海事

天然ガス燃料船に関する総合対策

目的

 天然ガスは重油と比較して、CO2、NOX、SOXの排出量が少なく環境性能が優れており、既に陸上においては、世界的に石油から天然ガスへの燃料転換が進展している。このような動向を追い風として、海事産業界(海運・造船・舶用工業)においては、天然ガスを燃料とする船舶(天然ガス燃料船)の導入機運が高まっており、近い将来においてその実用化が期待されている。
 しかしながら、天然ガス燃料船については、船舶構造・機関・設備などのハード面、運航・燃料供給などのソフト面の安全基準等が未整備であるため、仮に現状において天然ガス燃料船を建造する際には個船ごとに安全評価を行うなどケースバイケースの対応が必要となる。そのため、海運事業者(船主)においては、詳細設計、運航経済性評価の実施が難しく、また寄港地における燃料供給の可否なども不透明であることなどから実船建造のための最終判断材料が整わず、これらが最終的な天然ガス燃料船の建造の妨げとなっている。
 このため、天然ガス燃料船に係るハード面(船舶)・ソフト面(運航、燃料供給等)の安全基準の検討、国際基準化等を戦略的に推進することにより、国際海運における天然ガス燃料船の早期実用化に向けた環境を整備することを目的に事業を実施した。

事業の成果

 天然ガス燃料船の普及に向けた環境整備を図り、関係事業者の取組みを支援するため、「天然ガス燃料船の普及促進に向けた総合対策検討委員会(委員長:高崎 講二 九州大学教授)」を設置して検討を行い、成果として、
 ・LNG燃料補給時の安全対策等を定めた標準的なガイドライン・オペレーションマニュアル(LNGバンカリングガイドライン) 
 ・高圧ガスサプライシステムの設計指針
 等をとりまとめた。
 上記LNGバンカリングガイドライン等は、経済産業省や海上保安庁等の関係省庁の参加も得て策定したものであり、また、夜間や天然ガス燃料船の荷役中・旅客乗降中に補給を行う場合の留意事項も定めていることから、これを活用することにより、天然ガス燃料船の運航の柔軟性を確保しつつ、安全かつ円滑にLNG燃料の補給が実施可能となるものである。
 また、高圧ガスサプライシステムの設計指針の活用により、実際に造船所等が天然ガス燃料船を建造する際に、国際基準に合致する設計をより効率的に行うことができるようになる。

事業概要
 事業のとりまとめに係るプレスリリース

○報告書
 報告書 概要
 天然ガス燃料船に関する総合対策 報告書 (日本語版) (English)

 Ship to Ship方式LNGバンカリングガイドライン(日本語版) 
 Shore to Ship方式LNGバンカリングガイドライン(日本語版) 
 Truck to Ship方式LNGバンカリングガイドライン(日本語版) 

 ※LNGバンカリングガイドラインについては、令和5年6月、「LNGバンカリングガイドライン改訂に向けた委員会(委員長:高崎 講二 九州大学名誉教授)」での検討を経て改訂したもの
 「LNGバンカリングガイドライン改訂に向けた検討委員会」での検討状況はこちら

 <天然ガス燃料船の普及促進に向けた総合対策検討委員会以降の取組>
 SOx規制強化の対応に向けた調査検討 報告書 平成27年度 (日本語版) 平成28年度 (日本語版)

 ポータブル方式LNG移送・接続のオペレーションガイドライン・オペレーションマニュアル (日本語版)

天然ガス燃料船の普及促進に向けた総合対策検討委員会

お問い合わせ先

国土交通省海事局海洋・環境政策課堀内、齊藤
電話 :03-5253-8111(内線43-924、43-934)
直通 :03-5253-8614

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