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日向市

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取組テーマ

人材育成

地方創生

販路構築

「階層別」人材育成ワーケーション

  • 人口:57,400名(2024年3月現在)
  • 概要:宮崎県北東部に位置し、重要港湾「細島港」を中心に、東九州随一の陸・海の物流拠点として発展してきた港湾工業都市。海岸部は、日豊海岸国定公園の南端に位置し、リアス式海岸と白砂青松の砂浜が織りなす海岸線には、地球の丸さを体感できる「馬ケ背」や「願いが叶うクルスの海」といった景勝地のほか、「お倉ヶ浜」「金ヶ浜」といった国内有数のサーフスポットが点在しており、国際大会やプロ大会も開催される「サーフィンの聖地」とも言われている。

ワーケーションに取り組んだ背景/現状

今回の実証事業における目的や背景について

  • 日向市では観光消費額の増加、企業と地域との共創による地域活性化や地域課題の解決、企業の求める多様な働き方への対応などの促進のため、ワーケーションに携わるすべての方のウェルビーイング向上に寄与するという目的のもと、令和2~4年の「企業向けワーケーション」実証実験期間でおよそ80社、延べ1,100名を受け入れてきました。
    その中で特に力を注いできた「研修型ワーケーション」を磨き上げていくことに現在はフォーカスしています。当初は個人、企業の区別なく受け入れていましたが、やはり事業の継続のためにボリュームの確保も必要という観点からこちらに取り組んでいます。

    また過去に行った実績で「次世代リーダー」をターゲットにしたことがありましたが、今回は異なる階層も含めた階層別研修の造成と効果検証、企業ニーズに応えられるコーディネーターの育成、安定的な事業展開のためのマネタイズや販路確保にも取り組んでいます。

取り組み内容やコンテンツについて

  • 階層別研修においては若手・次世代リーダー・ミドルシニアに分けて実施しましたが、それぞれの年代ごとに傾向等は異なるので、ゴールも内容も全く違うものとなりました。 若手はコロナ禍入社世代なので共同作業などで誰かと何かを成し遂げる体験を、次世代リーダーは企業を背負っていく世代なので未来志向の研修を、ミドルシニアは自分たちの可能性を見つめなおしてもらえるように持っている知見の再活用ができる地元企業での入社体験をしてもらうといった内容になります。
    コーディネーター育成はセミナーの実施や実際のファシリテーションの実践、販路構築は東京と大阪でのプロモーションイベントなどを実施しました。

    階層別研修の若手のプログラムでは細島地区という漁師町で地元住民がホスト役を務めてもらい個人の民家で交流会を行いました。ここでしかできない体験をしてもらえて、参加者の積極性も上がったと思います。
    また、研修のツールとして自身のキャリアのグラフにした「モチベーショングラフ」を活用したプログラムをいれたことで自己開示につながり、参加者の心理的安全性の担保ができて効果的だったと思います。

取り組みにおける課題や改善点は?

  • 階層別研修は、世代により課題や参加者の心理面のハードルの違いをがありました。特に次世代リーダーは対象年齢層も広く、非常に高い視座を持ち、受け入れ側もより一層の準備の必要性を感じました。ミドルシニアは地元企業の入社体験ということで、ハードな面もあったと思います。参加者から「自分が積極的にならねば」と感じ積極的になったと話してくれた人もいました。

    コーディネーター育成では、思いの強さから時間をオーバーしたり、ファシリテーションが行き過ぎた場面などもあり、参加者から厳しい評価をもらったこともありましたが、候補者自身の気づきや推進協議会からのフィードバックなどで、成長を見せてくれました。

今回の取り組みで得られた成果と今後について

  • 階層別研修プログラムに関しては、企業へセールスするハードルの高さに気づかされました。効果の可視化とそのための素材をもって企業にアピールをする必要性を感じています。これについてはメンバー間で議論しており、民間のメンバーからの課題や危機感の提案もありがたかったです。

    ファシリテーター育成では、今回KGIに掲げた2名でなく3名の育成につながっています。経験豊富なメンバーが他のメンバーに知見を横展開してくれています。メンバー3名は地元に暮らしており関係性も近く、熱い議論も交わしながら切磋琢磨しています。

    販路構築を目的に実施したプロモーションイベントで感じたのは、これまでに関係性を気づいてきた企業にもまだまだニーズが存在するということと新規開拓の実現のための準備の重要性です。
    例えば観光庁事業でマッチングしたある企業からは、参加した部署の他のメンバーや他の部署にも参加の輪を広げたいという声をもらいました。
    またこれまでは関東の企業が圧倒的に多かったですが、民間のメンバーが自身のコネクションで企業へアピールもしてくれて、これまでは少なかった関西エリアからの参加も見込めると思います。
    そしてあるイベントで出会った関西の大学の方との会話でラーケーションの可能性にも気づいたということもあり、エリアやターゲット、属性に沿った差別化の必要性も感じています。
    プロモーションなどで行政がお話することの信頼性はあると思いますので、今後もイベントなどへの積極的な参加を通して、情報発信をしていきたいです。

インタビューにお答えいただいたのは:商工観光部 商工港湾課 新玉 祐史 さん

今回の取り組みを通して、受け入れ側が自分たちがやりやすい環境を整えて、本気で意見の言える 関係の中で切磋琢磨しながら、人材も育ち各自の個性も活かされ、それが自走していく仕組みに つながる、という流れができつつあると感じています。

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