バリアフリー

廿日市市移動等円滑化基本構想

基本構想整備事例
廿日市市移動等円滑化基本構想(宮内串戸、阿品地区)
廿日市市移動等円滑化基本構想(宮島口、大野浦地区)

◆廿日市市移動等円滑化基本構想の概要
○平成16年6月22日受理(宮内串戸・阿品周辺地区)
 平成21年8月3日受理(宮島口・大野浦周辺地区)

○旅客施設及び重点整備地区の概要
 旅客施設・・・JR宮内串戸駅、阿品駅、宮島口駅
         広電宮内駅、JA広島病院前駅、廿日市市役所前・平良駅、阿品駅、阿品東駅、宮島駅
         JR宮島口旅客ターミナル、松大汽船旅客ターミナル
 重点整備地区の面積・・・(宮内串戸)110.2ha、(阿品)75.3ha、(宮島口)15ha
 主な施設・・・(宮内串戸)市役所、文化センター、廿日市郵便局、廿日市市総合健康福祉センター、JR広島総合病院、サティ
         (阿品)廿日市高齢者ケアセンター、阿品土谷病院、フジグランナタリー
         (宮島口)宮島口郵便局、広電宮島ガーデン、広島銀行宮島口支店、宮島コーラルホテル、市営宮島口駐車場等

 重点整備地区の選定理由
  高齢者・身体障害者に対するアンケート及びヒアリング調査や、各駅周辺地区別現況評価の結果等を踏まえ、各関係者の協力による重点的・一体的な交通バリアフリーの実現を前提とし、
JR3駅を中心とした各駅周辺地区別の総合評価をもとに、JR宮内串戸及び阿品駅周辺地区の2駅を選定した。
  廿日市市内における主要な旅客施設であり、各公共交通機関と結節し、周辺には市民が日常生活を営む上で重要な各種施設も多く立地する地区を候補した。各駅における現状や上位計画・関連計画等の位置づけを要件に照らし合わせながら整理・検討したうえでJR宮島口駅周辺地区を選定した。

○基本構想の特徴
 市民・公共交通事業者・行政等すべての人の協力のもと、高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性及び安全性、移動環境の連続性向上を積極的に促進させることを目指し、「だれもが安心・快適に移動できる交通環境づくり」を基本理念とします。また、この基本理念を実現するために次のような基本方針を掲げ実現を目指す。
 ・すべての人同士が互いを思いやる心を育てる活動充実・推進
 ・安心・快適な交通環境の実現に向けた交通バリアフリー化の計画的・段階的推進
 ・継続的に安心・快適な交通環境づくりを進めるための体制の確立

○事業の概要
 基本構想の目標期限:平成22年
【公共交通特定事業】
(宮内串戸、阿品)ラッチ内通路の改善、垂直移動施設の整備、案内施設の整備・改善、駅職員の接客対応
(宮島口)段差解消設備(エレベーター等)の設置、既存跨線橋の改良、音声案内装置の設置、情報提供装置の設置
【道路特定事業】
(宮内串戸、阿品)歩車道の整備、段差・高低差の解消、路面・舗装の改善、視覚障害者誘導用ブロックの整備、利便施設の整備、立体横断施設(駅に連絡する自由通路)の整備
(宮島口)車両出入口や歩道切り下げ方法の改善、視覚障害者誘導用ブロックの改良(輝度比の確保)、階段段鼻が認識しやすいような配慮、階段手すりの2段化及び水平部の延長
【交通安全特定事業】
(宮内串戸、阿品)信号機の改良・高度化、違法駐車行為防止策
(宮島口)視覚障害者用付加装置のある信号機の設置
【その他事業】
 駅前広場・・・特定経路やバリアフリーネットワーク経路に接している駅前広場については、バス停やタクシー乗降場及び連続した上屋の設置、
         駅周辺施設への動線上の段差解消や移動の連続性・安全性・快適性の確保、案内誘導施設等によるわかりやすい空間の確保等バリアフリーに配慮した取組みを推進。
 バリアフリーネットワーク経路・・・重点整備地区内でバリアフリーネットワーク経路に位置付けた経路においては、地域の実情や地形的な状況等を考慮しながら、
         可能な限り歩行者が安全かつ円滑に通行できるようバリアフリーに配慮した取組みを推進。
 電車・・・各駅ごとの利用状況や整備状況を考慮し、ホーム内の安全対策や情報提供設備等の整備を優先的に実施。
      また、利用者が可能な限り安全かつ円滑に利用できるよう点字表示の整備・改善、乗務員へのバリアフリー教育訓練の実施、介助サポート体制の確立などバリアフリーに配慮した取組みを推進。
 バス・・・重点整備地区内のバス路線への新規車両導入時には、低床バス導入の検討を進めるとともに、各バス停留所については、利用状況や施設の整備状況等を考慮し、
      快適な待機スペースの設置検討を行う。また、乗務員へのバリアフリー教育訓練の実施や介助サポート体制の確立などバリアフリーに配慮した取組みを推進。

○利用者の意見の反映
[宮内串戸、阿品]
・基本構想検討委員会に以下の団体からメンバーが参画し、5回にわたって委員会で議論。
関係団体・・・廿日市市老人クラブ連合会、廿日市市障害者団体連絡会、廿日市市社会福祉協議会、廿日市市内のボランティアサークル
・交通のバリアフリー化に係るアンケート調査を以下の対象に実施
 高齢者・・・JR3駅を中心とした3地区(JR廿日市駅、JR宮内串戸駅、JR阿品駅)の老人クラブに所属する男女
 障害者・・・廿日市市内の身体障害者団体に所属する男女および福祉関連施設の従事者
・現場総点検の実施
 重点整備地区の選定にあたり、特定旅客施設及び特定経路を仮定し、その妥当性を確認するために、検討委員会のメンバーにより現地調査を行った。
[宮島口]
・廿日市市移動等円滑化基本構想検討委員会において、以下の団体から代表者が参画し、2回にわたって委員会で議論
関係団体・・・大野地域障害者団体連絡協議会、廿日市市身体障害者福祉協会、廿日市市老人クラブ連合会、大野地域区長連合会代表
・タウンウォッチングの実施
 高齢者や障害者を中心に、JR宮島口駅及びJR大野浦駅及びその周辺の歩行空間のタウンウォッチング(点検調査)を実施し、現況の問題点を抽出した。
 その後、点検マップ作りを行い、抽出された意見や提案等をとりまとめた。
・アンケート調査の実施
JR宮島口駅及びJR大野浦駅周辺で駅利用者、駅周辺地区住民(障害者団体含む)などを対象にアンケート調査を実施した。
・市民の意見募集
 廿日市市移動等円滑化基本構想(案)を作成し、パブリックコメントの機会を設け、廿日市市のホームページへの掲載及び市役所、支所等で配架する等市民からの意見を募集した。

【反映された主な事項】
[宮内串戸、阿品]
・バリアフリーは、高齢者や身体障害者だけの問題ではないという意見を踏まえ、基本理念を「誰もが安心・快適に移動できる交通環境づくり」とした。
・基本構想に位置付けられた事業の進捗状況については、市民への啓発が大切だという意見を踏まえ、インターネットなど多様な方法により、広く市民に公表していくこととした。
・バリアフリーについては、ハード整備だけでなくソフト面からの取組みが必要であるとの言う意見を踏まえ、「心のバリアフリー」の推進として、交通バリアフリー教室等への積極的な参画・協賛を進めて行くこととした。
・事業の実施にあたっては、利用者の意見を聞きながら取組むことが必要であるという意見を踏まえ、高齢者や身体障害者の方、地元の町内会やボランティア団体等と協議しながら進めて行く。
[宮島口]
・タウンウォッチングを点検マップとして整理し、実施する事業の有無にかかわらず、今後のバリアフリー化に向けた対応への貴重な資料として、基本構想の本編に整理した。
 また、特に経路における視覚障害者誘導用ブロックの連続性が確保されていないとの指摘が多く、これを踏まえ、可能な限り連続性の確保を進めることとした。

○(交通バリアフリー)法第6条第4項に定められている関係する機関との協議
 (バリアフリー)法第25条第7項に定められている関係する機関との協議
[宮内串戸、阿品]
 公共交通事業者・・・JR西日本、広島電鉄
 道路管理者・・・広島県広島地域事務所建設局廿日市支局、廿日市市
 都道府県公安委員会・・・広島県公安委員会
[宮島口]
○ 公共交通事業者・・・JR西日本
 道路管理者・・・国土交通省、広島県、廿日市市
 都道府県公安委員会・・・広島県警察本部

○(バリアフリー)法第26条に定める協議会
 廿日市市移動等円滑化基本構想検討委員会を設置

○その他
 道路特定事業において、道路の構造が移動円滑化基準を満足することができないために特定経路と位置付けられない路線についても、特定経路の整備と併せて可能な限りバリアフリー化を進める路線を位置付け、道路特定事業計画の中で整備を検討することとした。

ページの先頭に戻る