会議記録


8.挨拶

【技監】
 平成11年の3月から、大変長い間、お付き合いをいただきましてありがとうございます。このリアルの懇談会はとりあえずこの形で閉じさせていただくということですが、もう少しサイバーネットのほうでお付き合いいただきたいと思います。この懇談会ではその都度キーワードの発見がございましたし、また『居心地のよい国ニッポン』というのも、こういう類の本にしては大変な数を出させていただきました。
 本日のお話にもありましたように、国土交通省でも、日本を再発見して頂く努力を続けたいというように考えております。いずれにいたしましても、これからのインフラは、そのインフラの中をのぞいているだけでは将来像が描けなくなっておりまして、住宅にしても、河川にしても、道路にしても、それぞれ将来の暮らしを見据える中からどういう変革をしていくのかということが問われている時代でございます。懇談会で賜りました多くの意見を、さらに国土交通省の政策全体に反映できるように努力してまいりたいと思います。ほんとうに長い間、長時間おつき合いいただきまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。

 


技監

【嶌委員】
 一言だけ言いますと、僕もこの本が重版されるなんて夢にも思っていませんでした。結構いろんなところから注文があったということは、この懇談会をやった意味があったのかなと思います。私事にわたりますけれども、ここに書いたようなことを、7月ぐらいに小泉メールマガジンに書きましたが、これに対しても結構反響がありました。僕は、だからここで話した議論というのは、決して夢物語じゃなくて、一般の人たちが非常に切実に望んでいる社会像であり、ライフスタイルだということを強く感じました。そういうことをぜひ行政のほうもお考えになって、実現する方向をやっていただかないと、何となく我々もやった意味がないので、そこはぜひお願いしたいなというふうに思います。
 もう1点だけ言うと、僕はワールドカップというのは、日本が世界にいろんな物事を発信するのに良いチャンスだなと思い、いろんなアイデアを書いて官邸のほうに出しました。そうしたら国土交通省のワールドカップの担当者だとか、文部科学省の人たちだとか、いろんな方々が見えました。そのやり方を見ていると、結局、縦割り行政なんですね。国土交通省の部分はこういうふうにしますよと、文部科学省の部分はこういうふうにしますよと。僕はそういうことではなく、もっと大きいワールドカップ全体の戦略として、こういうことを日本として発信すべきだということで言ったのですが、それは実現しませんでした。今後のここで出てくる議論も多分そこのところを乗り越えないと、小さな話になってしまうのではないかというのが実感です。


 

嶌委員