内航船省エネルギー格付制度について
内航海運は、地域住民の移動や生活物資の輸送に不可欠な交通手段であり、我が国の経済活動や国民生活を支える基幹的輸送インフラとして重要な役割を果たしているほか、モーダルシフトの受け皿としての期待も高まっています。令和3年10月に改訂された「地球温暖化対策計画」では、内航海運分野における2030年度のCO2排出削減目標を2013年度比で181万t-CO2の削減(平成25年度比17%の削減)としており、この目標の達成に向けて、これまで以上に省エネ・省CO2の取組を加速することが求められています。
内航船の省エネ・省CO2の取組を加速するためには、荷主・オペレーター・船主・造船所等の関係者が連携・協調していくことが重要です。そのためには、船舶の燃費性能や運航時のCO2排出量を数値や指標として把握(見える化)し、船主等による省エネ・省CO2排出設備等への投資や、荷主等による環境性能の良い船舶の選択を促すことが必要です。
そこで、国土交通省海事局は、船舶の省エネ・省CO2排出性能を「見える化」し、それを評価する「内航船省エネルギー格付制度」の運用を行っております。平成29年7月より暫定運用を開始し、令和2年3月からは、環境性能の評価手法を改善した本格運用を開始しました。
内航船省エネルギー格付制度の概要
本制度は、内航海運事業者等からの申請に基づき、国土交通省海事局が省エネ・省CO2排出設備等の導入による船舶のCO2排出削減率を評価し、その結果を格付として表す制度です。格付の対象は船舶であり、一隻の船舶につき、一つの格付を取得することができます。また、省エネ・省CO2排出効果に影響する改造を行った場合は新たな格付を取得することができます。
申請船舶の環境性能を、基準値より何%改善しているかに応じて、星1つ~5つで評価を行います。なお、計算方法に応じて星の色が異なります。
また、格付を取得した事業者は、船体や名刺、ホームページ等でロゴマークを使用することができます。
期待される効果
本制度により、船舶の環境性能が把握でき、内航海運事業者等による省エネ・省CO2排出設備等への投資を促進するとともに、環境対策に関心のある荷主や消費者等に対して、環境性能の良い船舶を建造、運航していること等のPRが可能となります。海事局においても、格付を取得した船舶等の定期的な公表や本制度の周知を行うことで、環境対策に関心のある荷主や消費者等へのPRを後押しさせていただきます。
海事局では、令和3年3月に「内航船省エネルギー格付制度」のポスター・チラシを制作しました。
また、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律及び地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく報告において、格付に応じたより低い係数を乗じて、エネルギー使用量又はCO2排出量を算定することが可能です。
例:星4つの場合、トンキロ法を用いた算定において、格付を取得していない場合に比べて15%の省エネ効果があるものとして、0.85倍に相当する係数を使用できます。
今後も本制度の普及等を通じて、地球温暖化対策計画における内航海運のCO2排出量削減目標(2030年度において、2013年度比181万トン削減)の達成を目指します。
申請方法
内航船省エネルギー格付制度に申請される方は、別添『「内航船省エネルギー格付制度」事務取扱要領』に基づき申請書類一式をご準備の上、下記宛先まで提出してください。
国土交通省海事局海洋・環境政策課
住所:〒100-0013 東京都千代田区霞が関 2-1-3
電話番号:03-5253-8636
E-mail:hqt-kakuzuke@gxb.mlit.go.jp
格付を取得した船舶の公表
国土交通省海事局では、格付を取得した船舶等の情報を定期的に更新し、公表します。
- 国土交通省海事局海洋・環境政策課宮岡、藤枝、鈴木
- 電話 :(03)52563-8111(内線43-952、43-915、43-955)
- 直通 :(03)5253-8636