水管理・国土保全

  

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天神川の自然環境

自然環境の概要

 天神川流域は比較的良好な自然環境が保たれている地域であり、天神川周辺においても貴重な野生生物の生息が数多く確認されています。

 特に河口部の汽水域はコアジサシやコハクチョウなど多種多様の鳥類が飛来する貴重な地域となっています。

 天神川水系の河川水辺の国勢調査(平成19年度~平成27年度)によると、植物は128科764種、鳥類は16目36科128種、魚介類は8目15科40種、底生生物は26目103科290種、両生類は2目4科9種、爬虫類は2目3科7種、哺乳類は6目10科14種、陸上昆虫類は19目240科1,643種が現地調査により確認されています。




植生・鳥類

 天神川水系の植物相は、湿生から乾生の草本植物が主体であり、ツルヨシ、オギ、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、セイタカアワダチソウ、クズ、カナムグラが代表種です。

 また河口ではコウボウムギ、コウボウシバ、オカヒジキ、ハマゴウ、ハマニガナ、ハマエンドウ等の砂丘植物が生育しています。

 天神川における鳥類の集団分布地として、河口部にコアジサシのコロニーが確認されています。下流域にカモ・カモメの集団越冬地とコハクチョウの集団ねぐら、ハマシギの集団越冬地、中流域にサギのコロニーが確認されています。また、天神川の下流から中流域でイワツバメの集団営巣地も確認されています。

 鳥類の生息数が最も多いのが河口部の汽水域であり、コアジサシに代表される夏鳥や、シギ・チドリ類に代表される旅鳥、カモ類、カモメ類、コハクチョウ等に代表される越冬する水鳥など、多種多様な鳥類が生息する地域となっています。


コアジサシ




魚介類
 天神川に生息している主な魚類は、カワムツ、ドンコ、タカハヤ、オイカワ、カマツカ等、エビ・カニ・貝類は、カワニナ、ミナミヌマエビ、スジエビ、等となっています。

 漁業の対象となっているのは、コイ、ギンブナ、オイカワ、ウグイ、アユ、ヤマメ、アマゴ等であり、このうちコイ、アユ、ヤマメは漁協による放流、ギンブナ、オイカワ、ウグイは自然繁殖、アマゴは以前放流されたものが自然繁殖していると考えられています。


タカハヤ




両生類、爬虫類、哺乳類・陸上昆虫類

 天神川の水域(河道、水際、湿地等)にはイモリやウシガエル、カジカガエル、マムシ等、陸域にはアマガエルやトノサマガエル、ヌマガエル、カナヘビ、シマヘビ、ヤマカガシ、ジネズミ、コウベモグラ等、草地にはハタネズミやカヤネズミ、ヌートリア等、河畔林にはイモリ、ツチガエル、シュレーゲルアオガエルやノウサギ、タヌキ等が生息しています。

 また、水系の源流部は国指定の天然記念物であるオオサンショウウオの生息地として知られています。

 天神川に生息している主な昆虫類は、河川敷にはイネ科を中心とした草本群落が発達していることを反映して、草本の植食者であるカメムシ類やバッタ類、ハムシ類、ゾウムシ類等や腐植質の地表に生息するコオロギ類やゴミムシ類、またこれらの昆虫の捕食者であるクモ類やキリギリス・コオロギ類、カマキリ類等となっています。

 また湿地や止水域にはイトトンボ類やアメンボ類、ゲンゴロウ類、ガムシ類が生息しています。


小鴨川上流に生息するカジカガエル




礫河原再生

 天神川水系では、昭和40年代までは礫河原が多く見られましたが、現在では樹木や草本の繁茂により、礫河原が減少しています。そこで、小鴨川8.2k~9.0kを対象に礫河原再生に向けた河床掘削(砂州の切り下げ)の試験施工を平成19年度~20年度に実施しました。試験施工実施後、水位や植生等のモニタリングを経年的に実施しており、掘削して河原となった区域は約2年でツルヨシやセイタカアワダチソウ等の植生に覆われましたが、平成23年9月洪水により河原の急激な拡大が確認されました.。


平成23年9月洪水前後の小鴨川7.0k~8.0kの状況(洪水後に河原が回復)





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