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委員長記者会見要旨(平成28年7月26日)

平成28年7月26日(火)14:00~14:15
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、7月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、3モードにおける事故調査の進捗状況一覧と、運輸安全委員会年報2016の発行についてご報告させていただきます。

1.事故調査の進捗状況報告

 はじめに、「調布小型機墜落事故」及び「旅客フェリー さんふらわあ だいせつ火災事故」につきましては、今月で発生から1年を迎えますので、調査の進捗状況につきまして、冒頭申し上げます。

(調布小型機墜落事故関連)

 調布飛行場を離陸した小型機が、調布市の住宅街に墜落した事故について、本日で発生から丁度1年となります。この事故で、住民の方1名、搭乗者2名の方が亡くなられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 運輸安全委員会では、事故発生直後から事故調査官を現地に派遣し、調査を行ってきました。
 具体的には、
 ・ 現地及び回収後の機体損壊状況の確認
 ・ 搭乗者、事故関係者等からの口述聴取
 ・ 関係書類の収集及び確認
 ・ エンジン及びプロペラ等の分解調査
 ・ 画像、映像及びエンジン音などからの飛行解析
などの調査を行ってまいりました。
 エンジン及びプロペラ等については、米国に送り、米国の国家運輸安全委員会(NTSB)、機体・エンジン等のメーカー等とともに分解調査を実施し、NTSBより、「エンジン等の不具合の発生の可能性は確認されなかった」との報告を受領しました。
 画像、映像及びエンジン音などからの飛行解析については、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の専門家(舩引浩平(ふなびき こうへい)氏)を専門委員に任命し、調査を進めてきました。
 現在、これらの調査内容に基づき、委員会において調査報告書案の審議が開始されたところであります。
 なお、今後、委員会において複数回にわたる審議が行われますが、運輸安全委員会として、できる限り早期に報告書が公表できるように努めてまいります。

(苫小牧カーフェリー火災事故関連)

 次に、旅客フェリー さんふらわあ だいせつ火災事故についてですが、昨年7月31日に発生し、乗組員1名の方が亡くなられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 運輸安全委員会では、事故発生直後から事故調査官を現地に派遣し、調査を行ってきました。
 具体的には、
 ・現場調査
 ・関係者からの口述聴取
 ・関係資料の収集
などの調査を行ってまいりました。
 出火元の特定及び出火原因に関する調査については、科学警察研究所の専門家(渡邉憲道(わたなべ のりみち)氏)を専門委員に任命し、調査を進めてきました。
 現在も、必要な追加調査を継続して行い、調査結果、収集した情報などについて、整理し、検討及び分析を行っている段階です。
 今月で事故発生から1年の節目を迎えるわけでありますが、引き続き、出火元の特定、出火原因の究明等について調査する必要があります。このため、最終的に報告書をとりまとめるまでに時間を要することが見込まれることから、再発防止や被害の軽減に役立つような事実関係については、できる限り速やかに経過報告を行いたいと考えております。

(進捗状況一覧)

 続きまして、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況についてですが、説明は省略させて頂きますので、詳細は資料をご覧ください。

2.運輸安全委員会年報2016の発行について

 本日、「運輸安全委員会年報2016」を公表しましたので、ご案内いたします。
 お手元に年報を配付させて頂きましたのでご覧下さい。
 本年報は、昨年1年間の当委員会の活動状況の全般を簡潔に取りまとめたものです。印刷物としてだけでなく、当委員会のホームページから、全文ダウンロードできますので、多くの方々にご活用いただければ幸いです。
 2016年版の内容ですが、平成27年に発生した航空、鉄道、船舶の事故等の調査状況や公表した報告書の概要、調査結果に基づき発した勧告や意見などについて紹介しております。
 平成27年に新たに調査対象となった事故、インシデントについて、
 航空分野では、航空事故が前年比10件増の27件、航空重大インシデントが前年比5件増の9件でした。
 鉄道分野では、鉄道事故が前年比1件減の13件、鉄道重大インシデントが前年比2件増の3件でした。
 船舶分野では、船舶事故が前年比138件減の793件、船舶インシデントが前年比21件減の106件でした。
 これらの事故等につきましては、すでに報告書を公表したものもありますが、調査中の事案については早期に公表できるよう鋭意、作業を進めているところです。
 本年報は英語版も作成し、ホームページで公表することとしておりますが、今しばらく時間がかかります。
 以上、概略をご紹介いたしましたが、本年報に関するご質問等がございましたら、当委員会事務局までお寄せください。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

3.質疑応答

(調布小型機墜落事故関連)

問: 調布の事故から1年ということで、先ほど事故報告書の早期公表を目指しているということでしたが、目処としては年内ぐらいに公表というようなスケジュール感なのでしょうか。
答: 報告書についての審議は、事案にもよりますが、通常は数回から、多いものでは8回、9回というのも過去にありました。そのため現時点で報告書をいつ頃に公表できるかというのは、まだお答えできる段階ではありません。

問: 調布の事故の件ですが、審議の中で宿題みたいなものが指摘されない限りは、すでに材料等は揃っていて、調査は終了しているということでよいのでしょうか。
答: かなり綿密な調査を実施してきておりますが、まだ詰めが足りないところがあるかもしれません。追加調査の必要性が今後の審議の過程で出てくるかもしれませんので、今、こうだと明言できる状況にはありません。

問: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の専門委員の解析に関し、ここでご紹介いただける内容のものはあるのでしょうか。
答: 現在、審議中ですので、その内容につきましてこの場での紹介は差し控えたいと思います。

(運輸安全委員会年報2016関連)

問: 先ほどの年報2016の件で、船舶の事故なんですけども、138件前年に比べて減少、またインシデントも21件減少ということでしたが、この要因といいますか背景的なものはどういう点があるのでしょうか。
答: 過去10年ほどの件数を見ていきますと、順次減少している傾向が見て取れます。お手元の年報の、資料編33ページにグラフが出ております。こちらをご覧いただくとお分かりのように、平成22年から27年にかけて単調に減少しています。これが我々の活動の成果であると言いたいところですが、まだそこまで詳しくは解析はしておりません。

問: 今の件で、何か啓発とか、例えば運輸安全委員会が提言したもので何か効果があったのでしょうか。
答: まだそこまで分析はしておりませんが、例えばハザードマップを出したり、ダイジェストというものを作成して関係するところに配布したりしております。そのようなことが少しでも貢献していればと思っているところです。

問: 船舶事故について、年報が出たこともありますし、その様な時期でもありますので、プレジャーボートの事故件数が高止まりしている状況にはあると思いますが、これについて特に注意喚起であるとか、事故の傾向があれば教えていただけますか。
答: その点は分析していかなくてはなりませんが、当委員会が発行するダイジェストで取り上げることによって、注意を喚起したいと思っています。プレジャーボートの事故件数は現在は高止まりしている状況です。分析した結果、お知らせすべきことがあれば、今後の記者会見で報告したいと思います。

問: 水上オートバイも高止まりしている状況にあると思いますが、個人ユースへの情報伝達はなかなか伝わりにくい状況かと思います。その点はいかがでしょうか。
答: 私どもではメールマガジンとかダイジェストなどを発行しておりますので、マリンレジャーを楽しむ方にも見て頂けるような努力を今後ともやっていきたいと思います。

(苫小牧カーフェリー火災事故関連)

問: 冒頭委員長からご説明のあった北海道苫小牧沖でのフェリー火災の関係で、何点か確認させていただきます。報告書の公表について改めて目途がございましたら、例えば年内くらいにというようなことなのか、その辺のことを教えていただければというのが1点です。それと、出火元の特定ですとか、そういったところの調査に時間を要しているのかなという風に思うのですが、調査を複雑にさせている具体的なものがあれば教えていただければと思います。
答: 出火元についてまだ最終的なところまで詰め切れていないというところが一番かと思います。これにつきまして、詳しいところは今のところご紹介できる段階ではありません。しかしながら、先ほど申しましたように、発生から1年を迎えるところでありますので、可能ならば近々経過報告というものを行いたいと考えております。

問: 経過報告として、現時点で想定されているのは、どういったものを報告されることを考えていらっしゃるのでしょうか。
答: 少なくとも事実が確認されている事項について、できる限り経過報告で明らかにしていきたいと思います。

問: 出火元の火が広がっていった流れみたいなものも含まれるのでしょうか。
答: その点については、どこまでとは今日はお話できませんが、分かっている範囲内でできるだけ経過報告でご紹介したいと考えております。

資料

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