日本の高度な技術の普及
アジア高速鉄道技術調査事業
(背景と目的)
中国鉄道部は現在、2020年までに、営業最高速度300km/h、総延長12,000kmの高速鉄道網を全国に建設する計画を進めており、中国大陸の南北方向に4路線、東西方向に4路線の合計8路線を建設するものです。この高速鉄道に対し、中国鉄道部は、上記の旅客専用線に採用するシステムの方式について検討中で、日本の新幹線技術の導入に向け、官民挙げた取り組みが行われています。
(事業概要)
本事業は、国土交通省と中国鉄道部との協議により実施されているもので、中国鉄道部の幹部候補生となる技術者を日本に招へいし、我が国の鉄道システム(特に新幹線を中心とした高速鉄道)を全般的に理解する研修を実施しています。(半年間の日程)
【研修内容】
・日本の鉄道概要 ・日本の鉄道行政 ・新幹線鉄道の概要・技術
・新幹線鉄道の技術開発 ・日本の鉄道事業者 ・新幹線建設現場視察
・鉄道事業者の現場視察 ・車両・信号等の専門技術
本事業は、日本の高速鉄道の技術協力の一環として、これらの研修を通じて、中国鉄道部関係者に日本の新幹線システム技術の優れた特性と、それを支えるシステム全体の構成について深く理解してもらい、目に見える協力によって日中間の友好関係を促進させることを目的としています。
研修風景
港湾施設の維持・管理のための支援
(背景と目的)
ASEAN地域では、近年の経済成長に伴い、港湾における取扱コンテナ個数が急激に増加しています。しかし、港湾施設の維持管理技術が不足していることから、既存の港湾施設は老朽化が進展し、荷物の積み卸しを行う効率が低下するなどの問題を引き起こしています。
この支援事業は、ASEAN地域の港湾が維持管理において抱えている課題を抽出し、解決方策を取り纏めることにより、ASEAN諸国への我が国が有する維持管理技術の導入を図ることを目的としています。
(事業概要)
・港湾施設の整備状況(老朽化状況)等の現地調査等
・港湾の維持管理について技術的な課題の抽出
・委員会を開催し、課題解決方策の検討
・委員会で緊急性が高いと判断された課題については、課題毎に検討会を立ち上げ、今後関心を有するASEAN諸国との共同研究を行う予定
・平成18年度末には、ワークショップ「日ASEAN港湾技術連携ワークショップ(仮)」を開催し、本事業による共同研究の成果について報告予定
平成16年度
○ インドネシア、ベトナム、マレーシアにおいて現地調査を実施
○ 国内委員会「日ASEAN港湾技術連携調査委員会(仮)」を開催、現地調査等の成果を元に、緊急的に対応が必要とされる分野について課題解決方策を検討
|
|
ひび割れが生じた岸壁(フィリピン) |
腐食が進んだ桟橋の橋梁(ベトナム) |
開発途上国に自動車基準や自動車検査制度等を確立するための支援
(背景と目的)
近年アジア諸国においては、経済の発展に伴い自動車交通量が急増する一方、自動車が安全・環境基準を満たした状態で流通・使用されることを確保するための整備が遅れていることから、交通事故や公害等の問題が深刻化しています。
この支援事業は、自動車に関する基準の策定等を担当する各国の行政官を日本国に招聘し、研修を実施することにより、国際的に調和した高度な自動車の安全・環境基準の導入により、自動車の安全・環境性能の向上を図り、また、その基準適合性を各国相互に承認することのできる体制を確立するため、各国における人材の要請を行い、安全・環境のための施策を促進することを目的としています。
(事業概要)
アジア諸国の中でも経済が目覚しく発展している自動車生産国を対象に、自動車に関する基準の策定、認証業務、検査等を担当する各国の行政官を我が国に招聘し、「自動車基準・認証制度」に係る研修を実施して、自動車基準・認証制度の基盤整備について人材育成を実施しています。
これまでの研修内容は以下のとおり
〔対象国〕中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
〔研修内容〕自動車基準・認証及び相互承認の意義並びにECE規則の詳細に関する講義
|