水管理・国土保全

  

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緑川の自然環境

緑川流域の自然環境

"上流域には、九州中央山地国定公園、矢部周辺県立自然公園などが指定され、豊かな自然が残されており、これを反映して動植物相も豊富です。

中・下流域では、環境省の「重要湿地」として選定されている江津湖が景観の優れた場所として知られており、多様な動植物にも恵まれ、市民の憩いの場、自然学習の場としても重要な河川空間となっています。

また、有明海に注ぐ河口域は、有明海特有の汽水環境が形成されており、ムツゴロウなど干潟を特徴づける生物の生息・生育地、シギ・チドリ類等の渡来地になるなど、生態系豊かな環境となっており、緑川河口も環境省の重要湿地に選定されています。"


熊本市民の憩いの場「江津湖」


有明海に注ぐ緑川河口



緑川上流部の特徴

緑川流域は、山地の割合が72%で急流部から直ちに低平地(熊本平野)に流下し、途中多くの支川を合わせ有明海に注ぐ葉状流域河川で、年平均降雨量が約2,100mmの梅雨性の河川です。

通称“肥後みどりかわ湖”と呼ばれる多目的ダムである緑川ダムがあり、ダム湖には、ワカサギやウグイなど、多様な魚類が生息しています。ダム湖周辺には、スギ植林、カシ-シイ群落が形成され、ミサゴやブッポウソウ、ヤマセミ等の多種の鳥類が飛来しています。


“肥後みどりかわ湖”


通潤橋



緑川中流部の特徴
緑川中流部は、山地部から段丘の発達した細長い平地を緩やかに蛇行しながら流下する区間です。水域では、瀬・淵が連続しており、底生動物や付着藻類が生息・生育し、アユやオイカワ、ヤマトシマドジョウ等が生息しています。砂礫の多い瀬では、アユの産卵場にもなっています。アラカシ群落等の河畔林が分布しており、多様な生物の休息場・採餌場を提供しています。また、広大な砂礫河原も分布しています。しかし、コアジサシやイカルチドリの飛来は確認されていますが、営巣地としての利用は近年確認されていません。


川の多様性が残る中流部


玉石河原と瀬



緑川下流部(湛水区間・感潮区間)及び支川浜戸川の特徴

緑川下流部は、連続した堰による湛水区間と感潮区間に区分されます。
 下流部湛水区間では、ヤリタナゴ等のタナゴ類や、イトモロコ等魚類の生息場となっています。湛水区間の両岸には、河畔林や草地が広がり、水際に点在する河畔林はサギ類等の移動路や休息場・採餌場、草地はカヤネズミやテン等の哺乳類やヒバリ、ホオジロ等の鳥類の生息・生育・繁殖場として利用されています。
 下流部感潮区間及び支川浜戸川の干潟には、ムツゴロウやトビハゼ、ヤマトオサガニ等多様な生物が生息しています。また、アオアシシギやシロチドリ等、シギ・チドリ類が飛来し、採餌場として利用しています。広大なヨシ原には、アリアケガニやアシハラガニ等、多種のカニ類や、貝類の生息場、また、ヨシ原に依存するオオヨシキリ、オオジュリン等の鳥類が繁殖場や採餌場として利用しています。塩性植物のシオクグ等も生育しています。
 加勢川との合流点付近には、大規模なメダケ群落が形成されており、アマサギやコサギ等のサギ類の集団営巣地(コロニー)となっています。


干潟に生息するムツゴロウ


大規模なサギ類のコロニー



支川加勢川の特徴

支川加勢川の源流である江津湖は、1日に約40万トンの湧水が湧き出る全国でも有数の湿地です。上江津湖には国指定天然記念物スイゼンジノリの発生地があり、特別保護区域として保護されています。
 江津湖や加勢川では、ヒラモやコウホネなどの貴重な植物が生育している他、ヤリタナゴ等のタナゴ類が生息しています。
 近年では、ブルーギルやカダヤシ、ボタンウキクサ等の外来種が生息・生育しており、在来種への影響が懸念されています。


ヒラモ(水中写真)


コウホネ



支川御船川の特徴

支川御船川は、阿蘇外輪山を源流とし、御船町市街地を貫流して流下します。メロディ橋(4/000)付近より上流では、瀬と淵が連続しており、底生動物や付着藻類が生息・生育し、アユ、オイカワ、ウグイやヤマトシマドジョウ等も生息しています。水辺には、ツルヨシ群落等が広がっており、良好な環境を形成しています。草地には、カヤネズミやアカネズミ等の哺乳類の生息場・繁殖場、ホオジロ等の鳥類の営巣地としても利用されています。


ツルヨシが繁茂する御船川


鮎釣りを楽しむ人々




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