国際

イラン (Iran (Islamic Republic of))

Asian Highway アジアハイウェイ

アジアハイウェイ路線とその現状

イランにおけるアジアハイウェイ路線に関しては、1993年のネットワーク見直しで、路線が大幅に削減された。しかし、2002年5月にESCAPで開催されたネットワーク見直しのための専門家会合に際し、イラン側代表から、アフガニスタン内戦の終結、周辺地域における港湾アクセスの要望、新規幹線道路の工事完成等の理由により、多くの新規路線追加の要望が出された。このイラン側の要望をESCAP事務局で検討した結果、東部地域においてAH1経由地の見直し、新規港湾への結節、ならびに新たな南北軸2路線の追加が提案され、専門家会合で了承された。この結果、イランにおけるアジアハイウェイの延長は約3,000km増加した。イランにおけるアジアハイウェイ路線の概要を下表に示す。

表-1 イランのアジアハイウェイ路線

路線番号

起 終 点

延長 (km)

選定基準

AH1

ドガラン(アフガニスタン国境)→マシャード→サブセバール→ダムガン→セムナン→テヘラン→ザンジャン→タブリッツ→イベオクル→バザルガン (トルコ国境)

2,103

*首都間連絡  
*工業中心地/農業集積地連絡
*コンテナターミナル連絡

AH2

ミルジャヴェ (パキスタン国境)→ザヘダン→ケルマン→アナール→ヤズド→クォム→テヘラン→サヴェ→ ハマダン→コスラヴィ (イラク国境)

2,310

*首都間連絡
*工業中心地/農業集積地連絡
*コンテナターミナル連絡

AH8

 

アスタラ(アゼルバイジャン国境)→ラシュット→カズビン

357

*首都間連絡  
*工業中心地/農業集積地連絡 *主要港湾連絡  
*コンテナターミナル連絡

サヴェ→アラック→コマラバッド→アーバス→バンダルエマム

850

*工業中心地/農業集積地連絡  
*主要港湾連絡  
*コンテナターミナル連絡

AH70

 

 

インチェボロン(トルクメニスタン国境)→ゴルガン→サリ→セムナン

420

*工業中心地/農業集積地連絡  
*主要港湾連絡

ダムガン→ヤズド

455

*コンテナターミナル連絡  

アナール→シルジャン→バンダルアバス

515

AH71

ミラック→ザボル→ダシュタック

162

*工業中心地/農業集積地連絡

AH75

サラフス(トルクメニスタン国境)→マシャード→ゴナバッド→ビルジャンド→ダシュタック→ザヘダン→イランシャフール→チャバハール

1,751

*工業中心地/農業集積地連絡  
*主要港湾連絡  
*コンテナターミナル連絡

AH78

バジュギラム(トルクメニスタン国境)→クチャン→サブゼバール→デイホック→ケルマン

1,033

*工業中心地/農業集積地連絡

AH81

アゼルバイジャン国境→ジョルファ

1

*工業中心地/農業集積地連絡

AH82

ヌルドゥス(アルメニア国境)→ジョルファ→イベオクル

146

*工業中心地/農業集積地連絡

 

合  計 (9路線)

10,103

 

 

アジアハイウェイ路線の現状は表に示すとおりであるが、すべて2車線以上の舗装道路となっている。なお、テヘラン周辺の一部区間は高速道路となっている。

表-2 イランのアジアハイウェイ路線の現状

 

総延長

舗装道路

未舗装道路

未開通

路線番号

(km)

2車線

1車線

砂利道

土道

区間

 

 

以上

 

 

通年可

四駆可

 

AH1

2,103

2,103

-

-

-

-

-

AH2

2,310

2,310

-

-

-

-

-

AH8

1,207

1,207

-

-

-

-

-

AH70

1,390

1,390

-

-

-

-

-

AH71

162

162

-

-

-

-

-

AH75

1,751

1,751

-

-

-

-

-

AH78

1,033

1,033

-

-

-

-

-

AH81

1

1

 

 

 

 

 

AH82

146

146

-

-

-

-

-

合 計

10,103

10,103

-

-

-

-

-

比 率

100%

100%

-

-

-

-

-

 

日本の援助動向、日本との関係

日本は、イランの産油国としての重要性を考慮し、有償資金協力及び相当規模の技術協力を実施してきたが、イスラム革命、イラン・イラク紛争等に伴い様々な制約が生じたため、同国に対する協力の実施は一定の制約の下に行わざるを得ない状況にあった。表及び図にイランに対する日本の援助の推移を示す。なお、道路整備に対する日本の援助実績はない。

表-3 イランに対する日本の援助の推移
(支出純額、単位:百万ドル)

暦年

贈 与

政府貸付

合 計

 

無償資金協力

技術協力

支出総額

支出純額

 

1991

-

10.15

10.15

-

-14.28

-4.13

1992

-

9.15

9.15

-

-57.79

-48.64

1993

0.46

10.88

11.34

-

-17.27

-5.93

1994

0.43

12.51

12.95

1.68

-17.10

-4.16

1995

-

12.79

12.79

55.56

45.35

58.14

1996

-

11.75

11.75

72.81

46.34

58.09

1997

0.78

8.17

8.95

61.30

61.30

70.25

1998

-

6.84

6.84

41.29

41.29

48.13

1999

0.05

8.01

8.06

39.92

39.92

47.98

2000

0.22

14.54

14.76

30.11

30.11

44.87

 

図-1 イランに対する日本の援助の推移

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