~ふるさとテレワークの推進×人材回帰モデルでワーケーションを推進~
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- 人口: 115,351人(2021年1月)
- 概要:北海道東部の中核都市。西は源泉かけ流しのおんねゆ温泉、東はサロマ湖とカーリングが盛んな常呂町がある。中心部のJR北見駅周辺にはビジネスホテルが多数あり宿泊拠点として最適。

ワーケーションを取り組み始めた経緯は?

- ワーケーションに取り組んだきっかけは、もともと企業誘致を進めたことと関係します。北見市には、国立北見工業大学があるのですが、卒業生は市外に就職してしまい、何とか学生が北見市に残る方法はないかと考えていました。そこで、IT系企業に北見市に進出してもらい、そこで就職に繋がらないかと考えました。市としても大学と連携し、学生インターンシップをアレンジすることや、就職あっせんのサポートをして、学生が北見市に残る方法を模索しました。
ところが、新卒社員をいきなり北見市で働かせるというのは難しい側面があることに気づきました。そこで、入社後ある一定期間は東京などの都市部で働いてもらい、経験、スキルが身についたら北見市に帰って、テレワークなどで働いてもらうというモデルを考えました。この人材回帰モデルは、生まれた川に帰ってくるサケに因んで、「サケモデル」と呼んでいます。
ワーケーションの受入環境整備面では、どのようなことを進めているのですか?

- 北見市の中心部に位置する商店街の空き店舗を活用し、サテライトオフィスを整備しました。ここをふるさとテレワーク推進事業の拠点として活用しています。ビルのオーナーは民間事業者ですし、借りているのは一般社団法人です。2017年、18年は市から委託してやっていましたが、2019年以降は民間として自走してやっています。利用者は年間で2,000人~3,000人程度です。また、北見市に進出したIT系企業は一軒家を借り上げて、ワーケーション用施設として利用する社員の働く場、居住の場としています。
ワーケーション用のプログラムやモデル日程、観光コースなどは、それほど用意していません。利用者はそれぞれニーズが様々ですし、利用者自身もかなり調べてきて自分達のやりたいことをしっかりとやっていることがわかったからです。その代わり、地域の大学との連携や、地域課題を進出企業の技術で解決するような共同研究などを積極的に実施しています。
また、プロモーションについては、「はたらぶ北見」というホームページやフェイスブックページを作って情報発信を進めています。「はたらく」と「あそぶ」を掛け合わせて「はたらぶ」です。その他、航空会社と連携してワーケーションのパッケージ商品を作ったり、返礼品として北見市の体験型商品が貰えるふるさと納税のサイトに参画したりなど、色々なことを進めています。
様々な取り組みにチャレンジしていますが、課題などはありますか?

- 今までは法人向けのワーケーションを推進していましたが、これからは個人向けのワーケーションにもさらに取り組んでいきたいです。ただ、なかなか個人でワーケーションをする人を見つけることや、その人達と繋がるのは難しいです。これは課題です。後は、行政が色々と進めていることをどうやって民間に移管し、継続的なビジネスとしていくのかも課題だと思います。民間で自走化ができると長期的な取り組みとなると思います。その他、庁内でも他の部署と連携することをまだまだやっていきたいですね。ワーケーションには、横断的な取り組みが必要だと思います。