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委員長記者会見要旨(令和元年7月23日

令和元年7月23日(火)14:00~14:14
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、7月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、事故等調査の進捗状況、運輸安全委員会年報2019の発行及び水上オートバイによる浮体えい航中の事故防止対策について、ご報告します。

1.事故等調査の進捗状況  

 はじめに、事故等調査の進捗状況について、前月の定例会見から新たに発生した事故及び重大インシデントは、各モード合わせて5件ありました。

 航空モードは、7月7日に北海道北見市で飛行中の小型機からグライダー曳航索が落下した重大インシデント、7月16日に石川県小松市で飛行中のヘリコプターから養生資材が落下した重大インシデント及び7月21日に那覇空港で他の航空機が使用中の滑走路から離陸した重大インシデントの3件です。
 鉄道モードは、6月28日に発生した群馬県渋川市のJR上越線における土砂流入による列車脱線事故の1件です。
 船舶モードは、6月26日に広島県尾道市沖で貨物船と海上自衛隊の掃海艇が衝突した事故の1件です。

 事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。

2.運輸安全委員会年報2019の発行

 次に、本日、「運輸安全委員会年報2019」を公表しております。お手元に配布しておりますのでご覧ください。

 本年報は、昨年1年間の当委員会の活動状況の全般を取りまとめたものです。
 2019年版では、航空、鉄道及び船舶の事故調査活動のほか、特集を2つ掲載しました。
 特集の1つ目は、「航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律」が成立したことを踏まえ、改正のポイント、及び改正後の展望を記載しています。
 国産ジェット旅客機の就航にあたり、今後、設計国の事故調査機関としての責務を適確に果たせるよう取り組んでいく所存です。

 特集の2つ目として、発足10周年を迎えた運輸安全委員会の今後の重点的取組の方向性を記載しました。これからの10年を見据えた取組の重点的テーマとして、「分析力・解析力の強化」、「発信力の強化」及び「国際力の強化」を掲げるとともに、これらを実現するために「組織力の強化」と「個人力の強化」が必要と考えています。

 本日は、この中でお手元の年報の21ページに詳細を記載しております「分析力・解析力の強化」について、取組の方向性の一端を紹介させていただきます。
 近年、国民生活・経済など社会に大きな影響を及ぼす交通・運輸に係る事故や、航空、鉄道及び船舶の運航(行)のあり方について再考が必要となるインシデント等が発生しています。これらの事故等の中には、「人口減少・少子高齢化・担い手不足」、「自然災害の激甚化」、「インフラ老朽化」などの社会情勢の変化が影響していると思われる事案のほか、AIやIoTなど、技術革新の急速な進展に関わっていると思われる事案もあります。

 当委員会は、今後もこれらの変化を念頭において、原因及び再発防止策をより深く分析する必要があると考えています。加えて、これまで蓄積されてきた事故等調査報告書を貴重なデータベースと捉え、これを総合的に分析し、社会情勢等の変化の背景など得られる示唆を航空、鉄道、船舶のモードを超えて整理して発信することも必要と考えています。

 このような新しい取組により、事故に至らない段階で可能な限り未然に事故が防止されるとともに、起きてしまった事故から得られる示唆、教訓などが、運輸委員会ダイジェストなどを活用して関係者にしっかりと伝わり、関係者の事故防止活動に反映されることが重要と考えているところです。取組の方向性の全体については、お手元の年報をご覧願います。また、ホームページにも掲載しておりますので、ご活用願います。

3.水上オートバイによる浮体えい航中の事故防止対策    

 最後に、水上オートバイの事故防止について、ご報告いたします。
 本格的なマリンレジャー・シーズンを迎えようとしておりますが、本年3月に発行しました運輸安全委員会ダイジェストでお知らせのとおり、近年、水上オートバイがバナナボートなどの浮体をえい航中に起きる事故が増加傾向にあります。
 お手元の資料3は、3月に配布しましたダイジェストのポイントをまとめたものです。

 この度、運輸安全委員会では、水上オートバイが浮体をえい航する際の挙動について安全啓発資料としてビデオを作成しましたので、ご紹介します。
 (ビデオの紹介)
 これらのビデオは、ダイジェストと合わせて関係団体に提供する予定です。
 水上オートバイユーザーの皆様の安全啓発にご活用いただければと存じます。
 本日、私からは、以上です。
 何か質問があればお受けします。

4.質疑応答

(横浜シーサイドライン鉄道人身事故関係)

問: 横浜シーサイドラインの事故について、先日、国土交通省の検討会が再発防止策の中間取りまとめを行いました。断線が原因となっていますが、運輸安全委員会でのその後の調査状況などを伺えればと思います。
答: 運行事業者が再発防止策を講じて、安全確認を行った後、自動運転を再開しようとしていることは承知しております。当委員会としましては、引き続き事故の調査・分析を進めているところであり、可能な限り早期に報告書をまとめ、調査結果を明らかにして参りたいと思います。なお、国土交通省で行われました検討会の内容については聞いております。

(運輸安全委員会年報2019関係)

問: 今後の10年を見据えた取組について、分析力の強化など記載されていますが、これとは別に、高齢者や障害者の人達が乗り物を利用する機会が近年増えている気がします。こうした社会の変化や利用者のカテゴリーに対応するような調査など、何か検討されていることはありますか。
答: 例えば、最近の踏切事故調査では、被害者になられたお子さんの視点から事故分析を行っています。これは一例ですけれども、高齢者や障害者の方々の視点もあると思います。運輸安全委員会としてはこのような視点も忘れることなく、調査、提言をしていきたいと考えています。

資料