提言案に関し、用語の使い分け等について意見が出されたが、基本的内容については了承された。なお、指摘事項に関しては、委員長と事務局で調整の上修正し、正式な提言とすることとされた。また、若干の修正があることを前提として、委員長から道路局長に提言が手渡された。
(委員の主な意見)
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「国民」について |
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道路というインフラの特徴は、ユーザー自身がインフラづくりの当事者であるという点である。提言案の「3(5)B国民との新たなパートナーシップの確立」(P.11)に書かれているが、もう少し明確に記述した方が良いのではないか。例えば、「道路ユーザーや住民と行政が問題意識を共有し、更に協働的な活動を通じて、より良いサービスと空間を作り上げていくことが必要である」というような記述にしてはどうか。 |
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P.6の図において、「国民」と一言で表現されているが、「道路ユーザー」としての国民や「納税者」としての国民、そして「地域住民」としの国民もいる。そういう立場がわかるようにした方が良いのではないか。 |
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「3(5)B国民との新たなパートナーシップの確立」(P.11)文中の「行政に対する期待が先行し〜」という表現は、国民だけが悪いような印象を受ける。協力関係が得られなかった行政サイドの反省についても記述した方が良いのではないか。 |
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用語の使い分けについて |
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提言案の中に「わかりやすさ」という表現が多いが、容易(=easy)というような誤解を招くのではないか。「ユーザーのニーズに合い、納税者の関心に即した」という意味の表現にすべきではないか。 |
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「3(5)@評価の正統性の確保」(P.11)とあるが、「正統性」というと非常に重いものに感じてしまう。「公正性」とか「妥当性」といった表現の方が良いのではないか。 |
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表紙のサブタイトルに「理論から実践へ」とあるが、「理論」というと、学術的なイメージを持ってしまう。「理念」の方が良いのではないか。 |
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職員の意識改革について |
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行政マネジメントの実践のためには職員の意識改革が重要である。そのためには、現況把握のために、職員へのアンケート等を実施することも考えるべきではないか。 |
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職員の意識を高めるには、「実践」が何より重要であり、まずとりこむこと、やってみることが重要。 |
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目標と指標の設定について |
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「3(1)B階層的な指標群の設定」(P.7)において、指標のレベルを三段階で設定しているが、「アウトプット指標」と「中間アウトカム指標」の間に「事業を対象としたアウトカム指標」があるのではないか。 |
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道路は多機能で、多次元のサービス提供をしているため、指標を階層的に設定するというのは良いと思うが、「最終アウトカム指標」という表現は疑問。(実践していく中で)徐々に改良していくということ、個々に工夫すること、考えることが大切ではないか。 |
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道路は地方によってニーズの差があり、本来、評価指標も地方ごとに違いがあるべき。国として共通の指標群を統一して設定することは必要であるが、各地方の担当者がそれに縛られずに、自分たちの地方に適した指標を設定することも必要。 |
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実行にあたっての留意点について |
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成果を予算へ反映させるしくみについて、米英の具体例を参考にするのは良い。日本は(新しいシステムを導入しようとする際、)理念が先行してしまう傾向があり、実践を念頭に置いた検討は評価できる。また、欧米の評価システムも、必ずしも理念通りに運用されていない場合もあることを留意しておくことが必要。 |