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日本航空株式会社

日本航空株式会社

  • 創業:1951年
  • 従業員数:13,869名(2020年3月現在)
  • 本社所在地:東京都品川区
  • 事業内容:定期航空運送業、不定期航空運送業、航空機使用事業など
  • 2017年に有給休暇の取得率向上を目的として、ワーケーションを導入

ワーケーションの導入時期・理由は?

有給休暇取得率の向上を目指し、導入を決定しました

  •  日本航空株式会社(以下JAL)では、2015年から働き方改革に取り組んできたのですが、その中で有給休暇の取得率のアンバランスが課題となっていました。現場部門はシフトによる管理ができるため、有給休暇取得が進めやすかったのですが、デスクワークなどの間接部門社員の取得率がどうしても低いままとなっていました。そこでその対策のひとつとして、2017年より休暇利用中に仕事を行うテレワークを可とする「休暇型」のワーケーションを導入しました。これによって、「長く休暇を取ると、その後の業務に対する不安やストレスがある」、「なかなか長めの休暇が取得しづらい」といった、長期休暇を取ることによる抵抗感や、復帰後の業務量が増えることへの不安を軽減することができ、結果として間接部門社員の有給休暇取得率を向上させることができました。「帰省先でテレワークができたら……」などの社員の声が後押しにもなったといえます。
     このように、私どもの場合、有給休暇を活用してリゾートや観光地等でテレワークを行う福利厚生型のワーケーションスタイルが中心であり、あくまでも休暇目的の位置付けですので、移動費や宿泊費などの費用は社員自身が負担することになっています。労務管理においては、以前から実施していたテレワーク規定を軸に、業務の時間より休暇の時間を多くするなどの工夫をしました。
     テレワークを希望する社員は、事前に休暇取得を申請し、当日の就業場所の報告を上司にすることを義務とし、ワーケーション実施日は始終業時間を上司に報告します。さらに実施後は勤怠管理システムに登録すると共に、業務の進捗状況もしっかり共有するようにしています。
     ワーケーション実施者に行ったアンケート調査などでも、モチベーションが上がった、などのポジティブな回答が得られています。

今後の取り組み予定について

働き方、休み方を自律的にマネジメントできる人財を育成

  •  JALでワーケーションを利用できるのは主に間接部門の社員ですが、その数は約2,000人にのぼります。導入時の2017年度の利用者は11人でしたが、2020年度は延べ人数で 約400人以上となり、2割以上がワーケーションを利用していることになります。
     個人でワーケーションを活用することはできますが、 はじめの一歩を踏み出せるような活動や周知が盛んで、例えば和歌山県白浜で行われた遠隔地でのテレワーク体験、地域関係者との交流、熊野古道・道普請体験(道を補修する体験)といったワーケーショントライアルツアーなどを社内報や社内イントラネットで周知を図った結果、2018年7月の開設から約4ヶ月で約1,800件のアクセスを得ることとなりました。また、ワーケーションの形態も多様化しつつあり、滞在先で集中討議する「合宿型ワーケーション」を徳島県神山町や宮城県鳴子温泉、福岡県福岡市、富山県朝日町などで行い、北海道ではビール醸造体験、愛媛県では農業体験など、ワーケーションとアクティビティを融合し、地域で感性を養い、自己成長へ繋げる取り組みも行っています。
     社会全体でますますテレワークが進むなか、JALでは より進捗管理ができるプロジェクトマネジメントのスキル の重要性も意識し、 先進的なワーケーションもきっかけとしてNew Normalな働き方となる取り組 みにも繋げていこうと考えています。

インタビューにお答えいただいたのは:人財本部 人財戦略部 厚生企画・労務グループ 東原 祥匡さん

テレワークやワーケーションという、新しい概念にもとづく働き方、そしてそれに伴う企業運営のあり方は、当社が進めるダイバーシティ戦略にも合致するものと認識しています。2019年5月には出張時に休暇を付けたブレジャー制度も導入しました(2019年5月から開始し年度合計で総数実績は約170件になります)。このように、JALでは時間と場所に捉われない、柔軟性のある働き方を推進し、日本全体のワークスタイル変革に繋がるような取り組みを続けていきます。

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