海事

5.PSC対象船舶の選定方法

 東京MOUでは、より効率的効果的なPSCを実施するため、上記のPSC対象船舶の選定方式を個々の船舶のリスク評価に基づいた方式に改善するよう検討してきましたが、平成25年10月に東京で開催された東京MOUの第24回PSC委員会において新検査制度(NIR:New Inspection Regime)が合意され、平成26年1月1日より導入することが決定されました。
我が国においても、この決定に基づき平成26年1月1日よりNIRを導入することとし、これにより、従来よりも効率的効果的なPSCの実施が期待されます。
 
新検査制度(NIR)の概要は次のとおりです。
(1) 従来の方式(ターゲットファクター方式)(平成25年12月31日まで)
 従来の方式(ターゲットファクター方式)では、前回PSCからの経過期間、PSCでの欠陥・拘留の実績などの判定要素に応じて算定されるターゲットファクター(TF:Target Factor)を基にTFの数値が高いほどリスクが高い船であると評価し、PSC対象船舶を選定しています。
また、PSC間隔については、原則として前回のPSCより6か月以内はPSCを実施しないこととしています。
 
 
(2)新しい方式(シップ・リスク・プロファイル方式)(平成26年1月1日より)
 今般導入される方式(シップ・リスク・プロファイル方式)では、船種・船齢・旗国・認定機関(旗国により承認された検査代行機関)・管理会社・欠陥数・拘留回数の判定要素により、個々の船舶を「High Risk Ship」、「Standard Risk Ship」及び「Low Risk Ship」の3つに分類し(別添資料参照)、この分類別に設定されたPSC間隔に基づいてPSCを実施します(下図参照)。
 PSC間隔は、「High Risk Ship」は前回のPSCから2か月経過後(4か月経過後はより重点的に実施)、「Standard Risk Ship」は5か月経過後(8か月経過後はより重点的に実施)、「Low Risk Ship」は9か月経過後(18か月経過後はより重点的に実施)と設定されています(海難などの特別な場合を除く。)。 これにより、リスクが高いと評価された船舶(High Risk Ship)は最短2ヶ月で再度PSCを受ける可能性がある一方で、リスクが低いと評価された船舶(Low Risk Ship)はPSCを受ける間隔が9か月以上に広がるというインセンティブが与えられることになり、外国船舶の国際条約遵守を促す効果が期待されます。
 新検査制度に関する情報は、東京MOUのウェブサイト(http://www.tokyo-mou.org)で確認できます。

【別添資料】Ship Risk Profile による分類の詳細について(PDF形式)

お問い合わせ先

国土交通省海事局総務課外国船舶監督業務調整室
電話 :03-5253-8111(内線43-176)

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