑47ha冠水
1983年(昭和58年9月) 台風10号 尼崎市、伊丹市、川西市、豊中市、池田市、能勢町 半壊8戸、床上浸水353戸、床下浸水2,854戸、田畑39ha冠水
1989年(平成元年9月) 秋雨前線 尼崎市、伊丹市、川西市 半壊4戸、床上浸水2戸、床下浸水44戸



昭和35年8月台風

伊丹市口酒井付近で猪名川左岸が約30mにわたって決壊し、多数の家屋が床上浸水しました。また、溢れた水は豊中市まで流れ込んだため、浸水面積は広範囲にわたりました。

猪名川上流部では道路が寸断され、孤立する集落もありました。



昭和35年8月 台風16号(猪名川と千里川の合流地点)




昭和42年7月台風くずれ・梅雨前線


猪名川本川での決壊は生じませんでしたが、最明寺川(右支川)では約300m、千里川(左支川)では約350mにわたって決壊しました。

浸水常襲地帯の尼崎市では、猪名川の増水と満潮時が重なったために、市内の半数近い世帯で浸水被害が生じました。


昭和42年7月 台風7号くずれ・梅雨前線(千里川下走井橋被災状況)




昭和58年9月台風10号


多田盆地の浸水のほか、河川敷の運動公園では表土流出によって使用不能に、国道、県道では冠水、土砂崩れ、橋脚沈下等により複数個所が、能勢電鉄でも絹延橋から多田駅間が冠水して不通となりました。 また、各地で河川の増水による床上・床下浸水が発生し、多数の住民が避難することとなりました。


昭和58年9月 台風10号(銀橋直上流部右岸側の浸水状況)




過去の主な渇水
過去の主要渇水
近年、猪名川ではたびたび渇水が発生し、取水制限の措置がとられています。平成14年におこった渇水では、最高で40%の取水制限が実施され、水道の減圧給水や学校プールの一時閉鎖など、人々の生活に影響を及ぼしました。

発生年月 取水制限延日数 最大取水制限率 猪名川の瀬切れ発生日数
昭和61年12月
~昭和62年2月
57日(12/10~2/10)
(12/29~1/3除く)
10%
平成6年8月~平成7年5月 278日(8/8~5/12) 40%
平成12年8月
~平成12年9月
30日(8/14~9/12) 20%
平成13年8月 6日(8/17~8/22) 10%
平成14年8月
~平成15年2月
201日(8/12~2/28) 40%
平成16年8月
~平成16年9月
30日(8/3~9/1) 10%
平成26年8月 14日(8/1~8/14) 10%



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