~サテライトオフィスで実践する地域と密接に関わる新しい働き方~
サテライトオフィスがスタートだった白浜町でのワーケーション

- 年間300万人以上の観光客が訪れる白浜は、国内でも有数の観光地です。白い砂浜と青い海がリゾート地として雰囲気を醸し出し、泉質の良い温泉、レベルの高い宿泊施設や観光施設が集積されて、観光地としてのポテンシャルは非常に高いエリアです。
観光地として認知度が高い白浜町ですが、2000年以降、ICT企業の誘致を積極的に進めています。2003年には、南紀白浜空港から近い場所にある民間企業の保養所を町が買い上げて企業誘致のための白浜町ITビジネスオフィスとしました。
転機が訪れたのはクラウド型顧客管理サービスを提供するセールスフォース・ドットコムが白浜町に進出したことです。セールスフォース・ドットコムの進出を皮切りに、その他のIT企業も白浜町に進出することになり、白浜町ITビジネスオフィスは満室となりました。その後も多くの企業進出が続き、白浜町第2 ITビジネスオフィス、第3ITビジネスオフィスの開設へと繋がりました。
過去の経験を活かした和歌山県らしい企業サポートを実施

- サテライトオフィスで多くの企業が進出するようになった白浜町ですが、最初は苦い経験もありました。2000年代に進出した企業が数年で撤退してしまったのですが、その原因は地域としてのサポートが徹底できなかったことが理由です。それからは、進出してくる企業や利用者に対する徹底的な支援を実施しました。例えば、家族連れの移住者に対しては、単なる転居に関する移住支援だけでなく、子供の学校や生活環境に対するサポートも実施します。加えて、サテライトオフィスで働くスタッフと地元の若者の交流会や飲み会を開いたり、休日も一緒に出掛けたりと、公私にわたる付き合いやサポートを地道にしています。実際、セールスフォース・ドットコムの白浜オフィス長も家族で移住していますが、和歌山県や白浜町の支援にはとても満足していて感謝していると話しています。
進出企業から地域への貢献

- 和歌山県や白浜町が進出企業やワーケーションで来県する利用者に対する徹底的なサポートを実施したお陰で、支援を受ける企業や利用者からも地域に対して様々な恩返しが始まりました。セールスフォース・ドットコムでは、自社のオフィスを会場にして子供向けのプログラミング教室を開催しました。また、白浜町の子供達をセールスフォース・ドットコムの本社に招いたりもしました。世界最先端のIT企業の社員が直接地域の子供達にITのスキルや知識を教えるということが実現したのです。また、サテライトオフィスで働く社員は、様々な地域貢献活動に個別に参加したり地域の住民と積極的に交流するなど、お互いに地域を良くしたい関係者として協力をするようになったのです。