●経緯等
現在、船の長さ24m未満の船舶(以下「小型船舶」という。)の総トン数については、船舶のトン数の測度に関する法律(以下「トン数法」という。)の規定に基づき算定されています。現行の総トン数の算定にあたっては最初に上甲板を確定する必要があります。
小型船舶の4割程度を占めるプレジャーボートは、顧客の多様なデザイン要望に答えるため、その大半がモノコック構造(※)となっていますが、モノコック構造の船舶は、トン数法における上甲板の確定が難しいことから、現行の総トン数算定方法の適用に困難を生じておりました。特に近年は技術の進展に伴う設計の自由度の向上よりその困難の度合いが増し、船舶製造者、所有者等の負担となっております。
このため、モノコック構造の小型船舶について、その構造に対応した総トン数算定方法を検討することを目的に、学識経験者、関係業界等からなる検討会を開催することとしました。
※下部船体(外板)と上部船体(船室や覆い等)をそれぞれあらかじめ作成した型で成形し、これらを抜型後、上下の船体を船側でつなぎ合わせる船体構造。 モノコックとは「一つの貝殻」の意味。
●委員等 (五十音順、敬称略)
・委員
秋田 務 日本小型船舶検査機構 理事
内野 一弘 一般社団法人日本マリン事業協会 技術委員会委員長
砂賀 政美 日本マリンインポーター協議会 事務局長
田村 兼吉 独立行政法人海上技術安全研究所 研究統括主幹 ※本検討会の委員長
遠山 敏和 一般社団法人海洋水産システム協会 設計部長
村山 英晶 国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻 准教授
・関係省庁
水産庁
・オブザーバー
国土交通省関東運輸局海上安全環境部海事技術専門官(船舶測度官)
日本小型船舶検査機構
●開催実績
・第1回検討会
日時:平成26年4月23日(水)10:00~12:00
議題:(1)検討会の設置について
(2)船舶のトン数の測度について
(3)モノコック構造について
(4)総トン数算定方法の見直しに当たっての考え方について
(5)今後の進め方について
(6)その他
・第2回検討会
日時:平成26年7月9日(水)14:00~16:00
議題:(1)第1回検討会の議事概要について
(2)モノコック構造の船舶の定義について
(3)総トン数算定方法について
(4)経過措置について
(5)その他
●今後の予定
第2回検討会では議題内容について委員より大筋了承を得られたため、2週間の意見照会期間を設け、最終取りまとめを行うこととなった。最終取りまとめを踏まえ、トン数法施行規則第八条に基づき、モノコック構造を有する小型船舶の総トン数算定方法を定める告示を制定する予定。