国土交通省では、ローカルからグローバルまで様々な仕事がありますが、
実際に出向して現場で活躍することができます。
いったい、どんな仕事ができるのか。
国土交通省内だけではなく、多方面で活躍する先輩たちを紹介します。
「身近な暮らしをよくしたい」、これが国土交通省を選んだきっかけです。学生時代、日々生活をしながら電車や道路の混雑を実感したり、親戚が住む地方都市が年々寂れていくのを目の当たりにしたりしてきました。こうした状況を少しでも変えられる場が国土交通省だと思いました。
国土交通分野の外交官として、英国のEU離脱などのEU情勢や関連政策を情報収集したり、EUとの交渉や協力関係構築に取り組んだりしています。EUでも都市政策や交通政策などが実施されていますが、その手法が日本とは異なることもあり、「そういう発想もあるのか」と発見の連続です。また、政策手法が異なったとしても、暮らしをよくしたいという思いは共通していますので、どうすれば日本とEUの間でWin-Winの協力関係を築いていくことができるか、試行錯誤しています。
欧州では、格安航空が充実している、小さなまちでも活気がある、公共交通でWifiが充実しているなど、生活しながら便利と感じる点が様々あります。その背景となる政策を吸収し、日本でも便利さが享受できるように取り組みたいと思います。一方で、日本の方が先進的な面も沢山ありますので、そういったものを欧州にもっと売り込んでいきたいと思います。
ヒートアイランド等の都市環境問題を大学の研究テーマにしていたため、スケールの大きな仕事をしたいと考えていました。地域住民の声を直接聴きながら工事などの技術的な現場経験ができ、その経験に基づいた社会システムのデザイン(立法・政策立案)ができる国土交通省の仕事に強い魅力を感じて入省しました。
水資源・防災の政策を担うインドネシア政府幹部や職員に対して技術的なアドバイスを行っています。高度経済成長期に日本で起きた都市環境問題(洪水の多発、水質汚染など)が現在頻発しています。インドネシアの生活文化と日本の高度な知見と質の高い技術を組み合わせることで最適な解決方法を一緒に見つけ出すことに強いやりがいを感じています。ただ、インドネシアはすでに後進国を抜け出し、日本の仕組みを一式導入したい、という状況ではありません。日本から学び、既存制度を改善したいというスタンスです。日本の事例を紹介し、先方の関心のある点を掘り下げてアドバイスするという、「営業」に近い部分があります。相手の立場に立ち、ニーズにあった提案をどのように英語で行うか試行錯誤の連続です。
他国より日本が優れていると感じた防災に対する意識と実績、工事の品質管理や安全管理等を引き続き海外に発信し、世界の防災と建設の発展を支援したいと思います。一方、インドネシアの方が優れていると感じる会議やセミナー等における海外の方へのホスピタリティを日本でも実践したいと思います。
地方都市で生まれ育った経験から、生活の足である自動車、物流網、都市部と繋いでくれる鉄道などを、生活に欠かせないものと感じていました。人の役に立ちたいという思いと、これら暮らしや経済活動を支える身近な交通インフラとの接点が国土交通省であり、入省を決意しました。また、国際ルールの策定により世界にも良い影響を与えられることにも魅力を感じています。
米国の大学院において、公共政策を学んでいます。官民立場を問わず世界をより良い場所とすることを目指して集まった年齢、国籍、職業も様々な学生との交流はとても刺激的です。また、自分が当たり前と考えていたことを否定される場面も多くありますが、先入観を捨てて物事の本質を深く考える、多様な視点や声に耳を傾けるという、変化の激しい社会で政策を立案するために必要な能力を鍛えるには格好の場所です。このような恵まれた環境の下、新しい知識を得るとともに、異なる視点から過去の行動や業務を振り返る機会と捉え、日々勉強に励んでいます。
交通分野では、自動運転や情報技術を活用した新たなサービスの導入が期待されています。また、環境や安全に対する要請も年々高まっています。専門である、自動車、船舶、航空管制、航空機の分野において、官民学の関係者の方々と協力して、より良い社会を実現するために政策面から貢献していきたいと思います。
大学卒業後に介護事業を営む民間企業に入社しましたが、国の制度は現場で熱い思いを抱いて仕事している方々に報えるようなものになっていないと感じ、公務員として制度設計に携わりたいと考えました。国土交通省は、道路や河川、交通といったインフラは、私たちが日々利用しているものであり、生活に密着していることから志望。福祉や労働行政により個人の人生にアプローチすることも考えましたが、最終的にはどこまで行っても明るい国土交通省の雰囲気に惹かれ、入省を決めました。
運輸局では、地域の公共交通の維持、発展に取り組んでおり、自治体や交通事業者の方と住民や観光客の方のニーズにあった交通体系の実現に向けた検討を行っています。在任中には、平成30年4月で廃線となるJR三江線代替交通の検討に携わりました。108kmという長大路線の廃線に直面した2県6市町と議論を重ね、1年をかけて代替交通の運行計画をまとめました。結果が出るのはこれからですが、皆に愛される魅力ある公共交通となったらうれしいです。また、広島市においては、バスの活力を向上させるための路線再編にも取り組んでいます。大都市と過疎地域、それぞれの課題に取り組むことで国として取り組むべき事が見えてきていると感じます。
中国地方は全国の中でも人口が広範囲に分布しており、特に中山間地や離島は高齢化が進展しています。通院、通学、買い物等の生活に必要なサービスを享受するため移動手段の確保が必要ですが、その担い手不足が深刻化しています。住みたい地域で暮らしていくために、どう環境を整備していくのか、地方自治体や事業者の創意工夫を生かすことができる制度設計を追求していきたいと思います。
幼少時代、コンクリートで固められた、水質も良くない川で遊ぶ我々親子に対し、橋上から冷笑された経験があります。場としての“環境”と、川で遊んではいけないという”雰囲気”を変えたいと思い、環境省か建設省(現・国土交通省)かを考える中で、「建設省には現場がある」という先輩のアドバイスをもとに入省を決意しました。
首都圏の治水・利水について大きな役割を担う八ッ場ダム建設現場にて、最盛期の本体工事と地域の生活再建・振興対策の全体マネジメントを担当しています。時間・空間双方の軸で広がりのある大規模プロジェクトに参画し、首都圏ひいては我が国を支えるという使命の中で、大きな責任と、それ以上のやりがいを感じています。1,000人規模の方々が働く現場の所長として、その環境づくりのために取り組んでいますが、プロジェクトを進めるうえで、関わる人みんなが同じ目標を持って、それぞれの役割の下に進めていくことが重要と感じています。注目を浴びているプロジェクト故に、多様な価値観、役割を持った多くの方々との関わりが生まれ、大きな刺激をいただいています。
“国土”という現場フィールドをお預かりしていることが国土交通省の強みです。地域が目指す将来に対し、自らの足でその課題を探し、あらゆる政策手段を考えながら「はたらきかけ」を行うことで、課題解決だけでなく、チャレンジへの反動(出来ないこと)が見えてきます。その反動に応えるため、地域、そしてこの国が“元気”になるための環境づくり、制度改正に取り組んでいきたいと考えています。
私は、高校生の時に父親を亡くした経験から、自分もいつ死ぬか分からないと思っており、自分の生きた証を残す舞台として、国家公務員ほどふさわしい場所はないという想いを持ちました。それは、国全体の制度をつくれるのが国家公務員の醍醐味であり、自分の関わった仕事が世の中に与える影響が大きいと考えたからです。制度をつくって、国民に与える影響を最も実感しやすいのは、日常生活に身近な分野を持つ国土交通省であると考え、志望しました。
大分県は陸・海・空の交通機関がありまずが、全てが県民の日常生活や経済活動に不可欠であるため、その維持・充実に関する幅広い業務を行っています。自分が立案した施策の効果をすぐに自分で確認でき、日々仕事のやりがいを感じています。例えば、大分空港に誘致した国際路線を、たくさんの乗客が利用する様子や、維持に努力したバス路線を、地元の高齢者や高校生が利用する様子を見ることは非常に嬉しいことです。国土交通省の施策は、地方自治体と連携して実施するものも多いため、地方の実情を肌感覚として知ることは重要だと思いますし、埼玉県出身で地方での生活経験のない私にとっては、非常に貴重な経験となっています。
日本の抱える構造的な課題である人口減少や少子高齢化が、じわじわと地方の日常生活や経済活動に影響を与えている現状に対して危機感を感じています。地方の実情や制度を利用する立場を肌感覚で知り得た知見を活かし、持続可能な交通ネットワークの形成や、地域に住み続けられるまち・インフラづくりについて、制度づくりを通じて貢献していきたいと考えています。
学生時代にJR全線を完全乗車するほど子供のころから乗り物が好きで、交通行政に携わってみたかったのがきっかけです。
現在、私は和歌山県に出向し、港湾・海岸・空港行政の責任者として港湾の運営や整備、南海トラフ地震津波対策、南紀白浜空港の活性化などを担当しています。中でも力を入れている仕事がクルーズ船の誘致です。クルーズ船は地域経済の活性化に大きく寄与することから、県ではこれまでも誘致活動を進めてきましたが、近年我が国に寄港する海外のクルーズ船が大幅に増加する中で、県内港湾の寄港実績は伸び悩んでいました。そこで、海外のクルーズ船が着岸できるよう既存施設の改良に着手するとともに、自らがリーダーとなり県庁内横断組織「クルーズ誘致促進チーム」を結成し、国内や海外での積極的なプロモーション活動を始めました。また、地域のおもてなしも大切であると考え、県内で協議会を設置し、クルーズ船で訪れるお客様に満足していただけるよう、関係者と議論を積み重ねています。このような取り組みが船社からも認められ、今年4月からコスタ・ネオ・ロマンチカが、来年にはダイヤモンド・プリンセスが県内に初寄港することになりました。ここに至るまでには相当な労力を要しましたが、マスコミなどでも大きく取り上げられ、地域の期待の強さを実感しています。
現在携わっているクルーズ船誘致の仕事では、地域の想いと世界のクルーズマーケット動向を肌で感じています。港湾が貨物だけでなく世界中の人が行き交う魅力的な空間となるような仕掛けづくりに取り組みたいと考えています。
社会資本整備は、その成果が目に見えるものであり、将来に亘って国民の生活や経済活動を支え続けるものと考え、そのような仕事に少しでも関わることができればと思い、国土交通省(旧建設省)に入省を決めました。
小学校の統合や市役所庁舎の移転に伴う跡地に保育園、地域交流センター、美術館等を集約的に整備する事業や駅前の低未利用地を民間事業者により活用を図る事業など、まちなかにおける定住や交流を促進するまちづくりに取り組んでいます。市の主要プロジェクトの一つに携われていることは大きなやりがいを感じています。人口減少による地域活力の低下等、市の直面する課題について、国土交通省の施策がどのように活用でき、効果を得られるのか、市職員の立場で検討段階から携われることは、大変貴重な経験です。
国土交通省では、多くの分野で地方公共団体のまちづくり等を支援していますが、そのことは地方公共団体の施策を通じて住民の日々の生活をはじめ、都市における様々な活動と密接に関わっていることを再認識できました。今後もそのことを常に意識しながら仕事に取り組みたいです。
幼い頃から交通やまちづくり、観光に関心があり、また、運輸省、建設省、北海道開発庁、国土庁が統合する中央省庁再編の決定もありましたので、「国家公務員になるのであれば、国土交通省に」という思いが強くありました。官庁訪問で訪れた人事課職員の方々が、活き活きと業務に取り組んでいたこと、その人柄に惹かれ、当時の運輸省に入省を決めました。
私はいま、バリアフリー化の推進に関する業務を担当しています。北海道運輸局では、困っている人を見かけたら、声を掛けてお手伝いする「心のバリアフリー」の大切さについて、高齢者や障がい者の擬似体験や介助体験を通じて理解を深めていただくための「バリアフリー教室」を道内各地で開催しています。より多くの方に「心のバリアフリー」を意識してもらうこと、それが私の現在の大きな課題です。北海道運輸局は、入省19年目にして初めての地方勤務になります。国土交通本省では、全国的もしくは国際的な視点で施策の立案等を進めることになりますが、地方機関では、本省で決定した方向性が、国民や事業者に与える影響について、直接、リアルな声に接することになり、非常に刺激的です。
現在の業務では、多様な分野の方々とお会いする機会があり、いろいろな話を聞くことで視野が広がる経験をしています。国土交通省は、暮らしに密着した、幅の広い様々な施策を所管するという特徴がありますが、幅の広い業務における、多様な分野の方々との出会いは、まさに財産であり、今後も人との出会い、繋がりを大事に業務に取り組んでいきたいと考えています。