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記者発表
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6−2−1調査方法
(1)採泥方法
各採泥地点において、水質調査の採水と同様に汚染が生じないよう細心の注意を払い、エクマンバージ型採泥器等により、3回以上底質を採取し、それらを混合し試料とした。試料の混合においては、ステンレス製又はホーローバットを使用し、ステンレス製スコップを用いて混合した。
各調査対象物質における試料ビンの種類、採泥本数等を表6−8に示した。
表6−8 試料の採取量
物 質 名 試料ビンの種類及び容量 採泥本数 フタル酸エステル類
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
フタル酸ブチルベンジル
フタル酸ジ-n-ブチル300mL
広口ガラスビン2本 アルキルフェノール類
4-n-オクチルフェノール
4-t-オクチルフェノール
ノニルフェノール
アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル
スチレン2及び3量体
ビスフェノールA
17β-エストラジオール500mL
広口ガラスビン2本 (2)分析方法
調査対象物質の分析方法は、環境庁の「外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月)」によることとした。底質の分析方法の原理と検出下限値を表6−9に示す。
表6−9 底質調査分析方法の原理と検出下限値
物質名 分析方法の原理 検出下限値
(μg/kg)(参考)環境庁
マニュアル
目標検出下限値
(μg/kg)1 4-n-オクチルフェノール
4-t-オクチルフェノールメタノール抽出後NaCl溶液転溶、ジクロロメタン抽出し乾固後、KOH存在下でエチル化、ケン化後カラムクロマトグラフで精製し、GC/MS-SIMで測定 1.0
1.01.0
1.02 ノニルフェノール 3.0 3.0 3 ビスフェノールA 0.2 0.2 4 フタル酸ジ-2-エチルヘキシル アセトニトリル抽出後GPCカラムで精製し、濃縮後
GC/MS-SIMで測定25 25 5 フタル酸ブチルベンジル 10 10 6 フタル酸ジ-n-ブチル 25 25 7 アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル アセトニトリル抽出後NaCl溶液に転溶、ヘキサン抽出し、濃縮後カラムクロマトグラフで精製し、GC/MS-SIMで測定 10 10 8 スチレン 2及び3量体※ アルカリ分解後ヘキサン抽出し、濃縮後カラムクロマトグラフで精製し、GC/MS-SIMで測定 1.0 1.0 9 17β−エストラジオール メタノール抽出後精製水を加え固相抽出、酢酸エチル・メタノールで溶出後乾固、酸分解後乾固、溶出させELISA法で測定 0.3 0.3
※ 1,3-ジフェニルプロパン(DPP)、2,4-ジフェニル-1-ブテン(DPB)、cis-1,2-ジフェニルシクロブタン(cis-D PCB)、trans-1,2-ジフェニルシクロブタン(trans-DPCB)、2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセン(TPH)
6−2−2調査結果
15水系20地点において、実施した底質調査の測定結果は表6−10、6−11に示すとおりである。
河川の底質は、河床の状況、出水等の流況によりその性状は大きく異なることから、今回の調査結果が、その河川の平均的な底質を示しているわけではないことに留意する必要がある。
なお、各調査地点における個別の測定結果は、別添の参考資料に示す。
(1)基本調査対象物質の測定結果
調査地点全体での測定結果は、表6−10に示すとおりである。
調査対象物質の中では、ノニルフェノール、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ビスフェノールA、がほぼ全地点で検出されるなど、水質調査と比較して調査地点は少ないものの、水質調査と同様の物質について高い検出率となっており、これらの化学物質が底質中にも同様に存在していることが確認された。
また、17β-エストラジオールについては、約半数の地点で検出された。
表6−10 底質調査における基本調査対象物質の測定結果
物質名 濃度範囲
(μg/kg)検出地点数
/調査地点数(参考)過去の調査に
おける検出状況4-n-オクチルフェノール ND(1未満) 0/20
(0%)4-t-オクチルフェノール ND(1未満)〜 21 5/20
(25%)4μg/kg(S52)
2/6地点ノニルフェノール ND(3未満)〜 880 18/20
(90%)50〜70μg/kg(S52)
3/3地点フタル酸ジ-2-エチルヘキシル ND(25未満)〜 3400 19/20
(95%)180〜22,000μg/kg(H8)
16/33地点フタル酸ブチルベンジル ND(10未満)〜 14 4/20
(20%)13〜16μg/kg(S60)
3/27地点フタル酸ジ-n-ブチル ND(25未満)〜 100 6/20
(30%)200〜580μg/kg(H8)
9/30地点アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル ND(10未満)〜 10 1/20
(5%)16〜100μg/kg(H7)
11/29地点ビスフェノールA ND(0.2未満)〜11.0 19/20
(95%)5.9〜600μg/kg(H8)
79/163地点スチレン2及び3量体※ ND(1未満)〜4.1 5/20
(25%)17β-エストラジオール ND(0.3未満)〜 1.3 11/20
(55%)
・ND:検出下限値未満
・濃度範囲における( )は検出下限値、検出地点数/調査地点数における( )は検出割合を示す。
・参考欄の数値の出典:「化学物質と環境」(平成8年版、9年版) 環境庁
※スチレン2及び3量体は、2,4,6-トリフェニル-1-ヘキセンが5地点、trans-1,2-ジフェニルシク
ロブタンが1地点で検出
(2)追加調査対象物質の測定結果
主要河川5地点において実施した追加調査対象物質の測定結果は、表6−11に示すとおりである。
調査対象物質の中では、4-t-ブチルフェノール、ベンゾ(a)ピレン、ベンゾフェノン、トリブチルスズ及びポリ塩化ビフェニール類(PCBs)の5物質が検出されたが、それ以外の物質は検出されなっかった。
表6−11 底質調査における追加調査対象物質の測定結果
・ND:検出下限値未満
物質名 濃度範囲(μg/kg) 検出地点数/調査地点数 4-t-ブチルフェノール ND(1未満) 〜1.4 1/5 4-n-ペンチルフェノール ND(1未満) 0/5 4-n-ヘキシルフェノール ND(1未満) 0/5 4-n-ヘプチルフェノール ND(1未満) 0/5 フタル酸ジエチル ND(10未満) 0/5 フタル酸ジプロピル ND(10未満) 0/5 フタル酸ジペンチル ND(10未満) 0/5 フタル酸ジヘキシル ND(10未満) 0/5 フタル酸ジシクロヘキシル ND(10未満) 0/5 ベンゾ(a)ピレン ND(1未満)〜39 4/5 2,4-ジクロロフェノール ND(1未満) 0/5 ベンゾフェノン ND(1未満)〜4.8 1/5 4-ニトロトルエン ND(1未満) 0/5 オクタクロロスチレン ND(1未満) 0/5 n-ブチルベンゼン ND(1未満) 0/5 トリブチルスズ ND(0.1未満)〜0.4 4/5 トリフェニルスズ ND(0.1未満) 0/5 ポリ塩化ビフェニール類 ND(1未満)〜3.7 3/5 ポリ臭化ビフェニール類 ND(5未満) 0/5
・濃度範囲における( )は検出下限値
平成10年度 水環境における内分泌攪乱化学物質に関する実態調査結果へ戻る