第三次・担い手3法は以下の2つの改正法で構成されています。
○ 【議員立法】品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)等※の改正法
○ 【政府提出】建設業法・入契法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)の改正法
※品確法、入契法、測量法を一括改正
担い手確保
<品確法等>
○休日の確保の促進
・国が実態を把握・公表し、施策を策定・実施
・自治体内の関係部局が連携した平準化の促進
○処遇改善の推進
・労務費・賃金の支払実態を国が把握・公表し、施策を策定・実施
・能力に応じた適切な処遇の確保
・適切な価格転嫁対策※による労務費へのしわ寄せ防止
※スライド条項の設定、運用基準の策定、適切な代金変更
○担い手確保のための環境整備
・担い手の中長期的な育成・確保に必要な措置※の実施
※訓練法人支援、学校と業界の連携、外国人など多様な人材確保
・品質確保や担い手の活動につき国民の関心を深める広報活動
・担い手確保に留意した調査等に係る資格等の評価・運用の検討
○測量業の担い手確保【測量法】
・測量士等の確保(養成施設や資格に係る要件の柔軟化、資格の在り方の検討規定)
・測量業の登録に係る暴力団排除規定 等
<建設業法・入契法>
○労働者の処遇改善
・労働者の処遇確保を建設業者に努力義務化
国は、取組状況を調査・公表、中央建設業審議会へ報告
・標準的な労務費の勧告
中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告
・適正な労務費等の確保と行き渡り
■ 著しく低い労務費等による見積りや見積り依頼を禁止
■ 国土交通大臣等は、違反発注者に勧告・公表(違反建設業者には指導・監督)
・原価割れ契約の禁止を受注者にも導入
○資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
・契約前のルール
■ 資材が高騰した際の請負代金等の「変更方法」を契約書記載事項として明確化
■ 資材高騰など請負額に影響を及ぼす事象(リスク)の情報について、契約前に、受注者から注文者に通知するよう義務化
・契約後のルール
資材高騰が顕在化した場合に、受注者が「変更方法」に従って契約変更協議を申し出たときは、注文者は、誠実に協議に応じる努力義務※
※公共工事発注者は、誠実に協議に応ずる義務
○働き方改革
・長時間労働の抑制
工期ダンピング対策を強化(著しく短い工期による契約締結を受注者にも禁止)
生産性向上
<品確法等>
○新技術の活用・脱炭素化の促進
・調査等や発注から維持管理までのICT活用(データの活用、データ引継等)
・脱炭素化の促進
・新技術活用の適切な評価、予定価格への反映
○技術開発の促進
技術開発の継続的な推進、民間事業者間の連携促進
<建設業法・入契法>
○ICTを活用した生産性の向上
・現場技術者に係る専任義務を合理化(例. 遠隔通信技術の活用)
・国が現場管理の「指針」を作成(例. 元下間で工事図面等のデータを共有)
特定建設業者※や公共工事発注者に効率的な現場管理を努力義務化
※多くの下請業者を使う建設業者
・公共工事発注者への施工体制台帳の提出義務を合理化(ICTの活用で施工体制を確認できれば提出を省略可)
地域における対応力強化
<品確法等>
○地域建設業等の維持に向けた環境整備
・適切な入札要件等による発注
地域の実情を踏まえた適切な条件・発注規模等による発注等
・災害対応力の強化
■ 災害対応経験者による被害把握
■ 技術力ある業者と地域の業者が連携した迅速復旧、技術移転等
■ 災害工事での労災保険契約の締結促進、予定価格への反映
○公共工事等の発注体制の強化
・発注者への支援充実
■ 発注職員の育成支援、発注事務の実態把握・助言
■ 維持管理を広域的に行うための連携体制構築
・入札契約の適正化に係る実効確保【入契法】
■ 国が定める入札契約適正化指針の記載事項に「発注体制の整備」を追加
■ 指針に即した措置の実施を発注者に助言・勧告
<品確法等>
公布日(2024年6月19日)に施行。
ただし、測量法の改正規定(資格の在り方の検討規定を除く。)に関しては、2025年4月1日に施行。
<建設業法・入契法>
公布日(2024年6月14日)から1年6ヶ月を超えない範囲内で、政令で定める日から施行。
ただし、建設業従事者の処遇確保等に関する取組状況を国が調査・公表する権限と、中央建設業審議会が「労務費の基準」を勧告する権限の創設に関しては、3ヶ月以内に施行。
また、資材高騰に伴う労務費のしわ寄せ防止及び現場技術者の配置の合理化等のICTを活用した生産性の向上に関する規定に関しては、6ヶ月以内に施行。