持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進

最終更新日:2024年3月22日

 国際的に持続可能な観光への関心・意識が高まる中で、今後我が国が世界の観光旅行者から選ばれる観光地となるためには、地球環境に配慮した旅行を推進するとともに、地域が主体となって持続可能な観光地域づくりを行うことが重要である。
 地球環境に配慮した旅行には、カーボンニュートラルな交通手段の活用や、プラスチックゴミ・食品ロスの削減等に取り組む宿泊施設の利用が重要であり、観光事業者の自発的な取組の推進と、観光旅行者を含めた普及啓発、認知度の向上を図る。
 地域づくりの主体は、地域をマネジメントする各地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)であり、観光庁が令和元年6月にとりまとめた報告書「持続可能な観光先進国に向けて」においても、各地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)が主体となって、多面的な現状把握の結果に基づき持続可能な観光地マネジメントを行う必要性が示唆されている。
 こうした背景を受け、地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)等が地域を多面的に把握できるよう、観光庁では国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所とともに、社会経済・文化・環境とこれらを管理するマネジメントの4分野から構成された「日本版持続可能な観光ガイドライン」(JSTS-D)を開発・公表した。
 これを活用し、データと中長期的な計画に基づき、地域・観光旅行者の双方がメリットを享受・実感できる地域づくりを推進する地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)等のマネジメント体制を構築する。具体的には、実証事業を通じてマナー違反や混雑等の住民との課題の未然防止等の地域の課題解決に取り組み、より強固な観光地マネジメントを確立する優良モデルの構築を支援する。また将来的には、観光による恩恵を感じる地域住民及び我が国を持続可能な観光地として認識する訪日外国人旅行者の増加を目指し、持続可能な観光の浸透を図る。
 また、日本ならではの地域の観光資源(自然、文化・歴史、地場産業等)を保全・活用したコンテンツの造成・工夫や、その持続可能性や価値を更に高めるための受入環境の整備が不可欠である。コンテンツの造成・工夫においては、観光旅行者の知的好奇心を踏まえ、自然・文化・歴史・産業等の本質を味わいながら地域への貢献を実感でき、観光利用と地域資源の保全を両立させる体験等のコンテンツ造成及び地域の経済・社会・環境の持続可能性の向上の好循環の仕組みづくりを支援する。受入環境整備においては、観光旅行者から入域料を徴収し、地域づくりに還元するためのシステム・設備整備、公共交通への乗換えを促進するパークアンドライドに必要な駐車場の整備、観光旅行者のマナー啓発等に必要な備品・施設等の整備、混雑の平準化・解消のためのシステム整備等を支援する。
 令和7年度までに、こうしたコンテンツ造成や地域における好循環の仕組みづくりに取り組む50地域、受入環境整備に取り組む50地域をそれぞれ強力に支援し、各地域における取組を具体化する。
 さらに、地域における「日本版持続可能な観光ガイドライン」(JSTS-D)に基づく取組を促進するため、関連する研修を拡充する。また、第三者からも優良な取組であると評価されるレベルを目指し、Green Destinations(GD)やUNWTOによる国際的な認証・表彰の取得促進を図ることで、世界に誇れる持続可能な観光地域の形成を目指す。
 ※【観光立国推進基本計画】より
 

持続可能な観光地域づくりに向けた取組

 我が国の「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりを実現するためには、地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)が中心となって、観光客と地域住民の双方に配慮し、多面的かつ客観的なデータ計測と中長期的な計画に基づく総合的な観光地マネジメントを行うことが重要です。観光庁ではこうした背景を踏まえて、様々な取組を行っています。

オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組

 観光客の受け入れと住民の生活の質の確保を両立しつつ、持続可能な観光地域づくりを実現するため、地域自信があるべき姿を描いて、地域の実情に応じた具体策を講じる取組に対して、国として総合的な支援を行います。

サステナブルな観光に資する好循環の仕組みづくりモデル事業

観光政策・制度