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委員長記者会見要旨(令和4年2月15日

令和4年2月15日(火)14:00~14:10
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、2月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.委員の異動  

 はじめに、委員の異動についてご報告します。

 任期満了に伴い、2月26日をもちまして平成28年から6年にわたり航空分野の常勤委員を務めた宮下徹委員が、また、3月31日をもちまして平成31年から3年にわたり法制分野の常勤委員を務めた柿嶋美子委員がそれぞれ退任されることとなりました。
 宮下徹委員は、6年にわたり航空部会を担当していただきました。航空機の運航と整備等の分野に専門的な知見を有する委員として審議に参画し、貢献していただきました。
 柿嶋美子委員は、3年にわたり航空部会、鉄道部会、海事部会を担当していただきました。法学者としての視点はもちろんのこと、委員の大半が各分野の技術的な専門家である中、国民・利用者目線で、わかりやすい事故調査報告書とすることにもご尽力いただきました。
 お二人には、任期満了の日まで、引き続き当委員会でご活躍いただくことを期待しているところです。

 また、私、委員長の武田展雄、航空分野の非常勤委員である津田宏果委員及び中西美和委員について、国会において再任の同意が得られました。
 新任の常勤委員となる予定の島村淳氏及び早田久子氏については、任命後の会見でご紹介したいと思います。

2.事故等調査の進捗状況  

 次に、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故及び重大インシデントは、航空、鉄道モード合わせて3件ありました。
 航空モードは、1月16日に岡山市付近上空を飛行中のスターフライヤー機で乗客が負傷した航空事故(2月4日航空局より通報)の1件です。
 鉄道モードは、2月7日に愛媛県内の伊予鉄道横河原線で発生した列車脱線事故、同じく2月7日に滋賀県内の近江鉄道多賀線で発生した列車脱線事故の2件です。
 運輸安全委員会では、いずれの事案につきましても事故調査官を現地に派遣し、機体の状況、車両や軌道の状況、関係者からの聴き取りなどの調査を行っております。
 今後、所要の調査を進め、これまでの調査で得られた情報とともに分析を行い、原因を究明してまいります。

 なお、2月11日に小湊鉄道の列車脱線事故について調査官の派遣をお知らせしましたが、その後、閉鎖中の線路において作業用車両が脱線したものであり、当委員会の調査の対象ではないことが判明しましたので、調査を終了しております。詳細については後ほど広報室にお尋ね下さい。
 事故等調査の進捗状況については、資料をご覧ください。

 本日、私からは以上です。
 何か質問があればお受けします。

3.質疑応答

(福島県警察航空隊ヘリコプター事故関係)

問: 福島県郡山市で警察のヘリコプターが不時着した事故に関してですが、今月の1日で発生から丸2年になるかと思いますが、調査の進捗状況をお伺いしたいのと、移植手術で心臓を運んでいたヘリコプターが不時着した事故で、かなり社会的にも関心が高い事故だと思うのですが、丸2年経過してまだ経過報告をいただいている状況だと思うのですが、調査に時間がかかっている理由とその受け止めもお伺いできればと思います。
答: 本事故は、福島県警察航空隊所属のヘリコプターが、令和2年2月1日に臓器輸送のために、福島県会津若松市内の場外離着陸場を離陸して福島空港に向けて飛行中、郡山市三穂田町の田んぼに不時着し、機長を含む搭乗していた7名が重軽傷を負ったものです。
 本事故は、上空で強い北西風を受け飛行していた時に、急激に機体姿勢が変化し、操縦が困難となり発生したものです。これまでの調査で、操縦が困難となった主な要因として、メインローターとテール・ドライブシャフトが接触したことが判明しており、この事象に至った経緯について詳細な分析を設計製造国の事故調査機関の協力を得ながら進めております。また、当日の気象がどの程度関与したかについても詳細な分析を行っております。事故原因の解明に当たってはこれらの分析をさらに進める必要があり時間を要している状況です。
 従って、現段階において具体的な時期を申し上げる段階にございませんが、できるだけ早く報告書を公表できるよう取り組んでまいります。
問: 追加で質問ですが、その気象状況と不時着の関連というのは、現在も調査中ということですか。
答: そうです。猪苗代湖から郡山市に抜けるところの小高い山のところを通過していますので、それによる風の影響がどの程度であったかということが、一つのポイントになっています。風の影響を操縦との関係を含めて解析しているというのが現状です。

資料

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