ソラの道を守る
「飛行検査のシゴト」
航空機はクルマと違い、道路標識がなく目印となるモノがないため、出発してから目的地に安全に着くまでには様々な無線施設の助けが必要です。あまり知られていませんが、飛ぶべき空の道もちゃんと決められていて、例えると高速道路にあたるのが「航空路」、高速道路までの一般道を「飛行の方式」と呼んでいます。
私たちは、６機の航空機で北は北海道から南は沖縄諸島までと日本中の空を飛び回りながら、全国にある空港や無線施設からの電波の受かり具合を確認し、空の道（航空路、飛行の方式）を点検することで、空の安全を支えています。
検査・調査・
検証
運航・整備
運航管理
⾶⾏検査官
飛行検査官には、航空機を操縦するパイロット、メンテナンスを行う整備士、運航を管理する職員や検査業務を行う無線技術士と様々な役割をもった職種が「ONE TEAM」となって全国の空港や無線施設、航空路の検査を行っています。
飛行検査センター
石崎 由也
実際に飛んで、空の安全を確かめます
飛行検査センター
關根 俊彦
航空整備士として飛行検査機の運航を支える
実際に飛んで、空の安全を確かめます
飛行検査センター
石崎 由也
飛行検査機の運航について教えてください。
飛行検査機の運航には操縦士、整備士以外にも様々な職種が携わっています。運航管理職員は地上から運航支援をし、無線技術士や検証管理職員は搭乗して飛行検査に必要な経路や高度を導き出し、飛行検査操縦士が的確に飛行することで、飛行検査データの解析・検証などを行います。航空機に乗って航空保安業務を行うのは飛行検査のみであり、航空機が好きな方には理想の職場です。
飛行検査と航空保安業務の関係を教えてください。
航空機の運航に航空保安業務は必要不可欠です。航空管制官からは離着陸の許可、磁針路や高度の指示があり、航空管制運航情報官からは気象情報など運航に必要な情報提供を受けます。航空管制技術官はこれらの通信や、航法に用いられる無線施設等を管理し、離着陸や地上走行に必要な航空灯火の管理は、航空灯火・電気技術官が行います。これらの航空保安業務で使用する施設の点検を航空機で行うのが飛行検査です。
飛行検査操縦士までの道のりを教えてください。
飛行検査操縦士になるには、事業用操縦士技能証明と計器飛行証明、または定期運送用操縦士技能証明が必要です。これらの資格は、航空大学校や一般大学、航空会社の自社養成制度、海上保安庁や防衛省などの官公庁、国内外のフライトスクールで取得することができるので、私を含め同僚達の経歴は様々です。配属後は、飛行検査機の操縦に必要な限定変更を行い、資格取得後は定期訓練や審査が退職するまで続きます。 （※職員の所属、写真は取材当時のものです。）
航空整備士として飛行検査機の運航を支える
飛行検査センター
關根 俊彦
飛行検査センターの整備職を希望した理由は？
飛行検査センターにおける航空整備士の業務は、航空機の整備作業に携わり航空機を運航に供する前の安全性の最終確認を行うほか、飛行検査機に同乗し、運航中に機体不具合が発生した際の整備作業までを行います。この様に幅広い舞台で航空整備士として航空機の安全運航を支える業務に携われることにやりがいを感じたためです。
整備作業以外の業務はありますか。
飛行検査センターの整備職員は、航空機の直接整備作業の他に間接業務も分担しています。私は整備作業で必要となる部品・材料の調達、整備機材が常に使用可能な状態を保つ様に保守点検を行う業務を担当しています。これらの準備ができていないと整備作業が行えず、結果として飛行検査機の運航率を下げてしまうので、直接整備作業と並び、運航を支える大切な仕事です。
どのようなスキルが必要ですか。
航空整備士の業務は、全て一人では完結できません。チームで同一整備作業にあたる他の航空整備士や間接業務の支えがあって、航空機の整備作業を完遂させることができます。そのため、協調性やコミュニケーション能力は大切なスキルだと思います。また、整備作業は航空機の知識経験をもとに実施しますので、その知識経験も大切なスキルであることは言うまでもありません。日々、自らの知識経験を積み重ねる努力が求められます。 （※職員の所属、写真は取材当時のものです。）