道路行政マネジメント研究会

第6回道路行政マネジメント研究会
日 時  平成16年11月16日(火) 10:00〜11:30
場 所  国土交通省3号館11F特別会議室
議事次第   1. 開会
 2. 議事
      (1) 道路行政マネジメントの取り組み
        ・ 道路行政マネジメントへの転換
        ・ 現場の声(東北地方整備局アンケート調査結果より)
      (2) 道路行政マネジメントの実践と定着に向けて
        ・ 道路行政マネジメントガイダンスの策定
        ・ 道路行政マネジメントガイダンスの活用
        ・ 地域における達成度報告書・業績計画書
        ・ 成果を意識する取り組みの動向
 3. 閉会

委員長
古川 俊一
筑波大学大学院システム情報工学研究科教授
委  員
家田 仁
東京大学大学院工学系研究科教授
委  員
 
梅田 次郎
鞄本能率協会コンサルティング
行政経営アドバイザー
委  員
北大路 信郷
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授
委  員
田渕 雪子
(株)三菱総合研究所
次世代社会基盤研究部 主席研究員
(敬称略、五十音順)
○は出席した委員

委員会資料   議事録

 道路行政マネジメントのこれまでの取り組みや道路行政マネジメントについての地方整備局アンケート調査結果(現場の声)や道路行政マネジメントガイダンスなどを報告し、各委員より下記の意見をいただいた。

道路行政マネジメントの取り組みについて
(委員の主な意見)
現場の声について
 ・ 道路行政マネジメントについて、個人では計画的に業務を遂行するようになったものの、組織全体の業務効率化にはまだ繋がっていないという結果であったが、原因として考えられるものは何か。(これまでは本省が中心となって、理念の部分からスタートしていた。そのため政策レベルまではうまくまとめられたが、政策レベルと現場レベルとの結びつきをいかにつなぐかなどの課題がある。個々人で少しずつ意識をもって業務を遂行しているが、組織としてはまだこれからの感があるのは否めない旨、事務局より返答)
 ・ 道路行政マネジメントは、まだ2年目の取組みであり、土台が出来上がった段階であり、効率化まで繋がっていないのは当然である。日常業務は多岐に渡るものであり、今後、日常マネジメントに取組み始めると成果が見えてくると思う。
 ・ 道路行政はこれまで連携の努力はしている。しかし、その取組みが実を結ぶまではかなりの努力が必要である。連携していることを示すような指標の作成や、連携を行っていることを評価する仕組みが必要である。
 
コスト意識について
 ・ 日々の業務運営の中でコスト意識が低いように思う。既存システムの柔軟性が低いため、一人一人が動きたくても動けない部分があるのではないか。最小のコストで最大の効果をあげるマネジメントが必要である。(道路行政マネジメントに関しては、一人一人の意識を改善し、業務の効率化を重視することとしており、コストのマネジメントのみがすべてとは考えない旨、事務局より返答)
 
新たな指標について
 ・ 現在考えられているアウトカム指標は、日頃のニーズ(渋滞の解消、交通安全等)が主であるが、昨今の災害を考えると、いざという時の視点を取り入れた「頼りになる道路」などの評価が重要になってくるのではないか。先日発生した新潟県中越地震では、磐越自動車道が非常に役に立っていると聞く。

道路行政マネジメントの実践と定着に向けて
(委員の主な意見)
内部マネジメントと外部マネジメントについて
 ・ 指標は、内部管理に使用するのであれば、分かりにくくても、予算の執行、目標管理がしっかりと出来ていれば良いのではないか。外部に向けてはそれを加工し、考え方として分かる指標であればよい。分かりやすい指標だけでもだめである。
 
住民ニーズ、ユーザーの視点からみた取り組み
 ・ 住民の実感にあった指標が必要であり、直接、住民に聞いてみるというのもひとつの手段である。また、中間アウトカムとして連携密度を表す指標を整備することも必要。例えば、協力が得られている地域と、あまり得られていない地域を表現する指標が必要ではないか。(ユーザーサイドからの考え方の整理は、今後検討していきたい。外部を意識したマネジメント、内部マネジメントに加え、中間的な共通認識が出来るようなものが必要と認識している旨、事務局より返答)
 ・ 現在は、ホームページアクセス数が指標になっているが、一方向の情報アクセスをカウントするのみとなっているので、今後、双方向のやりとりをあらわす指標も検討する必要がある。
 ・ ユーザーをまき込んだ行政マネジメントとなると、住民が行政に関与する代わりに分担責任も負うという欧米型のガバナンスの考え方となり、マネジメントの領域を超えているかもしれない。
 ・ 地域に密着したローカルな道路は、欧米のようにマネジメントとガバナンスを分類して考えるよりも、日本の取組みはコミュニティを重視したユーザーを巻き込んだマネジメントとして両者を同一と見なすアジア型として情報発信するのがいいのではないか。
 
ベンチマーキング方式について
 ・ ベンチマーキング方式とは、同じ環境で比較する手法である。大前提として、比較可能なものを扱うべきであり、手法の適用の際には、誤解のないようにしていくべきである。
 ・ 評価情報には、(1)注意喚起情報、(2)成績評点情報、(3)問題解決情報の3種類がある。道路行政マネジメントで用いるベンチマーキング方式は、ガイダンスでも明らかにされているが、成績を付けるというよりは(1)注意喚起情報のレベルとして使って欲しい。
 
地域の裁量、権限の移譲について
 ・ 本省から地方に、もっと権限・裁量を与えないと現場が心配である。諸外国では、権限を与える変わりに、成果をきちんと出さなくてはならないという仕組みになっている。(補助事業については、これまでは個々の箇所づけごとに評価を実施してきたためかなりの労力が必要であったが、現在は枠としての予算の査定はあるが、どこを実施するかは事業当事者の判断に任せるようになっている。その責任をどのように考えていくのかは、今後検討が必要になる旨、事務局より返答)
 
道路行政マネジメントガイダンスについて
 ・ 前回の研究会では「ガイドライン(案)」としていた名称が「ガイダンス」となったことや、「考えるヒント」という表現などで、締め付けでないことが表現できている。また、内容に関してもよくまとまっている印象を受ける。

道路行政マネジメント研究会の今後のスケジュールについて
次回研究会は今年度内に実施することとし、後日、日程調整することとされた。

以上




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