環境

グリーンインフラについて

○ グリーンインフラの定義とその効果
 
【グリーンインフラの定義】
『グリーンインフラとは、自然の多様な機能を活用した社会資本であり、将来にわたり持続可能で魅力
    ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング向上に貢献するもの。
    これは、人と自然の関わりから形成されるものであり、戦略的な計画、持続的な維持管理、幅広いス
    テークホルダーの参画などを通じてより大きな効果の発現が期待できる。』
  
【Definition of Green Infrastructure】
『Green Infrastructure is physical asset for society that utilizes various functions of nature,   
   and  contributes to realizing sustainable and attractive national lands, cities and communities
   as well as improving well-being into the future. Green  Infrastructure is developed in the     
   relationship between people and nature, and its larger effects can be expected from
   strategic planning, sustainable maintenance and wide range of stakeholder involvement.』
 
  • グリーンインフラは『自然の多様な機能を活用した社会資本であり、将来にわたり持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング向上に貢献するもの。 これは、人と自然の関わりから形成されるものであり、戦略的な計画、持続的な維持管理、幅広いステークホルダーの参画などを通じてより大きな効果の発現が期待できる。』と定義されています。
  • また、グリーンインフラは、山地から海に至るまで、都市・地域形態に応じて、様々な場・空間に存在しています。
  • グリーンインフラの具体例としては以下の図のようなものが挙げられます。
     
             図 グリーンインフラの例 
 
  • ​​詳しくはこちらより「グリーンインフラ推進戦略2030」をご確認ください。
  • また、グリーンインフラの事例についてはこちらからご確認ください。
 
○ グリーンインフラの効果と特徴
 
  • グリーンインフラは、自然の多様な機能をインフラとして活用することで発揮される環境的効果(人間を取り巻く生活環境を支える効果を指し、社会的効果・経済的効果の基盤となるもの)、社会的効果(人間が安心安全かつ健康的に社会活動を行うための効果)、経済的効果(人間の経済活動に資する効果)の3つの効果を有しており、また、その効果の相乗効果によって、ウェルビーイングの向上も期待されます。この機能と効果の関係は1対1の関係ではなく、1つの機能が複数の効果をもたらす場合もあれば複数の機能の相乗により1つの効果をもたらす場合もあります。
これらの効果の具体例は下記の図をご参照ください。なお、それぞれの効果は相互に関連しており、厳密に分けられるものではない点にはご留意ください。
 
 

 
  • 上記の定義・効果を踏まえたグリーンインフラの主な特徴としては、以下の4点が挙げられます。

1.複数の社会課題への対応
   自然が多様な機能を有することから、グリーンインフラは複数の社会課題への対応策となり得ます。例えば、一つの生態系が温室効果 ガス吸収機能や雨水貯留浸透機能など複数の機能を有することや一つの樹木であっても緑陰形成機能や景観形成機能などの多機能性を有しています。このため、自然の多様な機能をグリーンインフラに活用することで気候変動緩和と浸水被害減少、暑熱対策など、多様な効果を同時に発現することができます。
 
2.地域性
   我が国においては、自然の特徴を活かしつつ自然と調和した営みが古来から行われてきており、地域特有の歴史、生活、文化等を形成しているため、グリーンインフラもその地域性を反映した特性を持っています。
   また、地域にある自然を自然資本と捉え、継続的な維持管理や利活用によって地域活性化等につなげようとする取組が重要となります。加えて、都市部の住民が自然を希求した場合に地方部の自然を活用する取組や人口減少が加速化する地方部に都市部から人を呼び込むなど地域間のつながりを持つという観点も有効となります。
 
3.エコロジカルネットワーク
   緑地や河川等の自然がネットワーク化されることで健全な物質循環や動植物の移動等が促されることにより、自然の多様な機能が十分に発揮され、地域全体における広域的な相乗効果を高めることができます。
   また、水や緑が物理的に連続し、人間の活動空間の充実も図られる等、快適な生活環境の創出や地域活性化等の効果が期待できます。
 
4.成長力・回復力
   植物の生育など、自然は時間とともに成長するものであるため、地域のレジリエンスを高める選択肢となります。
 
 
○ グリーンインフラが必要とされる背景と対応が期待される社会課題
 
  • 地球の持続可能性を確保することは、人類の生存にとって最優先の課題となっています。誰一人取り残すことなく、地球規模課題に統合的に取り組むための世界的な目標である持続可能な開発目標(SDGs)、そして 2050 年生物多様性ビジョン「自然と共生する世界」の達成には、安定した社会資本とそれに支えられた人的資本の確保が欠かせないが、それらは全て自然資本を土台として成立しています。
  • 一方で、上記の通り人間の安全保障の根幹ともいえる自然資本の安定性を生物多様性の損失、気候危機、人口減少など様々な社会課題が揺るがしており、気候変動や生物多様性の損失などの環境関連リスクに対応するため、グリーン・トランスフォーメーション(GX)等の環境を軸とした新たな経済・社会システムへの変革が急務となっています。
  • また、我が国においては、レジリエントで安全・安心な社会の構築等の問題、少子高齢化問題、都市の過密と地方の過疎の問題、食料等の資源問題といった多岐にわたる社会課題を抱えており、グリーンインフラの実装によって、これらの社会課題に対応し、将来にわたり持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進めることが期待されます。   

      

                       【図】グリーンインフラの実装による対応が期待される社会課題
 
  • 上記の図で示したグリーンインフラをとりまく7つの社会課題について、グリーンインフラ実装によって、それぞれの下記のような形で課題解決が図られることが期待されます。

1.持続的で快適な都市・生活空間の形成資するグリーンインフラ
   グリーンインフラの実装によって、大気や水質の改善、騒音の低減等を通じて、都市生活における環境に起因する健康リスクの軽減や、緑豊かで開放的な環境の下で、散策・遊び・休息・スポーツなど健康的な生活に欠かせない活動を楽しめる貴重なオープンスペースを提供することで身体的な健康の増進を図ることができるほか、ストレスの緩和やリラックス効果、住民の相互交流の促進、コミュニティの形成等による精神的な健康の増進を図ることができるとともに、魅力的な景観の形成等を通じた良好な居住環境の形成されることが期待されます。
 加えて、水循環に関する取組の際にグリーンインフラの活用を推進することで、水源涵養機能や雨水の貯留浸透機能の維持及び向上、地下水の適切な利用等を通じて、健全な水循環の維持又は回復を図るとともに、人との関わりから形成される自然と人々の営みを一体的に守り、地域固有の歴史・文化や自然共生社会の形成に向けた生活の知恵等を後世に継承することも期待されます。

2.防災・減災に資するグリーンインフラ
   グリーンインフラの実装により、地域住民の緊急避難の場や最終避難地、防災拠点等を確保し、建物の倒壊や市街地火災から人命の保護を図ることが期待されます。また、水害については、流域治水におけるグリーンインフラの活用を推進することで、生態系の機能の保全又は再生や雨水の貯留・浸透により下水道や河川への流出の低減等を図り、高潮・津波等については、砂浜の保全・回復により波を減衰させ背後地の人命や財産を高潮や津波等の災害から守るとともに、土砂災害については、一連の樹林帯を整備することで土砂災害に対する安全性を高め、地域の安全・安心を確保することが期待されます。
 
3.暑熱対策に資するグリーンインフラ
   グリーンインフラの実装によって、蒸発散作用の促進及び地表面の高温化の防止、風の通り道の形成等によるヒートアイランド対策や地表面や壁面等の高温化抑制・緑陰形成等による局所的に人が感じる暑さを和らげる対策となることが期待されます。
 
4.生物多様性の確保に資するグリーンインフラ
   国土を構成する地域区分ごとに、それぞれの特性を踏まえ、劣化した生態系植の回復や自然の質を向上させ、生態系ネットワークの構築・維持が図られることが期待されます。

5.経済の活性化に資するグリーンインフラ
   グリーンインフラの実装によって、グローバルに業務を展開する企業の拠点にふさわしい都市環境の整備を進めることで世界的に見た我が国の価値向上を図るとともに、地域では魅力あるパブリックスペースを創出し地域のにぎわいを創出するほか、グリーンインフラの観光資源化されることが期待される。加えて、グリーンインフラの実装による低未利用土地等の有効利用・適正な管理やグリーンインフラを活用した魅力ある地域づくりにより、移住・定住・二地域居住等を促進することで地域経済の活性化が図られることが期待される。

6.温室効果ガスに資するグリーンインフラ
   グリーンインフラの実装によって、CO₂吸収量の増加と車中心から人中心の空間への転換によるCO₂排出量の削減が期待されます。

7.循環型社会の形成に資するグリーンインフラ
   グリーンインフラに関する取組として、持続可能な形で資源を効率的・循環的に有効利用する取組が行われることが期待されます。
 
 
○ グリーンインフラの更なる実装に向けた分野横断的な環境整備
 
  • 令和2年3月に、「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」を設立し、企画・広報部会、技術部会、金融部会の3部会を中心に、多様な主体の積極的な参画及び官民連携により、自然の多様な機能を活用した社会資本であるグリーンインフラに関する取組を推進し、グリーンインフラに関する普及啓発・理解醸成を促進することで、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりにつなげることを目的に活動しています。
    本プラットフォームではグリーンインフラに関する情報発信やオンラインセミナー・事例視察等のイベント、マッチング等の支援を実施しています。ぜひ下記リンクより会員登録(無料)していただき、成長産業として今後一層の普及が見込まれるグリーンインフラの最新情報を入手し、ビジネスチャンスの創出や地域づくりに活用してください!  
  
 
○ グリーンインフラに関連するこれまでの歩み
 
  • 「グリーンインフラ」という言葉が「第二次国土形成計画」に政府の文書で初めて位置づけられて以来、様々な政府の計画でグリーンインフラがづけられており、グリーンインフラ官民連携プラットフォームを通じた官民における取組の進展等によって、グリーンインフラの実装、整位置備や取組に関わるステークホルダーの拡大等が図られてきました。
  • また、国土交通省においては、有識者からなる「グリーンインフラ懇談会」の議論を踏まえ、2019年にグリーンインフラ推進戦略を策定・公表し、グリーインフラの定義や特徴・意義を整理するとともに、多様な主体が連携して取り組む必要性や国土交通省が実施すべき施策の方向性を示しました。
  • その後、「第三次国土形成計画」の中で、「グリーン国土の創造」が重点テーマとして掲げられ、同年9月には、本格的な実装フェーズへの移行を打ち出すとともに、取組に当たっての視点や国土交通省の取組を総合的・体系的に整理した「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定・公表し、当該戦略によって、多様な主体の連携によるグリーンインフラの実装が進展し、グリーンインフラ官民連携プラットフォームの会員数も2,000者を超えるなど、我が国におけるグリーンインフラの概念が一定程度定着してきており、実装だけではなく、より効果的な導入手法の研究なども進展しつつあります。
                                                     


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