木津川の上流域においては、山付区間も多く河川も横断形に連続しています。このような地形より、多種多様な動植物がみうけられます。貴重種とよばれるものも多数みられ、木津川は良好な環境に恵まれた河川といえます。
流域は90%以上が山地で占められ、河川付近が開けているのは、柘植川、服部川及び木津川の合流する上野盆地付近と、名張川と宇陀川、青蓮寺川の合流する名張市付近です。昭和22年以降、木津川、名張川ともに砂州の固定や植生の発達が見られており、木津川や服部川では横断面の複雑化、澪筋の移動などが見られています。
河川形態は、木津川、服部川、柘植川中間渓流型から中流型であり、名張川、宇陀川は渓流型の山間渓流です。
一方、下流の淀川合流地点までは比較的緩やかで自然河岸が多く、瀬・淵が明確な中流型であり、木津川上流の河川勾配は1/460~1/860 ですが、岩倉峡付近は1/170~1/240 と急流になっています。
市街地は1/400 程度で、上流は1/150 となっており、さらに、流域には高山ダムや室生ダムなどによるダム湖が止水的な環境も有しています。