「建築・都市のDX」は、(1)3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」の推進(都市局)、(2)建物の3次元データBIMを活用した建築確認(住宅局)、(3)不動産を一意に特定する不動産IDの整備(不動産・建設経済局)及び(4)筆界データのオープン化に資する地籍整備の推進(政策統括官)を一体的に推進するものです。各取組については、以下のとおりです。
(1)PLATEAU
日本全国における「3D都市モデル」の整備・活用を推進し、誰もが自由に使えるオープンデータとして提供する取組です。
「3D都市モデル」は、現実の都市空間をデータ上で再現した3次元のデジタル地図であり、都市活動のプラットフォームデータとして、地方公共団体が有する既存のデータを組み合わせて整備されます。
建築物の用途や建築年、都市計画決定情報、災害リスクといった都市空間の属性情報をもち、まちづくりや防災、環境などの様々な分野におけるシミュレーションや計画策定へ活用することができます。
地方公共団体や民間企業、学生やエンジニア等の多様な主体の取組みを後押しし、整備・活用・オープンデータ化が自律的に発展していくエコシステムを構築し、新たなサービスの創出やまちづくりDXを実現してまいります。
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PLATEAUウェブサイト
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PLATEAU VIEW
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PLATEAU 補助ポータル
(2)建築BIM
デジタル空間で「建築物を構築する」システムです。3Dの形状だけでなく、材料やコストなどの情報が管理されていて従来の「2D図面」に代えて、建築生産・維持管理の場面で建築BIMを活用することによる情報の「見える化」につながります。高度なシミュレーションで建築設計を最適化することができるため「業務の効率化」を図ることができ、また、一元管理された情報を有効活用することによって「建築物の質の向上」が図られます。社会全体で建築データが活用される未来を目指すため建築BIMの整備に取り組んでまいります。
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建築BIMのページ(国土交通省)
(3)不動産ID
不動産について情報連携等を行う際、住所等の“表記ゆれ”が支障となります。「不動産ID」は、全国の不動産それぞれに番号を付与し、不動産IDを連携キーとして用いることにより、各不動産情報の名寄せや連携をスムーズに行えるようにするものです。不動産IDが連携キーとして活用されることで、BIM・PLATEAUと連携した「建築・都市のDX」の推進が期待されています。
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不動産IDのページ(国土交通省)
(4)地理空間情報の整備
地理空間情報とは、「いつ・どこで」といった位置や時間等の関連情報から形成される情報で、位置を有する財である不動産や国土の把握・分析と親和性があります。特に、国土に関する基礎的な情報を全国単位のGISデータとしてオープン化する国土数値情報は、EBPMに基づく行政課題の源泉になるとともに、各種計画策定、ビジネス、学術研究等、産学官で活用されており、より一層の充実化に取り組んでいます。また、迅速な復旧・復興や円滑なまちづくり等に不可欠な地籍調査を推進し、土地の境界の明確化を図ることで、重要な地理空間情報の1つとして土地の基礎的なデータの整備を行っています。他にも、不動産に関するオープンデータを利用者のニーズに応じて地図上に表示する「不動産情報ライブラリ」を2024年4月1日に公開し、円滑な不動産取引の促進を図っています。
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国土数値情報ダウンロードサイト
・地籍調査webサイト
・不動産情報ライブラリ
これにより、第一に、高精細なデジタルツインを構築します。「PLATEAU」とBIMを連携させた屋内外シームレスな都市の3次元デジタルツインにおいて、各不動産に不動産IDを付与することにより、当該不動産に関する多様なデータを紐付けることができます。さらに、このデジタルツインに筆界データを導入することにより、筆界単位で管理されているデータも連携します。当該デジタルツイン上において、3次元防災シミュレーション等の高度なシミュレーションを行うことにより、その結果を現実世界のインフラ整備等に反映させることが可能となります。
高精細なデジタルツインの構築(防災の例)
●洪水時の避難ルートを可視化 ●周辺エリアの建物を築年数別に色分け表示し、地震で倒壊の恐れがある危険な場所を把握。虎ノ門ヒルズから日比谷公園までの避難経路を確認。
●品川駅北周辺地区の3次元都市モデルを活用し、避難誘導・計画を高度化
第二に、建築・都市分野の多様なデータを連携するための環境を構築します。「PLATEAU」等の個別の取組が進むことにより、例えば「PLATEAU」が有する建物名称、建築年、都市計画に関する情報等、建築・都市分野の多様なデータが蓄積されます。これらのデータを機械判読可能な形で連携することにより、AI分析や統計分析を行い、意思決定に資するインテリジェンスを得ることができます。
情報連携環境の構築イメージ画像