闊達な企業風土を生み出す持続可能なワーケーション制度を設計
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- 設立:2009年
- 従業員数:58名(2024年2月現在)
- 本社所在地:東京都三鷹市
- 事業内容:システム・Web構築を事業の中心としながら、窓口サービスの改善支援やテレワーク支援など各地のオフィスを起点に各地域と連携した事業を展開。

ワーケーションに取り組んだ背景/現状
今回の実証事業における目的や背景について

- 自分自身パラレルワーカーで2拠点生活を送るワーケーターの経験があり、システム開発業界全体の課題である離職率の高さの解決や自社のチームビルディングの課題解決にワーケーションが有効ではないかと考え、コロナ禍に自分自身が山口県で湯治ワーケーションを実践し福利厚生に導入できないかを検討しました。そして令和3年度の観光庁事業に採択され、社内全体での取り組みをはじめました。実践を通してワーケーションは地域と繋がることでのネットワーク構築やチームビルディングにも効果があることがわかり、そこから更なる推進に向け動き出しました。現在は地方創生室を中心にプロジェクトチームでワーケーションを推進しており、役員クラスは全員、部長クラスは80%が参加経験があります。
取り組み内容やコンテンツについて

- 静岡県富士宮市ではチームビルドワーケーション、岐阜県養老町ではお試し移住ワーケーションとチームビルドプログラムを合計10回行っています。地域の皆様が徹底して「コミクリにとってプラスになるか」を考えてプログラムやコンテンツを作ってくださり、ワークとバケーションのバランスに気を配ったプログラムにチャレンジしたことで成功につながったと思います。養老町でのワーケーションではデジタルカタログを作成し、情報発信の簡略化、問合せ業務の負荷低減等につながりました。
また社員間のコミュニケーションが重要と考え、必然的に会話の生まれる写真撮影会のプログラムやオリエンテーションを実施し、役職や属性に関係なくフラットな交流が生まれるように工夫しています。参加者に日本のワーケーションの現状やをインプットする場とし、会社としての目的や社長の思いを伝えたり、地域の方との繋がりを深める場としても場を活用しました。
取り組みにおける課題や改善点は?

- これまでの取組において、ワーケーションに行きたい人と会社が行ってほしい人とのミスマッチによる不公平感や不満、天候不順により地域と交流ができなかったり、通信環境が悪く業務に支障があるなど、課題の残る結果もありました。
社内にはワーケーションに対して肯定的な意見も否定的な意見もありました。そこでワーケーションの良い点や効果について社員に理解を深めてもらおうと、社員向けの説明会や交流会を計16回実施しました。ワーケーションに対し、疑問や不安な点等について対話を丁寧に行った上で、参加者に業務負荷がかからないようなプランの作成に努めました。
また繫忙な社員が多かったり業務都合や家庭環境などで参加が難しい社員もいるため、参加のための業務の調整や、ワーケーションの調整業務負荷低減のための業務アプリケーションの作成等を行いました。
今回の取り組みで得られた成果と今後について

- 実証終了後に全社員に向け、「あなたが理想とするワーケーションはなんですか」とアンケートで聞いたところ、「一人で自由に行きたい場所で参加できるもの」という答えが多く、個人としてはリフレッシュ要素が求められています。一方で組織としてはチームビルディングワーケーションが通常業務の円滑化につながっているという声があり、これまで参加できていないメンバーも参加できるように今後もプログラムのブラッシュアップなどを続けていきたいと思います。
実務的な面では、地域との調整業務には双方に人的リソースがとてもかかります。私たちは業務軽減のために業務アプリ構築サービスを使っており、作成には苦労もありましたが非常に有効でした。重要度が高い調整業務には今後も活用していきたいです。
参加者の満足度を上げるには、社内外を問わずワーケーションを通じて誰かとつながることが重要だと考えます。滞在中に関係者がワンチームになってコミュニケーションをとれることが大事です。そのための企画をオリエンテーションなどにも入れているのでこれからも続けていきたいと思います。
大変なことも多くありましたが、アンケートで参加者全員から良い取り組みだから来年もぜひ継続してほしいという声をもらえたこともとても励みになりました。業界と自社の課題の解決に向けて今後もこの取組を続けていきたいと思います。