1.背景
「パリ協定」(2016年11月発効)を踏まえた温室効果ガス排出量の削減目標の達成等に向け、住宅・建築物の省エネルギー対策の強化が喫緊の課題となっています。
このため、住宅・建築物市場を取り巻く環境を踏まえ、住宅・建築物の規模・用途ごとの特性に応じた実効性の高い総合的な対策を講じることを目的として、省エネ基準適合義務の対象建築物の規模拡大や小規模住宅等に係る建築士から建築主への説明義務の創設等の措置を盛り込んだ改正建築物省エネ法が令和元年5月に公布され、令和3年4月1日に全面施行されることとなりました。
2.概要
(1)オフィスビル等に対する措置
○改正内容:現状の2000㎡以上の大規模建築物に加え、300㎡以上の中規模建築物に対象を拡大(令和3年4月1日施行)
・300㎡以上の建築物については、建築確認(省エネ適判)や完了検査において、省エネ基準への適合等の審査を受ける必要があります。
・省エネ基準へ適合しない場合や、必要な手続き・書面の整備等を怠った場合、確認済証や完了検査済証が発行されず、着工や開業が遅延する恐れがあります。
(2)マンション等に対する措置
対象事業者 | 年間300戸以上供給する事業者 |
目標年度 | 令和6年度 |
外皮基準 | 全ての住戸が省エネ基準に適合 |
1次エネ基準 | 省エネ基準▲25%(当面は▲20%) |
対象事業者 | 年間1,000戸以上供給する事業者 |
目標年度 | 令和6年度 |
外皮基準 | 全ての住戸が省エネ基準に適合 |
1次エネ基準 | 省エネ基準▲10% |
対象事業者 | 年間150戸以上供給する事業者 |
目標年度 | 令和2年度 |
外皮基準 | 全ての住戸が省エネ基準に適合 |
1次エネ基準 | 省エネ基準▲15% |
【参考資料】
〇法案制定に係る審議会情報
■社会資本整備審議会 建築分科会
第42回(平成30年9月21日)、第43回(平成31年1月18日)
■社会資本整備審議会 建築分科会 建築環境部会
第15回(平成30年9月21日)、第16回(平成30年10月29日)、第17回(平成30年12月3日)、第18回(平成31年1月18日)
■「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第二次答申)」(平成31年1月31日)
・答申本文
・参考資料
■「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第一次答申)」(平成27年1月28日)
・答申本文
・参考資料
〇基準制定に係る審議会情報
■社会資本整備審議会 建築分科会 建築環境部会 建築物省エネルギー消費性能基準等小委員会
第11回(平成27年9月11日)、第12回(平成27年11月16日)、第13回(平成28年12月9日)
■社会資本整備審議会 建築分科会 建築環境部会
第14回(平成27年12月18日)
〇住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会について
〇2020年以降の温室効果ガス削減に向けた約束草案
〇住宅の省エネルギー性能等の調査について
〇住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会について