盆栽の形
長年をかけて盆栽が発展していくうちに、数々の樹形が確立されていきました。これらの樹形は厳密に定義されているわけでなく、主に自然にみられる形を元に名付けられています。こうすることで、盆栽家に自由な発想する余地を残すことができます。また、樹形を無理に決める必要もありません。
直幹と模様木
これらの樹形は2つとも上に向かって伸びるタイプです。典型的な盆栽の形で、マツ科の木で作られた盆栽でよく使われます。直幹(英:formal upright)では一つのまっすぐ上に伸びた幹を形成させていきます。一方、模様木(英:informal upright)では幹をS型の形で上に伸びるようにし、樹冠に向けて細くなるように仕立てていきます。
吹き流しと懸崖
この二つの樹形は自然の過酷な一面を受け止める木を表現したものです。吹き流し(英:windswept)の盆栽のくねるような幹は強風に耐え忍ぶ木を思い起こさせます。懸崖(英:cascade)の盆栽も同様に、切り立った崖に垂れ下がる緊張感のある木を模したものです。この二つの樹形の盆栽には五葉松(英:Japanese white pine)も使われます。
根連なりと寄せ植え
根連なりとは一つの根から生えた複数の幹が根元でつながっている樹形で、それぞれの幹が互いに絡み合っているものもよく見られます。根連なりの樹形に育てられる木は限られていますが、その一つとして杜松(英:needle juniper)が挙げられます。一方、寄せ植えとは文字通り木々を互いに寄せて植える技法で、森の景色を表現するために使われます。