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委員長記者会見要旨(令和5年4月25日

令和5年4月25日(火)14:00~14:11
国土交通省会見室
武田委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の武田でございます。
 ただいまより、4月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故等調査の進捗状況  

 はじめに、前月の定例会見から新たに調査対象になった事故は、航空、鉄道、船舶モード合わせて6件です。

 航空モードは、4月9日に長野県の長野市滑空場を離陸した滑空機が、群馬県の八ッ場(やんば)ダム付近で発見され、機長1名が死亡した航空事故、及び4月18日に北九州空港を離陸した海上保安庁の小型飛行機が、大分県宇佐(うさ)市内で不時着し、機体が損傷した航空事故の2件です。

 鉄道モードは、4月10日に京都府舞鶴市のWILLER TRAINS(ウィラー トレインズ)の第4種踏切道で発生した踏切障害事故、及び4月11日に富山県富山市の富山地方鉄道 本線 越中荏原(えっちゅうえばら)駅~越中三郷(えっちゅうさんごう)駅間において、保線作業中の係員と列車が衝突した事故の2件です。

 船舶モードでは、3月28日に京都府亀岡市篠町(かめおかし しのちょう)の桂川で川下り船が岩に乗揚げ衝突して転覆し、乗組員2人が死亡した事故、及び4月2日に秋田県男鹿市入道埼(おがし にゅうどうさき)灯台沖で遊漁船の釣り客1名が落水して死亡した事故の2件です。

 運輸安全委員会は、いずれの事案についても事故調査官を派遣し、調査を開始しています。今後、必要な調査を行い、収集した情報や資料の精査、分析を進め、原因を究明してまいります。

 次に、昨年4月23日に発生した旅客船KAZUⅠ(カズワン)の事故についてご報告します。

   一昨日の23日で発生から1年となりました。改めて、お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、ご家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、現在も捜索が続けられておりますが、行方不明の方々とそのご家族の皆様に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。
   本事故につきましては、昨年12月15日に経過報告を公表したところですが、当委員会では現在も調査を続けている段階であり、できるだけ早期に最終報告書を公表できるよう努力してまいりたいと考えております。
   なお、報道機関におかれましては、土日にかけてこの事故に関して丹念な記述・報告をされていてありがとうございます。私たちも心新たに最終報告書作成に向け努力しているところでございます。

 事故等調査の進捗状況については、資料1をご覧ください。

 本日、私からは以上です。
 何か質問があればお受けします。

2.質疑応答

(知床半島沖旅客船浸水事故関係)

問: 今、委員長からございました旅客船KAZUⅠ(カズワン)の事故関係です。経過報告を踏まえて国土交通省の方で水密化について新たな基準を設けるという方針が示されていますが、このあたり何か受け止めなどありましたら教えていただけますでしょうか。
答: お尋ねの件につきましては、今月4日、国土交通省により、当該意見を踏まえた対応に関する公表が行われたことは、承知しております。国土交通大臣に意見を述べましたのでそれに対応するものでございますが、内容を確認しましたところ、当委員会が意見として述べた、一つ目に小型旅客船の船首甲板開口部の点検及び避難港の活用等について、運航事業者に周知、指導を行うこと、二つ目として、小型旅客船の隔壁の水密化に関し、検討すること、いずれも現段階において適切に措置されているものと考えております。実際に早期に対応されていくことを望む次第です。
問: 今の、KAZUⅠ(カズワン)の事故に関連してですけれども、最終報告書という話が出ましたが、次に出るのは最終報告書という理解でよろしいでしょうか。また経過報告が出るという可能性もあるのでしょうか。
答: 現在、申し上げることはできませんが、最終報告書作成に向けて努力しているところでございます。  

(海上保安庁小型飛行機事故関係)

問: 海上保安庁のセスナ機の不時着事故についてはどのような調査の進捗状況でしょうか。
答: 4月18日に発生し、当日に3名の調査官を派遣いたしまして、事故現場の状況確認、機体損傷状況確認、操縦士の聴き取り等行いました。エンジンの出力が低下した可能性が高いという話もあり、今後エンジン回りの調査を中心に行いますが、まだ機体が現場にあり、格納庫に移動できてない状態でございますので、今後詳細な調査を行う予定です。

資料

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