絵のように美しい蒜山三座の峰を背景に、なだらかに傾斜した丘が広がっている。この蒜山高原は、自転車で散策するのに快適な場所である。レンタサイクルが、あらゆる目的、また、あらゆる能力の人のために用意されている。マウンテンバイク、クロスバイク、ロードバイク、電動自転車、そしてタンデム自転車まで、様々な種類がある。
蒜山盆地は、すべての人に適した、約30キロメートルのサイクリング道路で囲まれている。このルートには、自転車専用道と、一般道路(通常、交通量は少ない)が設置されている。また、日陰で休める休憩場所や公衆トイレが複数設置されているので、家族のお出掛けにぴったりだ。休憩で止まることなく走り続けた場合、一周するのにおよそ2時間半かかる。しかし、このルートは、ハーブガーデンハービル、塩釜冷泉、ひるぜんワイナリー、ジャージーランドなど、地域で最も人気が高い多くの名所の近くを通過するため、自転車の旅はすぐに、一日がかりの冒険となり得るのだ。
経験豊富なサイクリストは、このエリアの難関コースの一つに挑戦するのもいいだろう。難関コースには、真庭を構成する近隣の地区をぐるっと一周するルート(100km)や、真庭をスタートし、隣接する鳥取県にそびえる大山の周りを回るルート(90.6km:このルートは、過酷なレース、ツール・ド・大山にも使われる)がある。
蒜山の静かな農村地帯を通って自転車をこぐサイクリストは、小さな地元の農場の生活の一端を垣間見ることになる。農場では、ジャージー乳牛が人懐こく、ゆっくりフェンスのところに歩いて来て、迎えてくれるかもしれない。ゆっくり時間をかけて楽しみたい人には、途中で小さなチーズショップに立ち寄ったり、路肩の売店で野菜を選んだりといった、素朴な気晴らしも用意されている。さらに、厳しい練習を目的に訪れる自転車競技の熱烈なファンの場合は、1日の練習の締めくくりとして、蒜山やつか温泉の風呂に入ったり、高原の湯の、健康回復に効果的なラドンの湯につかることもできる。
蒜山サイクリングサービスが運営する雪上自転車ツアーに参加すれば、冬であっても、自転車で蒜山を見て回ることができる。スタッド入りの太いタイヤは、大きな静止摩擦を有するので、氷で覆われた道路でもグリップを発揮することができる。ツアー参加者には、手付かずの雪で覆われた野原の上に霧を纏った峰がそびえ立つ、度肝を抜く光景が待ち受けている。
サイクリングは、蒜山の風景を楽しみ、その地方文化を体感する素晴らしい手段であり、1年を通して楽しむことができる。