Title Making Agehama-Style Salt

  • Ishikawa
Topic(s):
Historic Sites/Castle Ruins Cuisine/Food Culture
Medium/Media of Use:
Other (Audio Guide, etc.)
Text Length:
501-750
FY Prepared:
2022
Associated Tourism Board:
ippanshadanhojin notohanto koikikankokyokai

揚げ浜式の塩作り


(Audio script: Japanese text for reference only)

 揚げ浜塩田の1日は、海の水を汲み上げることから始まります。

「すず塩田村」の塩田の1日は、早くから始まります。近くの沿岸から、木の桶で海水を集める必要があるからです。


砂を踏み締め何度も何度も海の水を運びます。

働き手たちは、海水を入れた桶を、砂で覆われた塩田の「引桶」(しこけ) と呼ばれる大きな桶に運びます。


そして、引桶(しこけ)と呼ばれる桶に海水を貯めていくのです。

それぞれの桶には、約36リットルの水が入ります。「引桶」には800リットルの水を入れることができるので、「引桶」を満たすには、10回以上海水を汲んでくる必要があります。


集めた海水を砂の上に撒きます。

働き手たちは、「引桶」から、より小さな「打桶」(おちょけ) で水を汲みます。「打桶」は円錐形で、砂の上に水を均等に撒きやすくなっています。


太陽の熱で水分が蒸発し、砂の上には塩分が残ります。

水をすべて撒き終わった後、砂を熊手のようなものでならし、蒸発によって塩の結晶ができるまで放置します。砂をならすことでその表面積を増やし、自然に蒸発する過程を速めます。「揚げ浜」での塩作りには、太陽が欠かせません。


その塩分をたっぷりと含んだ砂を一箇所に集めます。

水分が完全に蒸発し、塩の結晶ができるまでには、約8時間かかります。その後、塩を含んだ砂を、塩田の中央に集めて積み上げます。


集めた砂は、沼井(ぬい)と呼ばれる容器に入れ、再び海水を汲みに海へ向かいます。


それから、塩と砂が混ざったものを、「沼井」(ぬい) と呼ばれる木の箱にすくい入れて濾過します。この工程にはさらに海水が必要なため、働き手たちは海に戻ります。


沼井(ぬい)の砂に海水を注ぎ塩を溶かします。

働き手たちは、新しく集めた海水を、箱の中の塩を含んだ砂の上に注ぎ、塩を溶かします。溶けた塩は砂の間からしみ出し、箱の底にあるため池に濃い塩水が集まります。


こうして海水よりも何倍も濃い塩水、かん水ができるのです。

この濃い塩水を集めた後、砂を塩田に戻します。


そしてかん水を火にかけ、何時間もかけて煮詰めます。

働き手たちは、この塩水を鋳鉄製の大きな釜に移します。釜の容量は約600リットルです。それから、この塩水を、塩分濃度24パーセント近くに達するまで約6時間煮詰めます。 


夕暮れ、塩田では明日に向けて塩作りの準備が始まります。

日没時、働き手たちは塩田を手入れし、翌日の仕事に備えて砂をならします。


かん水は何度か濾過して不純物を取り除き、また火にかけます。

夜間は、沸かしている塩水を注意深く見守り、不純物を取り除くために何度か濾過します。


こうした作業が夜を徹して続けられます。

「釜屋」という茅葺の小屋の中で塩水を沸かす作業は、暑く、煙も出る工程であり、一晩中常に見ている必要があります。


夜明け、ようやく塩が出来上がりました。

この塩水を冷まして濾過します。その後、塩分濃度をさらに高めるために、2回目かつ最後の塩水の沸騰を行います。この塩水の表面中に塩の結晶が花開きます。それをすくい出し、残った水分をすべて切ります。乾燥させた塩の結晶を、販売するために仕分けて包装します。


揚げ浜式塩田による塩作りは奈良時代から1,200年以上の歴史を経て、今も変わりなくこの珠洲市に残されているのです。

日本では、1,200年以上にわたって、この方法で塩が作られてきました。珠洲市では、揚げ浜式の塩作りの古くからの技法が、ほぼ変わらずに今も続いています。

揚濱製鹽法


珠洲鹽田村的一天早早就開始了,因為鹽工們必須用木桶去附近的海岸打海水。


鹽工將盛滿海水的木桶運到沙田,把海水倒入巨大的「引桶」中。


鹽工先把海水裝入兩個「換桶」內,再把桶掛在一根桐木的圓棍兩頭,然後搬運到沙田倒入引桶。一個「換桶」大約可盛36公升海水,而引桶的容量是800公升,鹽工需要往返10多趟才能灌滿引桶。


鹽工用容量較小的「打桶」從「引桶」舀水,將海水灑到沙田上。「打桶」是圓錐形的,有助於潑灑均勻。


灑完水,再用耙子平整沙田,然後等待鹽晶蒸發而出。耙地可以擴大沙田的日照面積,加快自然蒸發速度。揚濱製鹽法極度依賴太陽。


海水完全蒸發形成鹽晶大約需要8小時。鹽晶出現後,將含鹽粒的沙子掃成一堆,置於鹽場中央。


將鹽和沙的混合物鏟進一個叫「沼井」的木箱,準備過濾。這道工序需要更多海水,鹽工又一次返回到海邊。


鹽工將新打來的海水倒入「沼井」中的含鹽沙中,化開鹽晶。溶化的鹽從沙中濾出,高濃度的鹽水就蓄在木箱底部。


收集完濃鹽水之後,濾過鹽水的沙子又被運回鹽場。


鹽工將濃鹽水倒入一口容量約為600公升的大鐵鍋中,然後連續煮6小時左右,直到水中含鹽量達到24%。


日落時,鹽工開始養護鹽場,平整沙地,為明天的工作做準備。


入夜,還在沸騰中的濃鹽水需要細心照看,同時還要過濾幾次以清除雜質。


煮鹽水的茅草頂小屋稱為「釜屋」,裡面煙霧彌漫,悶熱難當,需要有人通宵照看。


煮好的濃鹽水經冷卻後過濾,然後再煮再過濾,重複兩次以提高含鹽量。待濃鹽水表面結成鹽花後,舀出並濾乾水分,最後把乾燥鹽晶包裝好以供出售。


日本的揚濱製鹽法已有1200多年歷史。這種古老的製鹽工藝在珠洲市延續至今,工序步驟基本未變。

扬滨制盐法


珠洲盐田村的一天早早就开始了,因为盐工们必须用木桶去附近的海岸打海水。


盐工将盛满海水的木桶运到沙田后,把海水倒入巨大的“引桶”中。


盐工先将海水装入两个“换桶”内,再把桶挂在一根桐木的圆棍两头,搬运到沙田倒入引桶。一只换桶大约可盛36升海水,而引桶的容量是800升,盐工需要往返10多趟才能灌满引桶。


盐工用容量较小的“打桶”从“引桶”舀水,将海水洒到沙田上。“打桶”是圆锥形的,有助于泼洒均匀。


洒完水,再用耙子平整沙田,然后等待盐晶蒸发而出。耙地可以扩大沙田的日照面积,加快自然蒸发速度。扬滨制盐法极度依赖太阳。


海水完全蒸发形成盐晶大约需要8小时。盐晶出现后,将含盐粒的沙子扫成一堆,置于盐场中央。


将盐和沙的混合物铲进一个叫“沼井”的木箱,准备过滤。这道工序需要更多海水,盐工又一次返回到海边。


盐工将新打来的海水倒入沼井中的含盐沙中,化开盐晶。溶化的盐从沙中滤出,高浓度的盐水就蓄在木箱底部。


收集完浓盐水之后,滤过盐水的沙子又被运回盐场。


盐工将浓盐水倒入一口容量约为600升的大铁锅中,然后连续煮6小时左右,直到水中含盐量达到24%。


日落时,盐工开始养护盐场,平整沙地,为明天的工作做准备。


入夜,还在沸腾中的浓盐水需要细心照看,同时还要过滤几次以清除杂质。


煮盐水的茅草顶小屋称为“釜屋”,里面烟雾弥漫、闷热难当,需要有人通宵照看。


煮好的浓盐水经冷却后过滤,然后再煮再过滤,重复两次以提高含盐量。待浓盐水表面结成盐花后,舀出并滤干水分,最后把干燥盐晶包装好以供出售。


日本的扬滨制盐法已有1200多年历史。这种古老的制盐工艺在珠洲市延续至今,工序步骤基本未变。

Making Agehama-Style Salt


 (Audio script: Japanese text for reference only)


揚げ浜塩田の1日は、海の水を汲み上げることから始まります。

Days begin early on the salt fields of Suzu Enden Mura, as seawater must be collected in wooden buckets from nearby coastal waters.


砂を踏み締め何度も何度も海の水を運びます。

Workers carry the buckets of seawater to a sand-covered field to a large tub called a shikoke.


そして、引桶(しこけ)と呼ばれる桶に海水を貯めていくのです。

Each bucket holds around 36 liters of water. It takes 10 trips or more to fill the shikoke, which can hold 800 liters of water.


集めた海水を砂の上に撒きます。

Workers scoop up water from the shikoke with smaller ochoke buckets. The bucket has a conical shape that makes it easier to disperse the water evenly across the sand.


太陽の熱で水分が蒸発し、砂の上には塩分が残ります。

After all the water has been dispersed, the sand is raked and left until salt crystals form through evaporation. Raking the sand increases its surface area which speeds up the natural evaporation process. The sun is essential in agehama salt production.


その塩分をたっぷりと含んだ砂を一箇所に集めます。

It takes around eight hours for the water to completely evaporate and the salt crystals to form. After this, the salt-laden sand is swept into a pile in the center of the salt field.


集めた砂は、沼井(ぬい)と呼ばれる容器に入れ、再び海水を汲みに海へ向かいます。


The salt-sand mix is then scooped into a wooden box called a nui to be filtered. This process requires more seawater, so the workers head back to the sea.


沼井(ぬい)の砂に海水を注ぎ塩を溶かします。

The workers pour the freshly collected seawater over the salt-laden sand in the box to dissolve the salt. The dissolved salt filters through the sand and collects as a concentrated brine in a reservoir at the bottom of the box.


こうして海水よりも何倍も濃い塩水、かん水ができるのです。

After the concentrated brine is collected, the sand is returned to the salt field.


そしてかん水を火にかけ、何時間もかけて煮詰めます。

Workers transfer the brine to a large cast iron kama pot with a capacity of around 600 liters. The brine is then boiled down for about 6 hours until it reaches close to 24 percent salinity. 


夕暮れ、塩田では明日に向けて塩作りの準備が始まります。

As the sun sets, the workers tend to the salt field and rake the sand to ready it for the next day’s work.


かん水は何度か濾過して不純物を取り除き、また火にかけます。

During the night, the boiling brine is carefully monitored and filtered several times to remove impurities.


こうした作業が夜を徹して続けられます。

Boiling the brine inside a kamaya thatched hut is a hot, smoky process that needs constant watching overnight.


夜明け、ようやく塩が出来上がりました。

The brine is left to cool and is filtered, before being boiled for a second and final time to further increase the salinity. Salt crystals bloom across the surface of the brine and are scooped off and drained of any remaining liquid. The resulting dry salt crystals are sorted and packed for sale.


揚げ浜式塩田による塩作りは奈良時代から1,200年以上の歴史を経て、今も変わりなくこの珠洲市に残されているのです。

Salt has been produced in Japan in this way for over 1,200 years. In Suzu City, the ancient techniques of agehama-style salt production continue, largely unchanged.

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