騒音対策
各経路別対策 - 南風運用時
南風運用時
南風時のA/C滑走路に着陸する到着経路の高度引き上げについて
全体の環境影響等をできるだけ小さくするため、南風時の新到着経路について、安全確保を前提に着陸を開始する地点の高度を引き上げます。
※記載の高度は2019年7月に示された「羽田空港機能強化に向けた追加対策」反映前のものです。



南風時の新到着経路の飛行高度について、その地点で聞こえる音の大きさが軽減されます。
- ・3,000ftから4,000ftに引き上げることで、約2〜4dB程度
- ・3,000ftから5,000ftに引き上げることで、約4〜7dB程度
新飛行経路の高度引上げに際し、RNP方式を導入
環境影響に配慮し、着陸を開始する高度を引き上げるため、南風好天時の新到着経路について、「RNP方式」を活用し、A滑走路とC滑走路2本独立して平行して進入する方式を導入します。(南風悪天時の新到着経路については、地上からの精密な誘導電波を利用するILS進入を実施。)

「RNP方式」は、GPS等を利用して航空機の位置を把握して飛行する方式であり、個別のRNP経路の設定及び同時進入の際の航空機同士の最低間隔は、国際民間航空機関(ICAO)の国際基準に基づき設定されているため、国際的な安全基準に則って安全性を確保したものとなっています。
加えて、当該運用方式の運用にあたっては、2本の経路を飛行する航空機の位置を、高精度レーダー(WAM)を用いて航空機に対して安全な間隔を維持するよう指示を行うことやこの経路における飛行速度の設定等きめ細かな運用を行うことにより、一層の安全性を確保しています。
安全性を確保した進入方式導入に加え、管制官による監視を強化し、さらなる安全の確保に万全を尽くしてまいります。
なお、2022年10月6日に「RNAV」から「RNP」に名称が変更となりました。
南風好天時のA/C滑走路に着陸する到着経路の降下角引き上げ
南風好天時の新到着経路の降下角を3°から3.5°にできる限り引き上げることによって、飛行高度の引き上げ、騒音影響の低減を図ります。


※気象条件等により、上図点線のような飛行となる場合もある。
※飛行高度の引き上げを安定的に実現するため、航空保安施設の整備に関する調整を実施。
南風好天時のB/D滑走路に着陸する到着経路の降下角引き上げ
2010年、羽田空港の4本目の滑走路運用開始に際し、千葉県内の飛行経路に変更が生じました。以降、千葉市上空での飛行経路について、着陸開始高度の引上げのための措置を順次実施してきました。このように地域への影響をできるだけ小さくするような運用の工夫に努めています。


- ◎西・南方面の到着経路について高度を引上げ(5000ft→7000ft)
- ◎北方面の到着経路について高度を引上げ(4000ft→4500ft)
南風時のB滑走路からの出発経路において長距離国際線及び機材の制限
南風時のB滑走路からの出発経路において長距離国際線及び機材の制限等を行います。
新飛行経路のうちB滑走路から西向離陸する経路については、環境影響に配慮した方策をとることとし、地元自治体の要望を踏まえ、長距離国際線の制限、機材制限、騒音軽減運航方式等の導入を行います。
運用制限
羽田空港からの距離が6,000km程度以内の路線とします。ただし、当該距離制限を超える路線については、別途指定する低騒音機材に限り運航を認めます。
(参照)2019年夏ダイヤで羽田空港に就航している国際定期路線を対象として空港毎に距離(概数)を集計
方面 | 国・地域 | 都市 | 空港の距離(km) |
---|---|---|---|
アジア | 韓国 | ソウル(金浦) | 1,180 |
ソウル(仁川) | 1,210 | ||
中国 | 上海(浦東) | 1,735 | |
上海(虹橋) | 1,775 | ||
天津 | 2,015 | ||
北京 | 2,090 | ||
広州 | 2,885 | ||
香港 | 2,900 | ||
台湾 | 台北(桃園) | 2,120 | |
台北(松山) | 2,095 | ||
フィリピン | マニラ | 2,995 | |
ベトナム | ハノイ | 3,660 | |
ホーチミン | 4,325 | ||
タイ | バンコク | 4,590 | |
シンガポール | シンガポール | 5,300 | |
マレーシア | クアラルンプール | 5,350 | |
インドネシア | ジャカルタ | 5,780 |
方面 | 国・地域 | 都市 | 空港の距離(km) |
---|---|---|---|
オセアニア | オーストラリア | シドニー | 7,820 |
中東 | アラブ首長国連邦 | ドバイ | 7,935 |
カタール | ドーハ | 8,255 | |
欧州 | オーストリア | ウィーン | 9,140 |
ドイツ | フランクフルト | 9,360 | |
ミュンヘン | 9,360 | ||
イギリス | ロンドン | 9,590 | |
フランス | パリ | 9,700 | |
太平洋・北米 | アメリカ(ハワイ州) | ホノルル | 6,190 |
コナ | 6,450 | ||
アメリカ | サンフランシスコ | 8,285 | |
ロサンゼルス | 8,810 | ||
ミネアポリス | 9,605 | ||
シカゴ | 10,125 | ||
ニューヨーク | 10,825 | ||
カナダ | バンクーバー | 7,560 | |
トロント | 10,345 |
4発機(B747、A340等)を制限します。
(参照)2024年夏ダイヤで羽田空港に就航している国際定期路線のうち4発機(B747)を導入している路線:羽田ーフランクフルト(ルフトハンザ航空)
騒音軽減運航方式等
フラップの揚力をできる限り活用することによって、可能な限り早く高度を確保する運航方式を導入します。

できるだけ早く旋回を開始することにより、住宅地の騒音を低減します。
大型機のB滑走路末端からの離陸滑走について
羽田空港のB滑走路を離陸する大型機(B777、A330 型機)は、原則として滑走路末端の誘導路(B14)を使用して離陸します。これにより、陸域を通過する際の高度が高くなり、早めの旋回が可能となるため、騒音の影響を軽減することができます。
