大臣会見

冬柴大臣会見要旨

2008年6月6日(金) 9:30 ~ 9:44
参議院議員食堂
冬柴鐵三 大臣

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は一般案件が4件、国会提出案件が30件、法律の公布の決定が6件、政令の決定が1件と人事案件です。本日の閣議において、平成19年度観光白書についてご報告しました。今回の白書では、昨年の訪日外国人旅行者数が835万人と過去最高を記録したことなど、観光に関するデータや観光施策の動向について取り上げています。また本日の閣議で、高速道路株式会社各社の代表権を有する会長及び社長人事について、ご了解をいただきました。これらの人事は、正式には、六月下旬に開催される各社の取締役会で決定される予定です。後刻、事務的に配布いたします。私からは以上です。

質疑応答

(問)スカイマークの話ですが、情報開示が不十分だという批判がだいぶ高まっていますが、この件についてご所見をいただきたいと思います。2点目は、財務省職員がタクシーから金品を授受していたという事例ですが、国土交通省での状況と今後の方針についてお聞かせください。
(答)スカイマークですが、大量の運休を出したということと、これまで十分な説明が行われていなかったことについて、国土交通省としても遺憾だと思っています。スカイマーク社に対しては、今回の運休の原因と今後の運航の見通しについて、対外的にきちんと説明するよう指示をしています。スカイマーク社からは、現在、7月以降の運航ダイヤを確定させるための調整作業を急いでいまして、来週早々には会見を開いて対外的にも説明するとの報告も受けています。具体的な会見内容につては、スカイマーク社から記者クラブに連絡をさせたいと思っています。私としては、少なくとも契約切れが明らかになった段階で、運休については速やかに公表するべきだったと強く感じています。利用者に対する適切な情報開示に努めていただきたいと思います。公共交通ですから、まず、安全と利用者に対する利便の提供ということは至上命題です。その意味で、直近になってキャンセルになるということは、他の公共交通機関に乗換えの斡旋をしたという努力は分かりますが、そういうことがないようにしてもらわなければならないと思っています。我々としては、運輸安全マネジメント等でいろいろと指導もしてきたところですので、乗務員がいなければ、飛行機が飛べないのははっきりしているわけです。乗務員の乗務割りも基準を踏まえて、きっちりしていただくということについて、我々も立入検査をして、今後も抜き打ち検査もやりながら、こういうことが絶対に将来ないように努めていきたいというのが、私の現在の気持ちです。
 職員のタクシー乗車の際に金品の授受があったかどうかですが、長妻議員からの詳細な調査依頼を受けて、過去5年間分に遡って、本省の職員全員に問合せをしました。提出したのは平成19年度だけです。そうしますと、36名の方が自主申告して、公費でタクシーを利用した際に飲み物など、ビール、ジュース、お茶、栄養ドリンク、「など」の中身にはアメもありますが、その提供を受けて、その回数は249回でした。ただし、現金や金券など換金性の高いものは1件もありませんでした。この36名が公費支出でタクシーを利用した回数は、この期間に2,094回でした。内訳ですが、ビール等が14人です。ジュース・コーヒー等が6人。栄養ドリンクが6人。アメを一個もらっただけで報告している人もいますが5人です。お茶が4人です。おしぼりが1人で、合計36人です。したがいまして、問題は、ビールがどうなのかと思いますが、社会的に見て、これは国民が判断されることですが、アメとかティッシュはどうなのかなと思います。そういうものも報告してもらったものは、きっちり皆様に報告して、そういうことです。

(問)こういうビールを提供するとか金品とか他の省であったわけですが、こういうことが横行していた理由などはどのようにお考えですか。
(答)まだ分析はしていませんが、感想でいいですか。やはり、タクシーの利用が非常に下がって、運転者の所得がものすごく低いのです。その中で、深夜の、継続的にしかも相当長距離を使ってくれる上客ですね、そういう人たちに対してつなぎ止めるというか、どこでも営業努力すると思いますが、そういう感じがあったのではないかと思います。法律的な面で考えてみますと、私どもは運賃認可制をとっているのです。例えば、2000円もらわなければいけないところへ300円のビールを出すということが、割戻しはしてはならないと罰則もありますが、割戻しに当たるのかという判断だと思います。ビールとなるとどうかと思いますが、お金は割戻しになります。商品券とか換金性のあるものはどうなのかということが次の問題になると思います。それは、例えば儀礼の範囲なのかどうか、例えば、それがお歳暮やお中元の時期に適当な、皆さん方の社会で行われるようなものが、そういう時にされた。毎回金券を渡すというのは論外だと思いますが、そういう時期にそういうことがあった場合にどう見るのか。やはり、儀礼の範囲であるかどうかということで判断されるのだろうと私は思います。したがって、お金または換金性が高いものをした場合には、私は問題だろうと思います。ビールとおつまみは回数によると思いますが、その類は社会的にいかがなものかと思いますが、いずれにしても好ましいことではないと私は思います。

(問)財務省の職員の一人は2000円から3000円の現金または商品券などを年間150回ぐらい、5年間ぐらいという発表を財務省がしているのですが、それについて儀礼の範囲にあたるのかというとちょっと疑問なのですが、その辺、大臣はどう思われますか。
(答)健全な常識で判断されるべきだと思います。

(問)健全な常識ではなく、明らかに道路運送法10条に抵触すると思うのですが、違いますか。
(答)それは判断によります。それは、金品、金ですか。
(問)いえ、現金です。
(答)現金ですか。払戻しになるのではないでしょうか。私はそう思いますよ。毎回お金を払っていたら、払戻しです。

(問)国土交通省としても、実態がどうか運転手や事業者から事情を聞くのでしょうか。
(答)法律を所管している以上、それはそういうことになるのではないでしょうか。雇用者として財務省がどのように判断するかはまた別問題です。所管する法律に違反していることになれば、それを我々は放っておくわけにはいきません。

(問)財務省の5年で150回、2000円から3000円、1回ずつもらっていたというのは、やはり調査されるのでしょうか
(答)あまり具体の問題について論及するのは勘弁してください。もう私は全部お話しました。そこから類推してください。

(問)リニア中央新幹線の話ですが、一部報道で、年内にも調査を指示されるという話がありましたが、ご所見は。
(答)そういうことは私は言っていませんが、そう受け取られるかもわかりませんね。なぜならば、こういう話がありました。ご案内のとおりですが、先日、山梨県知事と愛知県知事がお見えになりました。その時に、次の段階の調査の指示をしてほしいという話でしたが、今、地質なりいろいろ調査していただいているわけです。その報告が出ていないのに、次の、営業の場合どうだとかこうだとか言うのは早いのではないですかと。まず、今お願いしている地質調査の結果を提出いただいて、それが長くかかることはないと思いますが、速やかに次のことは我々も行いたいと思っており、その結果次第です。今アルプスの下を掘っているわけですから、その結果を受けて、そして、相当の期間で、我々としては次のものをもちろん段階的に行いますということを言ったわけです。では、いつごろ出る予定ですかとおっしゃられたので、今聞いてるところですと、今年の秋ごろには今やっている調査結果が出るようなことは聞いていますと。それは知事さんもそのような趣旨がありました。それを総合すると、そう取られたのもしょうがないと思いますが、私自身は何も年内に出すというような直接的な発言はしていません。

(問)スカイマークの件ですが、立入検査というのは、今回のこの問題について、スカイマークに立入検査するということでしょうか。
(答)それは言えません。立入検査ですので、何のためにいつ行くかと言うことはできません。でも、立入検査などはしなければならないでしょう。

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