Tさん トラガール歴 13年

宅配を担当して10年以上。未経験から。

雪の中でも、真っ暗な
街中でも。
待っている方が
いるから、頑張れます

Tさん トラガール歴 13年 40代(2022年現在)

働いている様子1

「接客」のキーワードで
探して
たどりついたのが、
「地域担当者」

 もともと体を動かすことが好きでした。また、以前は販売や営業の仕事をしていたので、接客も好き。そういう背景もあって、ネットで転職先を探す時に打ち込んだキーワードは「接客」でした。それで見つけたのが、コープさっぽろの宅配担当の仕事です。トラックに乗ったことはありませんでしたが、普段の生活にも車の運転は欠かせないこともあって、宅配担当として仕事をすることに抵抗感はありませんでしたし、当時はまだ中学生の子どもが二人いたので、土日が休みなところにも魅力を感じて、宅配担当の仕事をすることを決めました。
 トラックの運転よりも、仕事を始める前に少し不安があったのは、運ぶ荷物を扱うことでした。最初のころは配達の時に使う台車を一人で荷台にあげることができずに困ったことも。でも毎日やっていると体力もつくし、重いものを持ち上げるコツもつかめます。2~3ヵ月過ぎたころには、力仕事はもちろん、運転や組合員さん対応にも慣れることができました。仕事をスタートしてから、先輩についてしっかり仕事が学べる研修期間があったことも不安解消につながりました。今は研修期間が7週間ほどあるので、未経験者でも私のころよりもっと安心して仕事に入れると思います。
 宅配担当の仕事を続けて10年以上になりますが、一番身についたのは、安全運転の習慣です。運転中は意識して丁寧に確認作業をするようにしているので、プライベートで友人と一緒に車に乗っている時などには「すごく周囲を見てくれるから乗っていて安心ね」と言われます。安全運転は仕事でも基本ですし、普段の生活でも徹底するようにしています。また、宅配担当の仕事をしていて一番よかったと思えるのは、常に人と接しているので刺激をもらえることと、気遣っていただけることです。組合員の皆さんから感謝やねぎらいの言葉をいただくと、そのたびに嬉しくなります。

働いている様子2

震災のブラックアウト時、
懐中電灯を持って
待っていてくださった
組合員さんに感動

 宅配担当の仕事をしていて13年。その期間の中で一番印象に残っているのは、北海道胆振東部地震の時のことです。ブラックアウトと呼ばれる大規模停電が起こりました。信号もついていないし、どの建物も真っ暗な中、いつものようにトラックで配達へ。最初の配達先は、エレベーターのないマンションでした。私がそのマンションに商品を運んでいくと、組合員さんが懐中電灯を持って1階で待っていてくださいました。その方は足が悪いのに、「廊下も階段も真っ暗で危ないから」と言って、わざわざ3階の部屋から降りて来てくださったんです。感無量でした。他のマンションでも、エレベーターが止まっているのに、妊娠中のお母様に代わってまだ小さいお子さんが懐中電灯を持って下まで迎えに来てくれたり、「こんな時にまで配達してくれて、ありがとうございます」というお言葉をいただけたり。嬉しかったし、皆に必要とされている仕事をしているのだと、改めて思いました。こんなふうに組合員さんに待っていていただける、感謝していただけるから、ブラックアウトでも大雪でも、「今日も安全運転で、商品のお届けを頑張ろう!」と気合いが入ります。
 震災のような非常時でなくても、普段から組合員さんと信頼関係を築くことには心を砕いています。お困りの様子があれば「私に力になれることはありませんか?」と声をかけてみたり、玄関に水槽があったら「何が入っているんですか?」と聞いて世間話をしてみたり。そんな小さなことの積み重ねが、信頼関係につながるのだと思っています。
 宅配担当の仕事は社会から必要とされているし、多くの方に感謝していただける、いろいろな人とのつながりを感じられる、やりがいのある仕事です。これからも、体力が続く限り「地域担当者」の仕事を続けていきたいと思っています。

Oさん トラガール歴 13年

パートでスタートし、地区長にステップアップ

宅配担当は、
組合員さんと接する最前線。
その楽しさを、
多くのメンバーに伝えたい

Oさん トラガール歴 13年 50代(2022年現在)

働いている様子1

パートタイムの「担当」から
キャリアをスタート

 コープさっぽろに勤めていた近隣の方に勧められたのがきっかけで宅配担当になったのが、約20年前。営んでいた自営業が、経済環境の激変で経営不振になり、シングルマザーとして二人の子どもを養うことに不安を感じ始めていたころです。土日が休みなので子どもとの時間が持てる、安定した給料。待遇面と働き方に魅力を感じて生協の宅配担当を始めることになりました。
 最初は週に36時間、4日半働くパートタイムの勤務でした。宅配担当の仕事は初めてでしたが、いろいろと教えてくれる上司や先輩が周りにいたこともあって、早い時期からトラックの運転も含め、配達の仕事になじむことができました。
 生協の宅配担当の仕事の魅力は、組合員さんとのつながりができることです。担当する配達先のルートがあるので、同じ組合員さんのところに週に1度、顔を出しているうちにだんだんとコミュニケーションが取れるようになって、宅配の仕事が楽しくなっていきました。また、当時は地方のセンターに勤めていたこともあって、毎日がドライブ感覚でした。それも楽しかったですね。今日は山の上でご飯を食べようとか、海のところで休憩しようとか。一番のお気に入りは山の上にある灯台でした。周り一面が海ですごく気持ちがよかったです。波の音を聞きながらご飯を食べた後、アラームをかけて15分だけ昼寝をして気持ちを切り替える。そんなふうに自分のペースで仕事ができるところも、この仕事の魅力だと思います。

働いている様子2

マネジャー、センター長、
そして地区長に。
今の使命は
「上を目指す人」を育てること

 9年間、担当として働いた後、パートタイマーのままマネジャーになり、その1年後に総合職員になりました。3つのセンターでマネジャーとして働いた後、副センター長、そしてセンター長へ。4つのセンターでセンター長を務めて、現在は旭川地区地区長として、6つのセンターを統括しています。
 マネジャー時代は、自分で配達もしながらセンター内の担当者のフォローをしたり、コースの調整をしたり、組合員さんからのお問い合わせに応える役割を果たしていました。センター長になると、マネジャーの統括が仕事になります。売上げなどの数字管理もセンター長の役割ですが、私はセンターの雰囲気作りがセンター長にとって一番大切な仕事だと思っていました。仕事に行きたい、センターに帰りたい、メンバーにそう感じてもらえる職場にするために、マネジャーを始めとしたメンバーとのコミュニケーションを大切にし、ほめるべきところはきちんとほめるように心がけていました。そして地区長の仕事ですが、まだ就任して日が浅いため、いろいろ試しながら取り組んでいるところです。地区長に就任する際、「センターのトップで組織を牽引するセンター長は、自分で考え、判断し、行動しないといけない立場でもあります。そんな役割を担っているセンター長たちの相談相手になって、センター間のつながりを作ってください」と上司に言われたことが印象に残っているので、センター長の話を聞きながら、良いアドバイスができるように努めています。担当する6つのセンターを週に1度は訪れて、コミュニケーションを取るように心がけています。宅配担当から「今まで言えなかったこともあったんですが、女性の地区長になって話しやすくなって助かります」と話しかけてもらえることもあり、嬉しいですね。
 実は私、センター長時代にもたまに配達に行っていたんですよ。組合員さんの声も聞けるし、担当者がどんな配達をしているか見てみたかったし。さすがに地区長になった今は配達に行けませんが、できるだけ組合員さんと接する最前線の声を聞くようにしたいと思っています。そして、最前線にいるのはすごくおもしろいことなんだよと、宅配担当のみんなに伝えていきたい。その一方で、マネジャーにはマネジャーの、センター長にはセンター長の楽しさややりがいがあります。様々な立場の視点に立ちながら、ステップアップを目指す人を育てていきたい。それが、地区長としての私の使命だと思っています。

トラガール推進企業の経営陣から

宅配事業本部 運営部長 松岡 将文

宅配事業本部

運営部長

松岡 将文

宅配担当の約半数は女性。
多様な人材が活躍できる
環境作りに注力

 コープさっぽろの宅配事業部には、1200名ほどの宅配担当が所属しています。その約半数は女性です。また、男女を問わず、新入協者のうち約9割はトラックドライバー未経験者です。そのため、安心して働き始められる環境整備には力を入れています。普通免許でも運転できる1.5tのオートマチック、そして北海道は雪が多いので4WDで全車両バックモニター付きの車両を使用しています。入協後7週間のOJTカリキュラムがあり、トレーナーがつきっきりで運転時の留意点をはじめ仕事を丁寧に教えます。また、コープさっぽろは人材の多様化にも力を入れていて、性別や年齢、様々な事情を持った方が働きやすい環境整備を進めています。女性に関した制度としては、産休明けから復職しやすい仕組みを作っています。そのため、出産で仕事を辞めても、子どもがある程度大きくなったところでもう一度コープさっぽろに戻る方も多くいます。

「気づきメモ」や
休憩室の整備で、
モチベーションアップを

 コープさっぽろには「気づきメモ」という制度があります。全職員が日常のちょっとした気づきを書いて上長に提出する制度です。たとえば、温度帯別に発泡スチロール容器に入れてお届けしていた商品を、1軒ごとに保冷効果のあるインナーボックスに入れて配達する、という担当のアイデアが採用され、全体的に作業効率が上がった、という事例があります。出したメモはすべて必ず、所属長が目を通してコメントを返すようにしています。この活動を通して、普段の仕事の中で気づきの視点が生まれて組織が活性化しましたし、自分の意見を上司が聞いてくれることで、従業員のモチベーションアップにもつながりました。また、休憩室に畳スペースを設けてゆったりと休めるようにするなど、職場環境の改善にも力を入れていて、それも担当者のモチベーションアップ、ひいては定着率の向上に貢献していると思います。今後もこうした、誰もが意欲を持って働きやすい職場環境作りに力を入れていきます。