近年、多くの人々が、都心の水辺に関心を持ち、船に乗って水面からまちを見る楽しさを体験するようになりました。そこには、400年前の石垣や100年前の石造りの橋、明治の近代化を象徴する建物が立ち並んでいました。この景観は、戦後50年以上、私たちが忘れてきた眺めでした。
しかし、この水面からの眺めこそ、江戸から東京への400年にわたる「まちづくりの視点」でした。東京は、川をまちのシンボルとして捉えて、まちづくりを行ってきた都市だったのです。都心の川に沿って立ち並ぶ古い建物や橋や石積みは、時間を重ねて歴史的建造物となり、その価値を増し加えました。川の水面から見た楽しさは、歴史を巡る知的な楽しみです。川の水面からみたまちの風景をお楽しみ下さい。
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