JTSB 運輸安全委員会

運輸安全委員会トップページ > 報道・会見 > 委員長記者会見 > 委員長記者会見要旨(平成29年1月24日)

委員長記者会見要旨(平成29年1月24日)

平成29年1月24日(火)14:00~14:08
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、1月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故調査の進捗状況報告

 はじめに、委員の異動について、ご報告します。
 昨年12月26日をもちまして、鉄道関係で、奥村文直(おくむら ふみなお)委員が鉄道部会長に選任されました。また、石田弘明(いしだ ひろあき)委員があらたに任命され、鉄道部会長代理に指名されました。
 次に、新年最初の会見でありますので、所感の一端を述べさせていただきます。
 まず、昨年を振り返りますと、昨年発生し、当委員会の調査対象となった事故等の件数は、航空では23件、鉄道では25件、船舶では東京で取り扱う重大な船舶事故が17件でありました。
 国内では幸いにも大事故はありませんでしたが、世界的にみますと、11月にロンドンで路面電車が横転する事故が発生したのに続き、コロンビアで旅客機が墜落、12月にはロシア機が黒海に墜落して多くの方が亡くなられました。
 当委員会としましても、引き続き、緊張感を持って業務に取り組んでまいりたく思います。また、そのためにも、様々な事故・インシデントの調査を通じて、あるいは国際的な連携と情報交換により、最新技術と知識の習得に努めなくてはならないと考えています。
 このため、本年秋には、国際運輸安全連合(ITSA)の委員長会議を東京で開催する予定です。
 また、当委員会では調査体制の充実強化を進めているところですが、特に航空分野においては、平成29年も引き続き、国産旅客機MRJの就航に向けた航空事故調査の体制強化を図っていく所存です。
 当委員会としましては、あらためて、事故やインシデント一つ一つについて、その原因の徹底的な究明が事故の再発防止につながることを意識するとともに、事故被害者の方にも常に配慮し、正確でタイムリーな報告書の作成に全力で取り組んでまいる所存です。
 続きまして、現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況についてですが、説明は省略させていただきますので、詳細は資料をご覧ください。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

2.質疑応答

(新千歳空港ANAウイングス重大インシデント関連)

問: 1月19日に新千歳空港で全日空機が滑走路から逸脱するという事案がありました。この調査の進捗状況をお願いします。
答: 19日(木)11時56分ごろ、ANAウイングスが運航するボンバルディア式DHC-8-402型が新千歳空港に着陸し、滑走路を走行した後に、滑走路の端を超えて停止する重大インシデントが発生しました。幸いにも、乗員・乗客に怪我等はありませんでした。運輸安全委員会としましては、19日に航空事故調査官5名を現地に派遣し、フライトレコーダーの回収、機長及び乗務員からの口述聴取、空港事務所関係者、管制官等からの聞き取り、気象、空港情報等のデータ収集、さらに機体の状況確認等の調査を行いました。現在、収集したデータの取り纏め及び分析等を進めているところです。引き続き必要な調査を実施し、早急な原因究明に努めてまいります。

問: 減速が不十分だったんじゃないかとの指摘もありますが、現在の所感をお聞かせください。
答: 現地で調査官が確認した範囲では、機体には特に異常は見当たらなかったとの報告を受けております。回収したフライトレコーダーの記録等を十分に解析しまして、早期の原因究明に努めてまいります。

問: 今の質問に関連して、当時の滑走路の状況はいかがだったのでしょうか。グッドであるとかバッドであるとか、色々情報が飛び交っていますが。
答: そういった情報も調査の対象になっております。しかるべく、改めてご報告したいと思います。

(漁船大福丸転覆事故関連)

問: 昨年島根県沖で発生した大福丸転覆の事案について、調査の状況はいかがでしょうか。
答: 本事故は昨年12月14日に島根県松江市沖において、漁船大福丸がエンジントラブルのため、僚船により鳥取県境港に向けてえい航されている状況で転覆し、沈没したものです。これにより、乗組員9名のうち4名が死亡し、5名が行方不明となりました。当委員会としましては、事故発生後、船舶事故調査官3名を現地に派遣して、僚船の乗組員、船主等からの口述聴取、本船に関する資料の収集等の初動調査を行いました。現在、口述等を整理しているところですが、今後、海象、えい航、積載物、甲板上の開口部、それから波の打ち込み等の状況について、慎重に調査を進め、転覆の原因究明に努めてまいります。

資料

このページのトップへ