田村崎
みちのく潮風トレイルの田村崎の部分は、白浜漁港と深久保漁港に挟まれた岬に沿って延びています。両港の近くに置かれた海を向いて立つ石像は、航海中の漁船を守ると信じられている海の守護神「船霊」です。船霊を表す品々や供物は、古くから船の帆柱に封入されていました。
深久保漁港までのボードウォークは、明治時代(1868-1912)中、建設用に切り出した石材を運ぶのに使われた線路の枕木の上につくられています。岬沿いの景観は、起伏に富んだ枕状溶岩と海岸の強風や潮の満ち引きによって風化・浸食した火山岩の岩塊が特徴的です。岩の多くは草やクロマツ(Pinus thunbergii)に覆われています。この風景の一部は近代の浮世絵師 川瀬巴水(1883-1957)の作品にも描かれました。