JSTB 運輸安全委員会

委員長からのメッセージ

就任にあたって

(写真)中橋委員長
 このたび、運輸安全委員会委員長を拝命し、航空、鉄道及び船舶事故等の防止と被害の軽減を図る責任の重さを感じております。当委員会の活動が運輸安全の一層の向上に寄与するものとなるよう、全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 運輸安全委員会は、公正・中立の立場から、科学的・客観的に適確な事故等調査を行い、事故等及びその被害の原因究明を徹底して行い、その調査結果を調査報告書として国土交通大臣に提出するとともに公表する組織です。
 また、必要があると認めるときには、勧告や意見の発出、不安全情報の提供等を通じ、関係者に必要な施策又は措置の実施を求めることとしています。
 こうした取り組みを通じ、事故等の防止及び被害の軽減に寄与し、運輸の安全性を向上させ、人々の生命と暮らしを守ることを使命としています。

 こうした使命を果たし、国民にとって真に必要とされる事故調査を実現するため、運輸安全委員会は、「適確な事故調査の実施」、「組織基盤の充実」、「適時適切な情報発信」、「被害者への配慮」を行動指針として取り組んでいます。

 近年、発生している社会的にも関心の高い事故等の中には、従来の調査手法をそのまま適用することが困難な事故等も増えてきています。
 例えば、複雑なヒューマンエラーの発生メカニズムや最先端の技術を活用した機材の故障発生メカニズムについて高度・専門的な解析が必要な航空事故、単独の要因では発生しないが複合的な要因が悪い方向に重畳した結果発生したことを実証実験や複雑な数値解析により解明することが必要な鉄道事故、原因関係者の組織要因の背景まで踏み込んだ分析が必要となる事故等が挙げられます。

 こうした事故等調査を取り巻く環境の変化に対応し、適確かつ迅速な原因究明を行うためには、年々進歩している技術に対し、我々の調査知識や技術力を、より早く、より広く、より深く、向上させることが不断に求められています。
 一方、運輸安全委員会の組織が有する専門的な知見を超えると思われる事案については、速やかに、国内の専門組織や専門家の知見の活用、海外の事故調査機関との連携確保を判断することも必要となります。

 さらに、同じような原因で繰り返される事故等については、運輸安全委員会として、事故等の再発防止に寄与すべく、これまでの事故等調査の結果得られた知見を、粘り強く、繰り返し、関係者に情報発信していくことが必要です。
 また、不幸にして人身被害が発生した事故等については、事故等の発生直後から、調査情報を知りたいご遺族や被害者の気持ちに寄り添って、調査情報の提供を行うことも大事です。

 当委員会のホームページでは、こうした委員会の活動や事故防止に係る情報を紹介しています。ホームページに掲載している事故等調査報告書や運輸安全委員会ダイジェスト、記者発表資料、毎月の委員長定例会見などの情報が皆様に広く活用され、事故の再発防止並びに被害の軽減に役立つことを願っています。

 今後とも、運輸の安全性向上のため、組織一丸となって取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

運輸安全委員会委員長 中 橋 和 博