Past入省したきっかけ
入省したきっかけと国土交通省の魅力
学生時代は、交通計画を勉強していました。暮らしに身近な交通や物流について、その仕組みを作る立場から関わりたいと思い、国土交通省を志望しました。
入省以来、国内の港湾・空港政策を中心に関わってきた私が、フィリピンに赴任することになったのは平成26年。それから3年間にわたり、在フィリピン日本国大使館に勤務しました。首都マニラでは、人口の増加や経済発展にインフラが追い付かず、慢性的な交通渋滞が社会問題に。赴任した年には、マニラ港のトラブルも加わり物流が大混乱。現地に進出している日本企業のサプライチェーンにも重大な支障をきたしていました。このような課題に対処し、首都マニラの交通問題に立ち向かうという大きな仕事に携われたことは、現職にも大きく活きています。このような経験ができるという点にも、国土交通省の魅力を感じています。
Nowやりがい・面白さ
やりがいと面白さについて
大使館員としての重要な業務の一つは、日本企業のビジネス環境を向上させることです。マニラでの問題解決にあたり、まずは物流トラブルの情報収集と原因分析を行い、関係機関に改善を申し入れました。トラブルがひと段落した後は、交通問題の抜本的な解決をめざし、ODAによる交通インフラプロジェクトを実施。日本の技術と経験で、どのような貢献ができるのか。それは相手国が真に望むものなのか。フィリピン運輸省や企業等と議論を重ね、マニラ郊外と都心を結ぶ通勤鉄道など多くのプロジェクトが立ち上がり、動き出しています。
現在は、本省の立場から、日本の優れた港湾工事や運営の技術を世界に展開する仕事をしています。「開発途上国を援助する」という一方的発想ではなく、新興国の急速な経済発展に伴い拡大するインフラ需要をいかに日本に取り込めるかなど、より広い視点で世界と関われることに面白さを感じています。
Future今後の目標
国土交通省における今後の展望
日本がインフラ協力を行う上で他国と違うのは、ただモノを作るだけでなく、完成したインフラを運営・維持していく現地の人材育成にも力を入れていること。日本での研修を受けた多くの港湾技術者が、各国政府で活躍していることを嬉しく思っています。今後も、インフラ協力を通じて世界の環境問題や防災等の課題解決にも貢献し、日本のソフトパワー強化につなげたいと思っています。
熾烈な競争が繰り広げられる世界を俯瞰しつつも、フィリピンで経験した現場の視点を忘れず、「日本らしさ」を失わない国際貢献を推進していきたいと考えています。