自動車アセスメント・チャイルドシートアセスメント

前面衝突試験の評価方法

  •    は試験用シートの変更にともない見直しを行った評価基準値を示す。( )は2008年度までの旧評価基準値を示す。

乳児用(ベッド型)

① 衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
  • ◎ チャイルドシート取付部等の破損がない
  • ○ 軽微な破損(亀裂等)があるが、拘束が保持されている場合等
  • × 強度を保持している部分の破損であって、本来の構造をとどめていない場合等

乳児用(ベッド型)イメージ

② 衝突によって胸部に生じる力(胸部合成加速度)
  • ◎ 胸部合成加速度≦490㎧²(50G)
     〔胸部合成加速度≦539㎧²(55G)〕
  • ○ 胸部合成加速度>490㎧²(50G)
     〔胸部合成加速度>539㎧²(55G)〕
  • 衝突時に子供の胸部に発生する加速度が大きいと、胸に傷害を受ける可能性があります。
③ 衝突時のチャイルドシート底面の傾き
  • ◎ ベッドの底面が水平より前方に傾かない(頭部のはみ出しなし)
  • ○ ベッドの底面が水平まで傾く(頭部のはみ出しなし)
  • × ベッドの底面が前方に傾くまたは頭部のはみ出し
  • 衝突時にベッド底面が前方に倒れすぎると、背中以外で荷重を受け、肩等に負担がかかり、傷害を受ける危険性があります。
④ 衝突時の頭部の前方への移動量
  • ◎ 頭部移動量≦575㎜〔頭部移動量≦600㎜〕
  • ○ 575㎜<頭部移動量≦650㎜〔600㎜<頭部移動量≦750㎜〕
  • × 頭部移動量>650㎜〔頭部移動量>750㎜〕
  • 衝突時に子供の頭部が前方に移動しすぎると、前席に衝突し、傷害を受ける危険性があります。
⑤ 衝突時に生じたその他の事象
  • × 衝突時にバックルが解離した
  • × 衝突時にチャイルドシート本体が座席ベルトから放出した

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乳児用(後ろ向き型)

① 衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
  • ◎ チャイルドシート取付部等の破損がない
  • ○ 軽微な破損(亀裂等)があるが、拘束が保持されている場合等
  • × 強度を保持している部分の破損であって、本来の構造をとどめていない場合等

乳児用(後ろ向き型)イメージ

② 衝突によって胸部に生じる力(胸部合成加速度)
  • ◎ 胸部合成加速度≦490㎧²(50G)
     〔胸部合成加速度≦539㎧²(55G)〕
  • ○ 胸部合成加速度>490㎧²(50G)
     〔胸部合成加速度>539㎧²(55G)〕
  • 衝突時に子供の胸部に発生する加速度が大きいと、胸に傷害を受ける可能性があります。
③ 衝突時のチャイルドシートのシートバック(角度)
  • ◎ シートバックの傾き≦55°〔シートバックの傾き≦60°〕
  • ○ 55°<シートバックの傾き≦63°〔60°<シートバックの傾き≦70°〕
  • × シートバックの傾き>63°〔シートバックの傾き>70°〕
  • 衝突時にベッド底面が前方に倒れすぎると、背中以外で荷重を受け、肩等に負担がかかり、傷害を受ける危険性があります。
④ 衝突時のチャイルドシート上端面からの頭部のはみ出し
  • ◎ 頭部のはみ出しがない
  • ○ 頭部のはみ出しが73㎜以内
  • × 頭部のはみ出しが73㎜を超える
  • 衝突時に子供の頭部がチャイルドシート上端面から大きくはみ出すと、頭部が前席と接触したり、頚部に負担がかかり、傷害を受ける危険性があります。
⑤ 衝突時に生じたその他の事象
  • × 衝突時にバックルが解離した
  • × 衝突時にチャイルドシート本体が座席ベルトから放出した

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幼児用

① 衝突によるチャイルドシート取付部等の破損
  • ◎ チャイルドシート取付部等の破損がない
  • ○ 軽微な破損(亀裂等)があるが、拘束が保持されている場合等
  • × 強度を保持している部分の破損であって、本来の構造をとどめていない場合等

② 衝突によって胸部に生じる力(胸部合成加速度)
  • ◎ 胸部合成加速度≦588㎧²(60G)
  • ○ 胸部合成加速度>588㎧²(60G)
  • 衝突時に子供の胸部に発生する加速度が大きいと、胸に傷害を受ける可能性があります。
③ 衝突時の頭部の前方への移動量
  • ◎ 頭部移動量≦525㎜
     〔頭部移動量≦550㎜〕
  • ○ 525㎜<頭部移動量≦600㎜
     〔550㎜<頭部移動量≦700㎜〕
  • × 頭部移動量>600㎜
     〔頭部移動量>700㎜〕
  • 衝突時に子供の頭部が前方に移動しすぎると、前席に衝突し、傷害を受ける危険性があります。
④ 衝突によって頭部に生じる力(頭部合成加速度)
  • ◎ 頭部合成加速度≦637㎧²(65G)〔頭部合成加速度≦784㎧²(80G)〕
  • ○ 頭部合成加速度>637㎧²(65G)〔頭部合成加速度>784㎧²(80G)〕
  • 衝突時に子供の頭部に発生する加速度が大きいと、頭部に傷害を受ける可能性があります。
⑤ 衝突時の胸たわみ
肋骨の底付き信号がONの場合はコメントを行う
⑥ 衝突時に生じたその他の事象
  • × 衝突時にバックルが解離した
  • × 衝突時にチャイルドシート本体が座席ベルトから放出した
  • × 衝突時において、ハーネスが腹部等身体の弱い部分を圧迫する等幼児に傷害を与えるおそれがある
  • 幼児用の場合、ハーネスやシールド等が肩および骨盤において身体を拘束する必要があります。これらの拘束が適切でなく、身体の弱い部分(頸部、腹、股間等)を圧迫して身体を拘束している場合が該当します。

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各カテゴリーの①〜⑤の評価結果に応じて総合的に4段階で評価を行います。

優
4つの項目がすべて◎の場合(×1つでもある場合は除く。)
良
4つの項目の中で◎が3つ、○が1つの場合(×1つでもある場合は除く。)
普
「優」、「良」および「推奨せず」に該当しない場合
推奨せず
評価項目の中で1つでも×があった場合

 「推奨せず」は、より高い安全性能を評価する本試験の観点からは、推奨するに至らないことを表しており、使用不可という意味ではありません。試験対象とした製品は、全て安全基準に適合しており一定レベルの安全性は確保されています。

インパクトシールドタイプ(自動車のシートベルトにより、インパクトシールド(衝突試験時、子供の体が飛び出すことを防ぐ拘束装置)を介して、チャイルドシートと子供の体を一体的に拘束するタイプ)のチャイルドシートについては、インパクトシールドがダミー胸部や腹部に計測範囲を超える大きな変形を生じさせるため、腹部への圧力を正確に計測できないことがあり、腹部圧迫計測を開始した2003年度以降の試験対象機種の前面衝突試験の総合的な評価を行っていません。2007年度の試験結果についても、これらに加え、胸部の変形の評価方法及びインパクトシールドタイプの腹部への圧力の評価方法が確立していないことがあるため、評価を行わないこととしました。また、2009年度は衝突時にダミーの胸部が最大(肋骨の底付き)まで変形した場合を胸部のタッチセンサー信号から判定し、信号がONの場合はコメントを行うこととして、評価項目に「衝突時の胸たわみ(肋骨の底付き)」を追加しています。

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