参加者同士、地域と繋がるワーケーションを目指して
-
- 人口:21,028人(2020年1月)
- 概要:和歌山県白浜町は和歌山県の南岸にある一大リゾート地で、温泉と白砂のビーチで知られる。
温泉や白良浜に加え、アドベンチャーワールドや千畳敷など、観光資源に恵まれ多くの観光客が訪問する。

白浜町がワーケーションで有名になった理由は?

- 白浜町がワーケーションを推進するようになった背景として、和歌山県がIT企業の誘致を積極的に行っていたことが関係します。もともと白浜町は年間300万人以上が訪れる観光地なのですが、町内は耐災害ネットワークの実証実験を行っている関係からフリーWi-Fiを無料開放しているなど、通信環境面でも先進地となっています。そして、なにより県内唯一の空港があり、羽田空港と南紀白浜空港は約60分の空路、そこから車で5分もあれば町の中心部に行けるという東京からアクセスの良さがあり、そこも進出企業にとって大きな魅力のようです。このような背景もあり、白浜町では積極的にワーケーションを推進しており、また、結果として多くの企業にご利用いただいています。
IT企業のサテライトオフィスが中心ということはあまり地域の方と交流はないのでしょうか?

- そんなことはなく、ワーケーション利用者と地域の方は色々と交流をしています。例えば、ある銀行の方々は、ワーケーションとして研修合宿を白浜町で開催してくれているのですが、その最終日には、地元の農家さんと交流しながら農業を手伝う「農業ボランティア」を実施しています。最初はどのように受け入れるか、何をお願いするかなど農家さんが迷うこともありました。また、銀行にとっては、大切なミーティング合宿の最中に多くの時間をボランティアにかけられるのかなど、私も不安も感じたのですが、年間を通して実施いただいています。最終的には受入側の農家さんも銀行の皆さんが来ないと困るとおっしゃるなど、とても良い関係が作れています。このような企業・利用者と地域が密着して交流することや、お互いが役に立つという構図は、とても良いワーケーションのモデルとなると確信しています。
白浜町がワーケーションを推進する上で今後挑戦したいことは?

- これから伸ばしたいことは、参加している企業同士の連携が少ないので、そこを深めていくことです。白浜町のITオフィスはお陰様で2020年に第3オフィスを開設するまでに至ったのですが、企業、利用者の連携をより深めてもらえればと思います。つまり、「閉じたワーケーション」ではなく、利用者、参加企業同士も繋がる地域コミュニティ創出に向けた「開けたワーケーション」を目指したいです。また、その結果として地域とも、より深く繋がっていただくことを期待しています。