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肱川の歴史
独自の地形と特有の歴史をもつ肱川
肱川は、河床勾配が緩やかなどの特徴から、川の文化として「舟運」などが育てられ、「鵜飼い」として現在も残っています。一方、洪水が吐けにくいという地形状況から水害が多く、古くから水位観測が行われ、「ナゲ」や「河畔林」など特有の治水対策が残されています。
肱川は、その名が示すように中流部において「ひじ」のように大きく曲がっていることや、源流部が平坦な盆地地形をなしている一方、河口部は山に挟まれた狭窄部になっていること、流域の大部分を山地が占める割には河床勾配が緩やかであることなどが特徴としてあげられ、全国的にも珍しい形態の河川となっています。
舟運による「水のみち」
肱川特有の歴史として舟運の歴史があります。河床勾配が緩やかで水量が豊富であったため、道路や鉄道が整備される昭和初期までは、多くの筏や舟が往来し、「水のみち」といってよいほどに人々の生活を支えました。
肱川の舟運
洪水が集中しやすい地形
一方、肱川は河口部が山に挟まれた狭窄部になっていて、河床勾配が緩やかであるという特徴から、洪水が中流の盆地に集中しやすい地形になっています。この地形状況から、大雨が降るたびに川が氾濫し水害が発生していました。
このため、藩政時代から、堤防の築堤や河道内の掘削など河道整備を進めるとともに、水番を置いて肱川の水位を観測するなどが行われました。その水位観測記録は今も残っており、貴重な資料となっています。
大洲附近洪水表
藩政時代から現存するナゲ(水制)
このような大きな水害を受けた歴史をもつ肱川では、特有の治水対策として「ナゲ」と「河畔林」があります。
「ナゲ」は、洪水時の水流を川の中心部に導き、土砂を沈殿させたり、堤防の決壊をくいとめるための水制であり、現在も8箇所に現存しています。
また、この水制は川舟の停泊地としての役割も兼ね備えていました。
肱川のナゲ(渡場)
河畔林による治水対策・環境保全
「河畔林」は、エノキの大木やマダケ・ハチク・ホテイチクなどの竹林であり、洪水時に氾濫する水の勢いを減少させたり、護岸を保護したりするために人工的に植林されたものです。
この河畔林は、肱川の流れや周囲の山並みと調和し美しい景観を示しています。
これらの先人の残した治水対策は、堤防の整備が進んでいる現在でも、水衝を緩和するなど堤防や河岸を保護するとともに、河道内の動植物の生息・生育環境の多様化を保つ意味で重要な役割を果たしています。
肱川沿いの河畔林
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