
公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)において、公共工事の入札及び契約の適正化の基本となるべき事項としてダンピング受注の防止が明記されており、「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(平成13年3月9日閣議決定、令和6年12月13日最終変更)では、ダンピング受注の防止を図る観点から低入札価格調査の基準価格を適宜見直すこととされています。
また、各発注者による公共工事及び業務の発注関係事務の適切な実施のため、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号)第24条に基づき「発注関係事務の運用に関する指針」(令和7年2月3日公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議申合せ)が発注者共通の指針として定められており、同指針において、ダンピング受注を防止するため、国や他の発注者の取組状況を参考にしながら、適切に低入札価格調査基準又は最低制限価格を設定するなどの必要な措置を講じ、低入札価格調査制度又は最低制限価格制度の適切な活用を徹底することとされています。
ダンピング受注は、工事や業務の手抜き等を招くことによりその品質の低下が懸念されるほか、下請業者へのしわ寄せ、公共工事等(公共工事及び公共工事に関する測量・調査・設計をいう。以下同じ。)に従事する者の賃金その他の労働条件の悪化、安全対策の不徹底等につながりやすく、公共工事等の品質確保に支障を来すおそれがあるとともに、公共工事等を実施する者が適正な利潤を確保できず、ひいては建設業の若年入職者の減少の原因となるなど、担い手の育成及び確保を困難とし、建設業の健全な発達を阻害するものであることから、これを防止する必要があります。
このような意義や重要性に鑑み、国土交通省では、総務省とも連携して、全ての地方公共団体におけるダンピング対策の取組状況について「見える化」を実施するなど、各地方公共団体におけるダンピング対策の取組を促進しています。
【工事】
令和6年度(令和7年3月31日発表)
令和5年度(令和6年3月29日発表)
令和4年度(令和4年11月1日発表)
令和3年度(令和3年10月13日発表)
【業務】
令和6年度(令和7年3月31日発表)
令和5年度(令和6年3月29日発表)
令和4年度(令和5年12月1日発表)
令和3年度(令和4年8月1日発表)
建設業の担い手を確保するためには、現場で働く技能労働者の処遇改善が不可欠であり、適正な労務費の確保・行き渡りを図るべく、令和6年6月に第三次・担い手3法が改正されました。
公共工事においては、その完全施行の日から、入契法第12条及び第13条の規定により、公共工事の入札時に応札者は、労務費等が明示された入札金額の内訳を提出し、公共発注者は提出された書類内容の確認等必要な措置を講じなければなりません。
公共発注者は入札金額の内訳の記載内容を確認することになりますが、労務費等の適正性を調査する方法の1つが「労務費ダンピング調査」です。
本ガイドラインは、「労務費ダンピング調査」の対象となる内容の概説や、使用する入札金額の内訳の事例及び具体的な実施方法についての留意点をまとめたものです。
労務費ダンピングを防止するための公共発注者向けガイドライン(令和7年12月公表)
労務費ダンピングを防止するための公共発注者向けガイドラインに関するよくあるご質問を令和8年1月8日現在でまとめたものです。
Q 入契法第13条に基づく内訳書の確認は具体的にどのような内容か。
A 確認方法に法令上の規定はありませんが、官積算と比較する、異常値がないか確認する、不備がないか確認する、といった方法も考えられるところ、各発注者が必要と判断する措置を講じていただきますよう、お願いいたします。また、「労務費ダンピングを防止するための公共発注者向けガイドライン」(以下「ガイドライン」という)を作成しておりますので、ご参照の上適切にご対応いただきますようお願いいたします。
Q 内訳書に労務費等の記載漏れがあった場合、無効にしなければならないか。
A 入札段階で記載漏れがあった場合の契約上の取扱いについて、法令上の規定はないため、法施行により即座に入札結果に直結するような運用となるわけではありません。
また、「無効等」とする規定を設けるか否かは発注者ごとに判断が可能です。
各発注者において、法施行後直ちに「無効」とする規定を置くことに不都合がある場合、経過措置を設ける、施行後一定の期間が経過したのちにそのような規定を置くという運用を行うことは差し支えありません。
Q 国交省直轄工事において、内訳書に労務費等の記載漏れがあった場合、どのように対応するのか。
A 記載漏れがある場合、又は様式間違い等により事項の欄がない場合は原則として無効の入札として取り扱います。
ただし、令和8年3月31日までに入札手続を開始する工事に限り、材料費、労務費、法定福利費、建設業退職金共済契約に係る掛金、安全衛生経費について、記載がない場合、暫定的に無効としないこととしております。
参考資料:直轄工事における工事費内訳書への労務費等の記載について
Q システムから内訳書の様式を出力しているが、システム改修まで対応しなくてもよいか。また、ガイドラインや内訳書通知で示された様式例と異なる様式を定めてもよいか。
A 必ずしもシステム改修を求めるものではありませんが、システム改修を行わない場合であっても、別紙や欄外で対応するなどにより、必要な記載事項が明示できるよう、ご対応をお願いいたします。また、法定の記載事項が記載される様式であれば問題ございません。
Q 落札候補者のみに労務費等を記載した内訳を提出させる運用は問題ないか。
A 入契法上は全ての応札者に内訳の提出を求めていますが、各自治体の判断で上記のような運用とした場合においても、可能な限り早く全ての応札者へ提出を求める運用へ移行をお願いいたします。
Q 入契法第12条のその他当該公共工事の施工のために必要な経費とは何か。
A 規定はございませんが、共通仮設費や現場管理費などが考えられます。
Q 労務費ダンピング調査を実施する必要があるのか。
A 建設業の担い手を確保するためには、現場で働く技能労働者の処遇改善が不可欠であり、適正な水準の労務費の確保が重要です。この趣旨を踏まえ、発注者が入札金額の内訳の記載内容を確認する際、労務費等の適正性を調査する方法の1つが労務費ダンピング調査です。本調査を行わなかった場合でも直ちに入契法違反とはなりませんが、第三次・担い手3法の趣旨を踏まえ、ダンピング対策の強化として取り組んでいただきたいと考えております。
Q いつまでに労務費ダンピング調査を実施しなければならないか。
A 期日はありませんので、準備が整い次第実施いただくようお願いいたします。
Q “一定水準”について、労務費ダンピング調査の趣旨を損なわない範囲を具体的に教えてほしい。
A 各現場の実態に応じて異なると思われ、一概にお示しすることはできかねますので、各発注者にてご判断いただきますようお願いいたします。
Q 対象工事は適宜選定とあるが、何件実施すればよいか。
A 当面の間は各自治体の実情に応じご検討ください。なお、今後、労務費ダンピング調査に関するフォローアップの調査等を行う予定です。
Q 一定水準を下回る場合の理由の確認は任意か。
A ガイドラインでは、理由の確認を行う手順としております。
Q 当自治体は低入札価格調査制度を中央公契連相当以上の水準で既に運用しているので、労務費ダンピング調査について新たに行わなくてよいという理解で良いか。
A 労務費ダンピング調査は、「労務費への皺寄せを防止する」という第三次・担い手3法の趣旨を、公共工事において徹底する考えから、入契法第12条の改正と、13条規定を踏まえ国交省が提案するものです。
通常の低入札価格調査制度では、入札金額の総額しか確認できず、労務費への皺寄せ防止という改正法の趣旨を踏まえた対応ができていないと考えられますので、低入札価格調査制度を実施している団体についても労務費ダンピング調査の実施をお願い致します。