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委員長記者会見要旨(平成29年9月26日)

平成29年9月26日(火)14:00~14:14
国土交通省会見室
宮下徹委員長代理

発言要旨

 運輸安全委員会委員の宮下でございます。
 中橋委員長につきましては、国際運輸安全連合委員長会議出席中のため、9月の月例記者会見は委員長の職務代理者であります私から報告させていただきます。
 本日は、事故調査の進捗状況、英語版 運輸安全委員会年報2017の発行についてご報告いたします。

1.事故調査の進捗状況報告

 はじめに、最近発生した航空関係の案件について、2件ご報告いたします。

 1件目は、9月5日、日本航空のボーイング777-300ER型が東京国際空港を離陸滑走中、第1エンジンに不具合が発生したため、離陸後に同エンジンを停止して引き返した事案です。着陸後の点検において、同エンジンの一部部品(内部のローター・ブレード等)が破損し、エンジンケースに孔が開いていることが判明したことから、本事案は航空重大インシデントと認定されました。

 運輸安全委員会は、本重大インシデントの調査を行うため、9月6日から9月8日まで、航空事故調査官3名を現地に派遣し、機体及びエンジンの外部・内部の損傷状況や整備状況の確認、機長等関係者からの聞き取り、フライトデータレコーダー及びコックピットボイスレコーダーの回収等の調査を行いました。

 また、9月12日から、エンジンの分解調査を行っており、これには、米国の事故調査機関(NTSB)と、エンジン製造者であるゼネラル・エレクトリック社(GE)の参加を得ております。

 これまでに、エンジン内部の、第5段及び第6段の低圧タービン部の破損、エンジンケースに約6.3cm×0.6cmの孔が空いていること等が確認されております。

 今後、エンジンの破損状況について、NTSB等と調整を行いながら、さらに調査を進めるとともに、機体及びエンジンの整備状況等の調査を行い、得られたデータの解析を実施し、早急な原因究明に努めて参ります。

 2件目は、9月23日、関西国際空港を離陸し飛行中のアムステルダム行きKLMオランダ航空868便ボーイング777-200型からパネルが脱落し、大阪市北区を走行中の乗用車に落下・衝突した事案です。これも航空重大インシデントとして認定されました。

 運輸安全委員会は、航空重大インシデントの通報を受け、24日から25日にかけ、航空事故調査官2名を現地に派遣し、落下物の確認及び落下時の状況の確認、被害者からの聞き取り及び被害状況の確認、関西空港のKLMオランダ航空関係者から聞き取りを行いました。

  現在、機体はオランダにあるKLMオランダ航空の整備施設内にあります。今後は、航空事故調査官を派遣し、機体側の状況について調査を行う方向で、関係先と調整を行っています。
 さらに、オランダ及び米国NTSBの調査協力を受けながら、KLMオランダ航空の当該パネルに関連する整備状況の確認あるいは同種事例の確認を行うとともに、飛行記録装置のデータの分析、飛行航跡記録の収集等の調査を行うこととしております。

  続いて、現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況については、詳細の説明は省略させていただきますので、お手元の資料1をご覧ください。

2.英語版 運輸安全委員会年報2017の発行

 次に、英語版 運輸安全委員会年報2017を発行し、当委員会の英語版ホームページで公表しましたので、ご紹介します。

 お手元に資料2として、ホームページ上の英語版年報の内容の一部を紹介したものをお配りしておりますのでご覧下さい。

 英語版年報は、海外向けの情報発信を強化することを目的に、2012年から作成しているもので、今回のものは今年6月に発行した日本語版の「運輸安全委員会年報2017」を英訳したものです。

 冒頭で申し上げましたとおり、昨日25日から明日にかけ東京で国際運輸安全連合委員長会議が開催されておりますが、この会議のメンバー内でも各国の年報を共有し、諸外国の状況把握や安全対策の参考資料として利用されているところです。

 なお、当委員会では、年報以外にも各モードの事故分析をまとめた運輸安全委員会ダイジェストや船舶事故ハザードマップの英語版を作成し、公表しているところです。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

3.質疑応答

(KLMオランダ航空重大インシデント関連)

問: KLMオランダ航空のパネル落下について、オランダに調査官を派遣するとのことですが、時期等何か決まっていることがありますでしょうか。また、直前の整備状況でもう少し分かっていることがあれば教えて下さい。
答: 調査官を派遣する時期ですが、現在、関係先と調整中で、調整が整いしだい現地へ向かうことになります。

問: 近日中という理解でよろしいですか。
答: はい。週内にもあり得るかと思います。それから整備状況については、現在、調査を行っているところですので、現時点での情報は差し控えさせていただきます。

問: 早ければ週内にも派遣するとのことですが、現地ではどのような調査を行う予定ですか。
答: 機体側のパネルが脱落したところの状況であるとか、KLMオランダ航空における整備の状況等について調べることになります。

問: 過去、このように飛行中の航空機から落下した物が乗用車に当たったという事案で、運輸安全委員会が調査に入ったことはありますか。これが初めてですか。
答: これが初めてになります。

問: エンジン内の部品が破断して落ちて地上の車に突き刺さった事案が確かあったと思いますが、初めてというのはエンジンの部品以外のことですか。
答: 初めてと申し上げたのは、機体の部品が落下し地上の人や物に当たった事案で、それが運輸安全委員会の調査対象になったことが初めてということです。

問: NTSBの協力を得てというのは、機体を製造したのが米国だからという理解でよろしいですか。
答: そうです。機体は米国ボーイング社製ですので、場合によっては設計・製造に関する部分が関係する可能性もありますので、その立場でNTSBも調査に参加することになります。

問: それについては既に調整済みですか。
答: 現在、調整中です。

問: オランダにも運輸安全委員会みたいな調査機関はありますか。
答: あります。

問: その機関とは連携せず、KLMオランダ航空、NTSBと日本の運輸安全委員会の三者で調査を行うということですか。
答: オランダの運輸安全委員会に相当する事故調査機関とも連携して調査を行っていくことになります。

問: 4者でということですか。
答: そうです。

問: KLMオランダ航空の当該機は、どこに保管されているのですか。
答: オランダのアムステルダムにあるスキポール空港にKLMオランダ航空の整備施設があり、そこの格納庫内にあると聞いています。

問: これまで細かい部品の落下は成田でもあるかと思いますが、これだけまとまった部品が落ちたケースというのは、初めてというのか、極めて少ないことなのでしょうか。
答: その件については、航空局の方で報告を受けて調べていると思いますので、そちらに聞いていただくのが間違いないと思います。

問: 当該部分はあまり触れる箇所ではないと聞いていますが、直前の整備でパネルを外したという話はありますか。
答: 現在、調査中ですので、現時点でお話するものがありません。

問: 今回、オランダに調査官を派遣するとのことですが、海外への調査官派遣は初めてのことでしょうか。
答: これまでも調査の過程で調査官を海外に派遣するという事例はありました。

問: 今回、オランダに行って、日本の運輸安全委員会として直接調査に当たることは、権限的に出来ないとの理解でよろしいですか。
答: 関係先と調整中ですけれども、原則的に日本の運輸安全委員会の調査官が直接調査をすることとなります。

問: 現地の調査機関は当該機に対し、調査を始めたのでしょうか。
答: 具体的には聞いておりませんが、KLMオランダ航空に対し調査は行っていると思います。

問: 派遣期間はどのくらいでしょうか。
答: まだ決めておりません。

資料

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