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委員長記者会見要旨(平成25年3月27日)

平成25年3月27日(水)14:00~14:45
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の後藤でございます。ただいまより、3月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、事故調査の進捗状況報告として、航空の案件を1件、勧告に基づき講じられた措置として、引船第十二喜多丸転覆事故に係る完了報告、アクションプランの新たな取り組みとして船舶事故ハザードマップについて、ご報告いたします。

1.事故調査の進捗状況報告

(1)全日本空輸(株)所属ボーイング式787型重大インシデント関連

 はじめに、1月16日に発生しました全日空の高松空港における重大インシデントについて、現在までの調査状況をまとめましたのでご報告します。資料1をご覧下さい。
 ページ数が多いので、既に皆様がご承知と思われるところやデータは後ほどご覧いただくことにしまして、ポイントを、お手元の資料を使いながらご説明したいと思います。
 スライドの4ページ目に本重大インシデント調査の概要をまとめてあります。既にご承知と思いますが、担当調査官を7名とし、また、専門委員1名をお願いしております。また、米国、フランスが調査に参加しています。
 スライドの5ページ目に、これまでに判明した主要な事実関係を図にまとめております。ご承知のように、色々な構成品が外国製であり、調査が様々な場所で行われました。今までに行った調査の状況を示しております。
 スライドの7ページ目からしばらくバッテリーについての説明が続きます。13ページからはメインバッテリーの損傷状況を示しています。14ページにはCTスキャン、15ページにはメインバッテリーの外箱を展開した後の様子を示しています。
 16ページ目からは、セルの損傷状況を示します。20ページ目をご覧下さい。セルの損傷状況を図にまとめております。黄色い印は電気アークが飛んだ形跡のある箇所、赤い両矢印は穴のある箇所を示します。ご覧いただいて分かるように、電気アークが飛んだ形跡は複数あります。また、穴についてですが、セル5のような小さな穴や、セル3のようにケースの大きな破損があります。
 22ページ目には、コンタクターの分解調査の様子を示します。上の写真で分かりますように外観は黒くなっており熱による損傷を受けていました。下の写真がコンタクターの主接点部です。異常な大電流が流れればここに何らかの痕跡が残るものと考えられますが、特段の痕跡はありませんでした。23ページ目はバッテリー監視ユニット(BMU:Battery Monitoring Unit)ですが、黒くなっており損傷しております。
 24ページ目に、バッテリーの外箱と蓋の分析の様子を示します。外箱にはアーク等の痕跡は見あたりませんでした。バッテリーの蓋の裏面に付着した物質の成分分析を行いました。赤丸の部分はセル3正極端子上部になりますが、その部分には真ちゅうの成分である亜鉛が見つかりました。セル3の正極端子には本来あるべき真ちゅう製のボルトが判別できませんでした。ボルトが高温になって溶けたため亜鉛がここに付着した可能性があります。
 26ページ目以降にAPUバッテリーの状況と、そのほかのバッテリーの調査の状況を示します。いずれも特段の異常は見られておりません。
 30ページ目以降に関連する各機器の調査状況を示しております。34ページにまとめておりますように、現段階では特段の状況は見られておりません。現在も調査を続けているものもありますので、引き続き調査を進めます。
 資料には飛行記録データを示しました。メインバッテリーの電圧の変化については、31Vから11Vに下がりその後上下するという複雑な経過をたどっております。調査で判明した損傷したバッテリーの状況と記録されたバッテリーの電圧等の値の経過、その他の情報を合わせ、事象がどのような時系列で進行したかを明らかにしていきたいと考えています。
 39ページ目にこれまでに判明した事実をまとめております。1つめは、DFDR記録によれば、メイン・バッテリー電圧は、約10秒間で31Vから急激に低下した。2つめは、バッテリーには熱暴走が見られた。3つめはセル3の正極端子付近の損傷が激しかった。4つめは、メイン・バッテリー・ケースの外側及びコンタクターに、各部が溶断するほどの大電流が流れた痕跡は見つかっていない。5つめは、メイン・バッテリー外箱の内部及び外箱アース線付近で、大電流が流れた可能性が考えられる。
 このように状況はだいぶ明らかになって参りましたが、まだ調査は継続中であり、現時点では、根本的な原因の解明には至っておりません。40ページ目に今後の調査事項を示しておりますが、今までに収集した調査資料の分析を進めていくほか、バッテリーシステムの親和性の調査、バッテリーの認証経緯に関する調査を引き続き行っていきたいと考えております。
 今回は、資料編も含めた大冊でありますので、この後事務方からも説明させたいと思います。

(2)その他の調査の進捗状況

 次に現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、ご報告いたします。説明は省略させて頂きますが詳細は、資料2をご覧下さい。

2.勧告に基づき講じられた措置

(1)引船第十二喜多丸転覆事故関係

 次に、勧告に基づく措置の状況について、完了報告がありましたので、ご紹介いたします。
 平成23年9月19日に発生した引船第十二喜多丸転覆事故についてでございます。資料3をご覧下さい。
 本事故は、石川県輪島市輪島港において、第十二喜多丸が、第八喜多丸と共に巡視船みうらの出港支援のえい航作業中に転覆し、乗組員2人が死亡したというものです。
 本調査結果につきましては、平成24年11月30日に調査報告書を公表するとともに、原因関係者である海上保安学校及び株式会社喜多組に対して勧告を行いました。
 今般、海上保安学校から、勧告に基づく措置の状況として、「海上保安学校乗船実習安全管理推進本部規則」を制定し、学校長の指揮の下に学校全体として安全な乗船実習の実施に取り組む体制を構築した旨の完了報告がありました。
 また、株式会社喜多組からは、勧告に基づく措置の状況として、えい航フックの点検、整備、操作訓練を行い、乗組員に対してえい航作業時の救命胴衣の適切な着用方法を指導した旨の完了報告がありました。
 これらにつきましては、勧告の内容を反映したものになっておりますが、海上保安学校及び株式会社喜多組においては、今後とも引き続き、より一層の安全性向上に努めていただきたいと思います。
 原因関係者への勧告は、事故の再発防止や被害軽減のために講ずべき措置の実施を求めるものであり、それらが確実に実施され、安全性の向上につながっていくことが肝要であると考えております。
 今後とも、当委員会としてはこのような取組みを重ねてまいりたいと思っております。

3.船舶事故ハザードマップについて

 運輸安全委員会では、3月15日に第4回の業務改善有識者会議を開催し、アクションプランの実施状況をご説明しました。有識者委員の先生からは、業務改善に着実に取り組んでいるとの評価をいただいております。
 新たな取り組みとして「船舶事故ハザードマップ」についてご説明したところ、高い評価をいただきました。この船舶事故ハザードマップについて、本日、手元の資料4で説明させていただきます。
 運輸の安全のさらなる向上のため、地図上に過去の事故を表示させるのみならず、その海域が抱える危険性、リスクについて、事故の発生場所に重ねて表示させる「船舶事故ハザードマップ」を作成しております。
 インターネットに接続できるパソコンをお持ちの方であれば、どこからでも(地球の裏側からでも)アクセス・ご利用いただけます。
 お手元の資料の1ページ目は、最初に表示される画面です。右側が事故情報等を検索する項目です。
 検索項目を入力し表示ボタンをクリックすると、それに従った情報が地図上に表示されます。
 2ページ目にイメージ画像を用意しております。仮に「瀬戸内海」と検索項目で入力し、検索した場合、このような表示がされます。
 全ての事故が表示されているため、このような画面になりますが、例えば、事故の種類で衝突、乗揚等、船舶の種類で大型貨物船、漁船、プレジャー等といった条件を設定し、絞っていくことができますので、利用者の用途に応じて、必要な情報を提供することが可能となっております。
 また、地図上に表示されている船舶事故のマークをクリックしていただきますと、事故に関する教訓などの情報を簡潔に説明する吹き出しが表示されます。さらに事故について詳しく知りたい場合は、実際の報告書にリンクを貼っておりますのでそちらを見ることができます。
 さらに船舶事故は、大型船の交通量、気象・海象の要因が少なからず関与していますので、これらの情報も事故情報に重ね合わせてハザード情報として表示できます。
 例えば、お手元の資料の青い線の中にある点線は、大型船が通航する航路を表しております。
 赤い線の中にある晴れと曇りのマークは気象情報を表しており、クリックするとその場所のリアルタイムの気象情報を表す気象庁のページへリンクします。
 他にも、漁場や漁法の情報も事故情報と重ね合わせて見ることができます。
 このハザードマップの利用方法はいろいろあると思います。
 例えば、まず、操船者が、出航前に自分の航行する海域の危険な場所を確認することができます。また、過去の事故の経過や教訓が分かりますので、船主さんや船舶管理会社において、船員に対する安全研修・教育で利用されたり、漁協など水産業の関係者が行う安全講習会等で利用していただくことも考えられます。
 私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

4.質疑応答

(全日本空輸(株)所属ボーイング式787型重大インシデント関連)

問: 資料の20ページに、バッテリー内部でアークを示していますが、このアークというのは基本的にどんな風な状態なんでしょうか。
答: 火花が飛びますよね。それを考えて頂けると良いと思います。例えばセル5とセル6の間ではアークが発して赤いところに穴が開いた。この穴は19ページの下の写真のようにセル5の、セル6側が穴が開いていたということがわかります。こんな風にアークが飛んで穴が開いているわけです。

問: コンタクターの方に大量の電流が流れた跡がないということですから、外部から大量の電流が流れたという形跡は見当たらなかったという考えでよろしいでしょうか。
答: 外から流れ込んだということではなく、どこに流れていったのか、外箱のアースのところに流れていってアースが切れておりますので、そこに流れたということがわかります。通常は内部の電池と外箱は接触しないようになっていますが、箱の中で変異があって接触して電流が全部そこへ流れたと思っております。

問: コンタクターの方を通さずに電流が内部に流れるということはあり得るんでしょうか。
答: 内部ではなくて外のアースの方に流れています。

問: 外箱の方にも流れたという形跡は。
答: 外箱に流れないとアースの方に流れません。5ページに模式図があります。一番下の右側にアースがありますが断線しています。これは大電流が流れて切れたものと考えられます。上の本来流れるべき方には流れていないと思われます。大電流が流れた形跡がないということはそういうことを申し上げているわけです。

問: 内部の方ももちろん大電流は流れていると。
答: 流れている可能性があると思います。

問: ボーイング社が、先日、787の改善措置を記者発表しまして、その際に、過充電はないんだというようなことを言っていましたが、そこら辺のところは運輸安全委員会としてはどの様にご覧になっているのでしょうか。
答: 現在、調査中でボーイング社の改善措置についてコメントする立場にありません。

問: 今のところバッテリー以外の周辺機器の方で異常は見つかっていないということでしょうか。
答: そういうことです。ボーイング社は、過充電とはオーバーチャージのことを言っておりまして、我々はボーイング社のルートコーズについてコメントする立場にはないんですが、ボーイング社もルートコーズはひとつだと絞り込んでいる訳ではなく、オーバーチャージ、オーバーディスチャージとか色々なものをあげているわけです。その中で、バッテリー自体が、例えば40ボルトとか、非常に高い電圧までオーバーチャージした可能性はないだろうという風に、ボーイングは言っているわけです。ルートコーズを80ぐらいに絞り込んでいるわけですけど、我々はそれについて特にコメントする立場にありません。それからもう一つ、先程の大電流の話ですが、39ページにまとめてあります。39ページの4にメインバッテリーケースの外側及びコンタクターに各部が溶断するほどの大電流が流れた痕跡は見つかっていない。これが今回の発表です。それと、コンタクターは5ページをご覧ください。電流は、1番のセルからまず入って、8番の方に出て行って、8番の方はプラスなんですけど、8番のプラスからコンタクターに出て、それからBDMにきて、ホットバッテリーバスに流れる通常のルートなんですが、その通常のルートであるコンタクターに大電流が流れたことはないというのが4になります。39ページの5に戻りますが、メインバッテリー外箱の内部及び外箱アース線付近で大電流が流れた可能性が考えられるということなんですが、元々、バッテリーの外箱の内部に大電流が流れるものでもない、それから外箱アース線にも大電流が流れるものではないけれども、結果としてメインバッテリーのバッテリーボックスの中で大きな電流が流れた、アーキングが発生したとか、それから恐らく2次的に外箱のアース線から外に、大きな電流が流れた可能性があるだろうというのが5番です。今言ったことをまとめたのが39ページの4番5番です。

問: コンタクターに大電流が流れた、通常の電流が流れる方には、大電流の跡というのはなかった。そういうことしか言えないということですか。
答: そうですね。DFDRに記録されているのは、5ページの図で、HBBと書いてあるところの下の辺りの値を測っているわけです。DFDRの記録をご覧になりますと、時間で205700の辺りで31ボルトから11ボルトに下がっています。それから上下しておりますけど、この11ボルトのところに最後収まっていくわけです。何故11ボルトで全部流れ切ってしまってないのかということですが、この前説明したとおりAPUバッテリーの配線とこの配線は繋がっていて、APUバッテリーの電圧が下がりながらここまできて、最後は電圧が残っていたと考えております。

問: 電気の流れの確認ですが、5ページの図では、外から入って1から順番に行って、8に行ってからコンタクターを通って抜けていくと。
答: そうですね。コンタクターの先に三角形で書いた、ダイオードがありますね。ここは逆流を防いでいます。三角形の方向しか流れない。色々調べてみるとどうもこちらには大電流が流れた形跡がないと、今のところは考えています。

問: 出て行く側の方でいうと大電流が流れた形跡はないと。これは入りはメインバッテリーの中に大電流が入ってきた可能性はまだあるんですか。
答: メインバッテリーは充電中だったわけですが、電圧はDFDRを見るとずっと31ボルトで一定になっています。ですから、電流が流れ込んだ形跡はたぶん無いだろうと思われます。
今のところそういう証拠は見つかっておりません。5ページの図を見て頂くとわかるんですが、1のバッテリーセルがちょうどアースしておりまして、ここがボルト数で言うと0ボルトになってます。それから段々ボルトが上がってきて8で32ボルトに大体達するんですけど、31、2ボルトの電流がですね、電子の流れは逆なんですが、コンタクター、それからBDM、ホットバッテリーバスを通じて電流が供給されて、それからその先色々な負荷、電力を使うような色々なものの負荷に繋がって、最後にまたグランドアースに戻って、それが電気が循環する形になっています。一方、BCU、バッテリーチャージャーユニットはバッテリーに対して充電をする役目をしているんですが、今のところバッテリーチャージャーユニットから何か異常な充電が起こったとか、そういうような証拠は見つかっておりません。
気を付けて頂きたいのは、この状態が起こったときに、主電源として外に向かって電気は使っていません。あくまでも充電中で繋がっているのは充電器だけです。

問: 充電器から電池の中に補充していたと。
答: そうです。そこだけなんです。

問: 充電器から電池には大電流というのは流れていない。
答: 充電器は充電をしていたわけです。合計ボルト数はDFDRのデータからも32ボルトを超えていませんので、それからも、いわゆる過充電の証拠は見つかっておりません。

問: バッテリー内部に何か問題があって大電流がそこで発生したという可能性と、もうひとつはこの設計図以外というか今わかっているもの以外に、何かメインバッテリーに繋がっている配線がある可能性があると、そういうことですか。
答: これはありません。この中で我々今、どういう風に事案が起きてるかということを考えております。もうひとつ、始まりがどこだったかという論点があろうかと思いますが、これはまだわかりません。20ページの図、色々アークが起きているという箇所を示しておりますけど、それが事の発端だったのか、それとも損傷のプロセスが進む中でそれが起きていったのか、まだ定かではないので、そこを詰めていきたいと考えております。

問: 始まりが何かはわからないけど、電池の、メインバッテリーの内部で何かしらの問題というか不具合が起きていた可能性があって大電流が起きたということですね。
答: それは確かです。

問: 今の言い方ですと、もう既に外部からの、充電器以外の回路がない場合は、もう明らかに可能性としては何らかの不具合が内部であって、大電流が発生した。
答: それが一つですし、充電器との干渉がなかったかと、それも一つ考えなければならないと思っています。

問: それ以外の回路がないのでしたらその可能性が高いということは言い切れないんですか。
答: ですから二つしかないですね。内部だけの問題か、充電器との干渉の問題か。我々はボーイングのルートコーズについて云々する立場ではないんですが、彼らはもともと100くらいのルートコーズを考えて、それを現在80からもうちょっと絞り込んでいる、その中にはですね、今言われたようなものあるし、他の色々なものもあるわけです。それから外部の干渉のようなものもある、それから信号のやり取りなども。我々としては今日お示しした事実しか判明しておりません。起きた現象はわかっているけど、一番最初に起こったことが何かということがわかっておりません。それから、一番最初に起きたのがバッテリーの中であることは可能性として高いのですが、バッテリーの中での事象について何がどの様に起きたのか、それはわかっておりません。これはNTSBも、2月9日にボストンの件について発表したのもですが、第6番セルの内部短絡が発端であるということをいっていますが、NTSBも、それが根本原因とは言ってなくて、そもそも熱暴走を起こした根本原因は、例えば充電と放電のサイクルとか、色々な環境とか、色々な要因を挙げていて、彼らも色々な可能性を追求しているところです。我々も高松の件について何か一つの原因に特定しているわけではありません。今日お示しした現象からどういうような根本原因が導き出されるか、今検討している最中です。

問: ボーイングは一つの可能性として、過放電がおこった可能性があると言っていましたが。
答: 過放電だとどこに電流が流れたかはっきりしないといけないのですけれども、その記録がないんです。DFDRの記録では放電なんです。31ボルトの後11ボルト、本来はたぶん0ボルトになっていくんです。流れていって、それが多分アースの所に行ってアースが加熱して焼け切ったのです。ボーイングが言っている過放電というのは、バッテリーはあるボルト数以下まで落ちると、充電器(バッテリーチャージャーユニット)から充電を始めるわけです。ですからバッテリーがある一定のボルト数以下に落ちるわけはないのですが、それがある一定以上に落ちてしまって、そこから再充電を始めるとバッテリー自体が疲弊する可能性があると、そういう意味でオーバーディスチャージ、バッテリーが過放電が起きた可能性があって、それがルートコーズの一つではないかと、彼らは言っている。そういう意味です。

問: 20ページでアークが飛んだあとが複数示されていますけれど、アークが飛んだことの意味は、これは内部のショートと関係してくるのですか。
答: ショートとは違うのではないでしょうか。何らかの、アークという形で電気が流れたのは間違いないですが、どうして流れたかは分解して調べましたが、まだ分析中です。このアークは、セルの外箱、これも金属のバーなんですけれど、クロスバーの間の部分で電気的なアークが飛んだということなので、ここに電気的な流れが生じたと、事実関係としてそういうふうに考えています。

問: なぜ、それが飛んだのか、電圧が高まってとか。
答: そこはまだ結論づけしていないですけれども。事実関係として、こういう電気火花が飛ぶということは電気的な電圧の差というのがあった可能性は考えられるということです。

問: セル5とセル6の間とかセル6とセル3の間も飛んでいますけれど、これは何が言えるのですか。
答: それがまさに放電なんです。つまりセル5とセル6ではセル6のほうが、電圧が高いわけです、本来ならば。最後のセル8までいくと、31とか32ボルトになるわけです。だんだん直列で増えていきますから。本来は流れないところに電流の経路ができてしまった、それは空間を飛んでいますので、それをアークと呼びます。

問: 穴があいているところとアークが飛んでいるところが重なっていますけれど、アークが飛んだから穴が開くわけではないですよね、穴があいたからアークが飛んだということですか。
答: わかりません。アークが飛んで穴があくのではないですかね。つまりそういうエネルギーの流れがあったわけです。

問: ステンレス製のセルケースに穴をあけるほどの力があると。
答: 溶かしたんです。

問: セルにあいていた小さな穴というのはアークが飛んだことであいた穴ということですか。
答: おそらくそうだと思います。

問: まだ原因が、今日のお話のように全く分かっていない。JTSBだけでなくNTSBのほうも同様な状況の中で、先日ボーイングが運航再開まで数週間以内という話を社長がされてましたけれども、そのことに対しまして、原因究明が進んでいない中で、運航再開という方向に向かっていることについて、委員長、どのようにお考えでしょうか。
答: その点についてはJTSBとしては何も申し上げることはできません。

問: NTSBの委員長が、この間の会見について、本来我々が、NTSBの方が把握していることを越えたような話をボーイングがしていると不快感を示すような発言をされていますけれど、そのあたりいかがですか。
答: ノーコメントとさせていただきます。

問: 調査の見通しについてはいかがですか。
答: 我々としては、運航者としての判断とは別に、どちらかというと学問的にきちんと調べて何故こういうことが起こったかはっきりしないことには、納得ができないと思っています。その点がルートコーズがわかるように調査をしたいと思っています。その見通しがつくのがいつかということは何とも申し上げられません。時間がかかると思います。

問: ある程度絞り込みは進んでいるといってよいのでしょうか。
答: そこまでは申し上げられません。現在調査中であるという理解です。それが解明されるまでどのくらいかかるかというと、今のところ何とも申し上げられません。

問: 先ほどの原因の可能性として、バッテリーと充電器の干渉の話がありましたが、干渉の意味合いがよくわからないところがありまして、干渉というのはどういうことを念頭に置いているのでしょうか。
答: それは、つまりどういうふうな充電の仕方をしていたかということだと思います。充電器そのものも扱ってみないと分かりません。アメリカ製の充電器と日本製のバッテリー本体がどういうやり取りをしていたのか、その辺を少し詳しく調べないといけないと思っています。

問: 電圧を見る限りでは、オーバーチャージではないとすると、それでも充電の問題、充電器とのマッチングの問題というのはどのように考えたらよいですか。
答: その辺は詳しく申し上げられませんけれども、どういう充電の仕方をしているかということは、やはりきちんと調べなければいけないと思っています。

問: 充電の仕方によって、オーバーチャージでなくともバッテリーに何かダメージを与えてしまうことはあり得るかも知れないと。
答: 色々な充電の仕方というのを少し考えてみなければいけないと思っています。どういうやり方で充電をしているのかということをきちんと調べないと、その辺の差異がわからないということになります。その辺を含めて今後、調査の対象にしたいと思います。

(北海道動力滑空機墜落事故関連)

問: 先週、北海道の十勝西部の山中に2人乗りのモーターグライダーが墜落しましたが、これから本格的な調査をされると思いますけれども、今のある材料の中で、原因についてどう考えておりますか。
答: 何とも申し上げられません。現場に雪が積もっていて近づけないのです。亡くなった方お二人は警察の方が運び出したのですけれども、機体については手の着けようがないので、しばらくは待ちましょうということで、現在何も情報を得ていません。

問: 今後のスケジュール感としてはいかがですか。
答: 雪が解けだす5月ごろまで待たないといけないかという気がしています。

資料

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