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委員長記者会見要旨(令和4年7月26日

令和4年7月26日(火)14:00~14:13
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、7月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故等調査の進捗状況  

 はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故及び重大インシデントは、航空、鉄道モード合わせて3件ありました。

 航空モードは、7月16日に那覇空港の南西方を飛行中のソラシドエア機が動揺して乗員が負傷した航空事故1件です。

 鉄道モードは、7月19日に西日本旅客鉄道 東海道線、灘(なだ)駅構内において、旅客が通過中の列車と衝突して死亡し、跳ね飛ばされた当該旅客と衝突したホーム上の旅客4名が負傷した鉄道人身障害事故と7月24日に江ノ島電鉄 江ノ島電鉄線で発生した走行中の列車の乗降用扉が開いていた重大インシデントの2件です。

 運輸安全委員会では、いずれの事案につきましても事故調査官を現地に派遣し、機体の状況、車両や駅構内の状況、乗員等関係者からの聴き取りなどの調査を行っております。

 事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。

2.安全啓発資料の公表  

 次に、地方事務所における安全啓発資料の公表についてご報告します。お手元の資料2をご覧願います。
 当委員会の横浜事務所において、東京湾のプレジャーボートが関連する事故等に焦点を当て、その原因を分析するとともに、特定の海域における同種事故の発生状況や事故事例を紹介し、事故防止のための留意点などをとりまとめた安全啓発資料を本日公表しました。

 東京湾におけるプレジャーボートが関連する事故では、特に衝突・乗揚・漁業施設等の損傷事故が多く発生しています。当委員会がホームページで公表している船舶事故ハザードマップには、これまでの船舶事故の発生場所や事故種別などが地図上に表示されており、同種の事故が多発している特定の海域について見ることができます。この安全啓発資料においては、それらの海域の事故の傾向や事故防止に向けてのポイントを紹介しています。

 マリンレジャーが盛んな夏季を迎え、プレジャーボートを操船する皆様にこの資料を活用していただくとともに、東京湾以外の海域でも当委員会の『船舶事故ハザードマップ』を活用して事故防止に役立てていただきたいと思っております。

 本日、私からは以上です。
 何か質問があればお受けします。

3.質疑応答

(知床半島沖旅客船浸水事故関係)

問: 知床の遊覧船事故についてです。7月に国交省の事故対策検討委が中間とりまとめを公表しました。年内にも最終とりまとめを行う予定なんですが、運輸安全委員会の事故調査から明らかになった課題があれば追加で検討するというふうに言っています。年内に検討委に対して何かしらの情報提供できそうなのか見通しなど含めてお願いいたします。
答: はい。今お話のありました、国土交通省の対策検討委員会が今月14日に小型旅客船の安全対策について中間とりまとめを公表していることは承知しております。本事故については、現在、我々が調査を行っている段階ですので、これについてコメントすることは差し控えたいと思います。運輸安全委員会としては事故原因の究明と再発防止という観点から現在調査を行ってる段階ですので、できるだけ早急に報告書をまとめるということに専心したいと思います。ただし、調査の過程で得られた情報のうち、事故の防止や被害の軽減の観点から有効と考えられるものについては、関係行政機関に対して情報提供を行っていくこととしております。

問: 事故防止の観点の情報提供は、現時点では、まだされていないという理解でいいでしょうか。
答: はい。しておりません。

問: 知床の関連でお聞きしたいのですが、その後船体の調査に入られていると思いますが、実際どういうところを注意してご覧になっているのか、どういった調査されているのか差し支えなければ教えてください。
答: 昨日、7月25日から、本格的に、本船が保管されている網走に船舶事故調査官等を派遣して、船体調査を行っております。内容、結果については申し上げることはできませんが、基本的には客観的かつ科学的に精査、分析する。事実情報を科学的に分析して原因を究明するということが求められていますので、そこを大事にしていきたい。特に今回は船体、設備を見ることができているので、そういったものを客観的に事実情報としてまとめて分析していくことが、我々のやるべきところでございます。いろんな情報がありますけれども、予断をもたずにみていかなければならない。その中から道筋をみつけていくということになると思います。

問: 今の船体調査に関することで確認なんですが、7月25日が船体調査で、運輸安全委員会としてやるのは、初めてということになるのでしょうか。
答: 一部の報道では19日、20日に調査官をみかけたという記事もありますが、25日からの調査の準備をしておりまして、本格的には25日から始めております。

問: 現場に行かれたのは19日が最初、現場というか保管場所というかに行かれたのは19日でしょうか。
答: 保管場所に入ったのは19日です。

問: それで25日から本格的に船体の調査に入ったのでしょうか。
答: そうです。必要なものを揃えて25日から複数の調査官を派遣しました。

問: 期間としては、現地での調査はいつぐらいまでされる感じでしょうか。いつぐらいというか、今現場にいらっしゃって、例えばそれが一つ区切りするというのは数日という感じでしょうか、それともしばらくかかる感じでしょうか。
答: 調べたいことが済むまで調査したいと思っています。感覚的には数日と考えています。

資料

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